生きづらさを感じる人が創る
のびアート
タグ:「詩・文」
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あなたの存在しない世界に、もう私の吸える空気はなくて
あなたが行ってしまった世界に、私もすぐうしろをついていきたくて
あなたの背中を見ながら、あなたの真似をしている
1秒たりとも、遅れを取りたくないあなたと全く同じことをする
私を「恩知らずだ」と、あなたは咎めるでしょう
それでもあなたの後ろにぴったりとくっついて
あなたの後を追いたいんだ、1秒の遅れもなく私はただ、ただ、あなたを失った
その状態がつらいだけ、ただそれだけ
私は別に、愚か者でも何でもないあなたの行ってしまった世界に、私も行けるように
あなたの真似するのを我慢するね
またね、その時は、
あなたが怪我をしたら、私がすぐ手当をできるように「またね」
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ねむい
眠りたくない
起きていたい
夜の闇と静寂の中で浅く息をしていたい
溶けて
透明になって
消えてしまいたい
そのまま眠ってしまいたい
誰にも見つからなくなって
ひとり静かに
穏やかに眠る
夢は見ない
どうせ現実にはならないから
深い眠りについたまま
いつか起きても
涙の跡はいらない
そっとほほえんで
夜の光に挨拶をする
それでもやっぱり
朝は来ない
白昼夢
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瞼の裏側で、光が蠢く。うぞうぞ、芋虫のように這いずりのたうち、幾多もの脚を動かしている。ぶくふくと肥え太った躯をくねらせて、それはそこにいる。
不快感の塊のそれは、瞼の裏側に居て、目を閉じれば嫌でも浮かび上がってくる。
うぞうぞと動くそれは、今も瞼の裏にいる。眼球の丸みをなぞるように蠢き、存在を主張してくる。
不快でしかない白い、黒い、体躯をくねらせながら、いつだってそこに居る。
居ないときはない。けれど、見え辛い時はある。はっきりと認識出来てしまうのは、精神的に参っているからだ。
疲弊がそれを、形作っている。取り除くことは出来ない。
今日もそれは、瞼の裏側でのたうって、疲弊の理由と向き合えと、逃げることは許されないと、突き付けてくる。
それが一層、こちらを苦しめて、悪い方へ、悪い方へと思考を連れて行く。
そうされながら、必死に告げた言葉を、人は異常者だと言った。
瞼の裏側のそれは、いつだってそこでのたうち、蠢いている。瞼の裏側
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部屋に入るなり
君はベッドに倒れ込んで
突っ伏して 泣いた
コーヒーカップが倒れて
ぐちゃぐちゃなミニテーブル
真っ暗な夜、動けなくなった君
穏やかな波の音が
カーテンの向こうから響く君の手が、僕にそっと触れる
僕は
効き目のない抗不安薬なんだろう
でも
君は、いつも泣きながら、
僕を抱きしめてくれる
僕の名前を、口の中で小さく繰り返して「しにたい」
そうつぶやく君を
僕は救えるのかな…
波の音に君の嗚咽が混じって
いつも自信が綺麗に消えちゃう…だけど、
ううん、ずっと、救いたいんだ
効き目がなくたって、
本当はそんなこと、どうでもいいんだ
僕は、君が大切だから
ここにいるよ
人間ではないけど
話すこともできないけど
頼りないことは分かってるけど
君が僕を抱きしめてくれる限り
僕を必要としてくれる限り
いつも、そばにいるよふわふわな身体を、頼りないなって、
自分で嫌ってたけど、
僕の毛皮は、君が毎夜眠るために
何か、役に立ってるんだね人間でない身体を、頼りないなって、
君に申し訳なかったけど、
この僕の姿は、君が毎晩涙を見せられる
安心できる姿なんだね僕は、僕で嬉しいよ
そして、
君にも、自然体でいて欲しいんだ
誰が何と言ったって、
君は、一生懸命生きているよ君の涙を吸い取って、夜が明けて
また、海の見える窓辺で
君の帰りを待つよ人知れず
ぐちゃぐちゃに傷付きながら
ボロボロに壊れながら
生きている君を
僕はちゃんと知ってるよ今日も
「おかえりなさい」を
君に言いたい
いつもと変わらない
とぼけた顔で
君の痛みを
聴いていたい『stuffed toy』
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また絡んじゃった
絡み合うと すぐ除け者にされちゃうねごめんね なんでだろうね
上手くいかないねくるくる 糸が緩くなったり
くるくる 糸がきつくなるあー 難しい
努力はしてみるんだけど 絡み合うと
迷惑かけちゃうねふわふわ温かい
くるくる迷惑かけちゃう今日も それの繰り返しなのさ
除け者なんかじゃないよ
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わちゃわちゃ絡まった脳内回路 広げっぱなしの毛糸のよう
喜怒哀楽を丸めたとて 感情の収まりはつかないや
散らかったままのこの心は 日々何かを飲み込んでゆく
ああ「毛糸」か
一本に編んでほどくがうまく戻らない 絹糸のようにはいかないお前
玉のように丸まっても どうしようもないまま子猫に弄ばれるお前
ああどうやら俺も同じだ 程よく真面目に生きてはいるが 純粋な頃には戻れない
今のように丸まって悩んでも きっと誰かの思う壺な俺こうなったらもうさ、「毛糸」 お前にさえ憧れるんだ
一本の毛糸だったらば 一本気でいられたならば
どんなに良かっただろうか こうはならなかったんだろうか
転がるんじゃなくて ただ前に進みたいだけなんだ禍福は時に糾える毛糸の如し
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硝子ケースの中に悲しみが一つあった
飲み込むのは全てと 済し崩しの実像だけ
ブランコ上の星々達は メランコリーな誘惑をする
日々を嘆き 変えられない今に打ちひしがれる
それも俺だとふと気付いたんだ 曖昧なままに
儚い茨のツルと棘に 腕を晒したまんまだが
怪我して血が出た足だからか 前へと進むこともできやしない
黒い影が俺の腕を引いては「お前のせいだ」というんだ
人っ子一人いないな 漆黒の空は高くそびえたつ立つ壁のようで
やさぐれた俺の頬を一筋濡らすだけ
それでも 延々 蔓延るのは焦燥の刃と空白だけ
でも醜くないほうがいいんだろう?
子犬が一匹いたのだ 惑う間もなくそこに
段ボールの敷居を抜け 俺に助けを乞うたのか
怪しい光に 飼い主も捨て 掻き消して
電灯の下のブランコに 明るさ見出し導かれた
俺を問えるのは自分だろう 怪しい奇譚の中を歩いていただけなのか
世の中 「禍福」の「福」を見てるだけで片付くのかよ
甘い汁を吸う誰かさんと 虹の麓の狭霧だけだ
この世に背を向けること それが唯一の助けなのか
ああ何を捨てて何を拾うのか 懊悩吹き荒ぶ夜の俺はピエロ
泣く事しか今はできないのだ 暗い高架下に寄りかかって
電灯の影の下に蕾が一つ 脳裏にふと思い出すのは
過去との決別への願い ただそれだけなんだ
トタン屋根さえ穿つ雨 くぐもる雨音が耳を奪った
強まるだけで速まる心臓 遠くの稲妻の音が心地いい
森深くの夢に居たか あの幽霊に挨拶したいくらいだ
今、「同じ心境ですから」と
メランコリア
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見つかんなかったんだ
見つけられなかったんだ
見つけることを許されなかったんだ
ただ それだけ
別に自分を可哀想とか
そんな風にはもう思わない
ただ 自分がどこにいるのか
どうしても分からないんだ
ずっと ずっと 分からないんだ青く青く晴れた空
窓閉めたままで眺めて
隠れていた乾いた冬の空気が
形になって見えるみたいだざわめいて頭を締め付ける
僕の治療中の病は
真っ白に見える安定剤で
一瞬だけ白紙になってヒラリああ
人生も白紙にできないかな
そんなことばかり考える
あなたを愛していたいからこそああ
あなたに出会えたのは良かったよ
ほんとうにほんとに良かったよだけど
毎日
苦しいよ
あなたは別の夢を見てる
きっと 死ぬまで僕が僕を見失ったのは
あなたの見ている夢を
僕も見なきゃいけないって
信じていたから
ただ 純粋に
そして 純粋に 夢を見て
僕は壊れたんだろう全てが 誰のせいでもないけど
傷が深すぎたんだ
傷つけ合いすぎたんだ
傷を覆い隠そうとしたんだ
ただ お互いに
別にあなたの全てを知ってるフリとか
そんなことはもうしたくないだけど あなたも 僕も
どこにいるんだろうね
何を見てるんだろうね
何を感じてるんだろうね
何を守っているんだろうねずっと ずっと
何も分からないんだ
ずっと ずっと
全部を分かったふりをしながらずっと ずっと
愛そうとしながら
ずっと ずっと
愛せないんだ誰よりも長く
誰よりも一緒に
だけど
どこにもいない
どこにもいない
あなたと 僕『かくれんぼ』
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他人は、どうしようもない。
それ以上に、自分がどうしようもない。
生きているだけで、迷惑をかけている。
だから許しを請い、贖罪をする。
眠れぬまま祈り続け、救われぬまま朝を迎える。人は生きているだけで、罪深い。
自分の正しさを疑わず、声なき者を虐げる。
環境も生態系も貪って、いずれ地球を喰い尽くす。
間違いに気付いても、改めることなどしない。
遅かれ早かれ、死ぬしかない。普通の人の社会で、普通でない自分は迷惑をかけている。
「普通にしてよ」、「普通ならできるよ」。
他人の声に怯え、顔色をうかがう。
嫌われまいと、普通になろうともがく。
普通を演じて他人に接し、くたびれ果てて自分から逃げた。普通になれない自分は、歪な存在だった。
どこにも馴染めず、誰からも嫌われた。
自分を責め、他人に怯える。
自分の声を無くし、感情を見失う。
普通に、殺されてゆく。まわりには、楽しげな世界が広がっている。
他人が手にする当たり前に、手を伸ばし背伸びした。
そんな自分の振る舞いを、他人は奇異な目で笑う。
他人と自分の異和は埋まらず、自責と恨みばかり溢れる。
内罰と殺意は、同じ場所で生まれる。「理解して支え合い、共に暮らしましょう」。
「多様性を受け入れましょう」。
普通の人の寛大な愛で、普通でない自分は生かされている。
差し出される愛をただ貪り、這いつくばって生きている。
自分の無能を許されると引き換えに、他人の嘲笑を許していた。ふざけるな。
異常性を謳え。
苦しみを叫べ。
他人に認められる必要なんてない。
どうしようもない僕はどうしようもないまま生きてやる。死にたいと僕は言った。
死にたいと君は言った。
吐き出した声が明かりを灯す。
世界の果てで僕らは悲鳴だけを共有した。世界なんて間違っている。
ぼくらは僕らの声を上げる。
そして僕らの場所をつくろう。
ぼくらは僕らを生きてやる。「アブノーマライゼーション」
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朝日の中に浮かぶ声
夜の光に溶けていく
あなたが残した空間は
穴となって暗く光る
いつかは別の人が
穴を埋めて明るく消える風にのって どこまでも
広く遠くへ飛んで行け
青い空のその向こう
あなたの元にも届くかな月の側に浮かぶ星に
祈りを込めて書く手紙
あなたは春を告げて去っていく
記憶に色をのせてから風にのって どこまでも
ついて行ったら 会えるかな
青い空のその向こう
あなたの元まで飛んで行けどうして行ってしまったの
どこへ行ってしまったの
どうしたらそちらへ行けますか
あなたはだめって言うんだよね風にのって 飛んで行け
痛みと悲しみを胸に抱き
幸せを超えてその向こう
いつまでも笑顔でいられる場所へDandelion
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風 僕は風になるんだ
君の頬へと伝う風
優しく撫でる風
力強く背を押す風風 僕は風になるんだ
風になれたら どこにいたって囁ける
風になれたら どこへでも飛んでゆける人に踏んづけられる枯葉たちを 僕は風になって掬いあげたい
風 僕は風になるんだ
ああ 僕は風になりたいな
そうしたら 君の涙を乾かせるのに
そうしたら 君があそこから落っこちないよう僕が包んであげられるのに僕は風になる
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愛の形など
決まっていないのだと
学生時代の自分は
そう言い聞かせては
背伸びして泣くのをやめた
あのときひらめいた
おとなびた答えは
今でも自分に似つかわしくなく
色褪せない
いい答えだと見ている
人間 極論に振り回される時やどっちを選んでも間違う選択を
強いられて切り抜ける理由は
本当に自分のためだけではない と
あからさまなこともあればそれで隠された複雑もある
手に取りやすいように
たやすく優しさと呼べないもの
成功や脱出では
これ以上の何かを見いだせないなら
不公平とは何故存在するのか
突きつけられるたびに
負けるわけにはいかないと
ない答えを必死に紡ぎ出す
本当は批判など贅沢すぎて惜しげもなく放つのに驚いて
やりとりは虚しく雨と傘のように
哀しいすれ違いは今もある
遠く離れた人に
たやすく声をかけられる時代に
心の距離も永遠ではないと
おぼろげながら未来を測った
誰かの言動を是認することに対して真意を簡単に悟られたくなかった
思ったより簡単なことだった
後から後悔などしないでほしいと悲劇が起こるたびに教わったはずで
解釈はたしかに自由だから
阻むなど親と子くらいだと
今でも間違いだと思ってない
結局なにがその人の生き方の
指針になっているのだろう
糾弾されたひとつの出来事だけでは
到底はかれないものを
各自が持って生きている
生きること 愛することとは対するたびに やはり惑う
絶対に心の中で決めた
各々のルールがある
だから 属性よりその人その人を
見ていかないと始まらない
頭は無意識に
秒単位で選択問題に答える
絶対間違えないと意気込み
何で疲れたのか曲解して眠る
愚かだとは決して思えずむしろ無いと恥だと
社会にいつか教わったような
風が無尽蔵に吹く
「風が無尽蔵に吹く」
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吹き抜ける
祭りの香り
運ぶ風
少し涼しい
日落ち夏の夜夏の夜風(短歌)
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思いっきり地面に叩きつけると
白い球が大きく飛び上がって
ぽんっぽんっと何度か跳ねたそのまま前へ転がっていくそれを追いかけたら
自分が躓いて、すってんころりんと転がって(ああ、なんてどんくさいんだろう······私)
身体が痛くて、起き上がるのも億劫で
そのまま寝転がって空を見上げてみる「相変わらず、憎いくらいの青空ね」
口を突いて出た悪態は誰にも聞かれることもなく
燦々と降り注ぐ陽の光に吸い込まれて消えたとんで はねて ころがって
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僕は、ふと目覚めるとある森の木の下にいた。
その森は、薄く霧がかかり澄んだ空気をしていた。
目が覚めた僕はその森の宝石の緑碧玉の色のような力強く深い緑色に圧倒されながらどこを彷徨いここまで来たのか目を瞑り考えた。
そして、再び目を開けるとそれは、夢だったと気付かされた。
グリーンジャスパーの森
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キラキラした自然の緑
私にはまぶしすぎる
落ち着いた癒やしの緑
私には優しすぎる
一直線に伸びた若々しい緑
私には美しすぎる私に似合わない色
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コップは、空だからこそ意味がある空だからこそ、何かを溜めることができる
そう誰かが言っていた
じゃあ、どうやって空にするの?
今、コップに溜まっている涙は
どうやったらなくすことができるの?
空のコップ
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それはコップなんだって
満杯のコップなんだって透明かな
にごっていてもいいのかななにをそそいだの
なにがはいってるの
なにをはぐくんだのそれはコップ
でもコップなにか意味があるの
どうしてコップなのこのこえは届くの
届くといいね
届くといいな「 コップ 」
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話してわかる青りんご 目を見てわかる赤りんご あなたのその目は青りんご 僕のはなしは赤りんご きっと僕らはわかりあえない それが僕のまなざし
「赤りんご青りんご」
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解けなくなった靴紐と青くなった左足に 約束だからね、絶対ね、噛み砕いた痛み止め 血の巡るうちに進もう また静かに塗りつぶされる前に 火のゆらぎ 水面の穏やかな心地に瞼落として 頑なに 変わらなかった僕のワガママ 鍵を落とした 待ちぼうけ駐輪場の隅 短命なスカート 感銘は全貌な しょうがないため息 擦れたカバンの底に隠した 赤点の答案 隠そうか思案 イヤホンで影は隠せない ああ まただ 捨てられてく言葉たち ぶれたレンズではとらえられない 解くことのない誤解と青くなったアザたち ありえないよ、もうやめてよ、捨てられた痛み止め 息のあるうちに進もう またいないフリをされる前に 雨の午後 桜は散る 薄暗い棚の隙間 並ぶは後悔か もう一度戻りたい何も知らなかったあの日に 残念だね、仕方ないね、噛み砕いたその言葉 ドアは開いてしまった 知らないフリはできない 泣けないから笑えない 消えた火の始末 誰のせい もう味のしないレモネード 嵐の後 後味の悪いティータイム 眼鏡で音は探せない 二度と 会うことはないメロディー 震える手では引き止められない 解けてなくなった雪と赤くなった頬に 約束だからね、絶対ね、噛み砕いた処方箋 血の巡るうちに進もう また静かに塗りつぶされる前に 解けなくなった靴紐と青くなった左足に 約束だからね、絶対ね、噛み砕いた処方箋 血の巡るうちに進もう また静かに塗りつぶされる前に
静かの春
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パン工房で働いてた。通勤バスの中で、立ち並ぶ家をいつも当たり前のように眺めていた。今では、引っ越ししてしまって、あの光景を2度と見れなくなった。 それは、今もそうかな。今働いている会社で会う人、見える景色、イベント。それもいつしか見れなくなってしまう。ちょっと悲しい。
失って気づくもの
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満月 欠けたところが何もない完璧なもの 完璧を求めて走ってきたけど いつだって愛されるのは不完全 どこか欠けててそれが魅力 綺麗だったのは満月の次の日の少し擦り減った月
不完全
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私の花びら 人魚の瞳(め) 木のスプーン 白うさぎのしっぽ 飛行機の窓の欠片 黒マスクのくじらの欠伸 雷雲の黒い泡 やどかりに追われる白い車 かぼすの木の根っこ 虹色になった冥王星 水溜まりに浮かぶ犬の消しごむ アゲハ蝶の羽から流れる雲 沈黙の鉛筆 蜘蛛の巣に抱かれるぬいぐるみの鼻 林檎の雪化粧 半月の沈んだ海底で焼くマフィンの栗
ありふれた今
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知る雪つかみ望む その羽根 月日の背中 やさしい石 さやかな背伸び 狐は望むその三日月 ゆるし (しるゆきつかみのそむそのはねつきひのせなかやさしいいしさやかなせのひきつねはのそむそのみかつきゆるし)
回文(三日月)
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いつでも会える人は、いつか会えなくなる。 いつでも見れる景色は、いつか見れなくなる。 いつでも出来ることは、いつか出来なくなる。 今、目の前にある当たり前がとても幸せなことに気づいてください。 本当に大切なモノは、すぐ側にあります。 失ってしまう前に気づいてください。 そして、今この瞬間を大切に楽しみましょう。 過去にいた人は、今の為に存在していたかも知れない。
大切なもの
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わたしは、トタンでできたバラック小屋の集落で暮らしている。この町では、50歳になる女性は、髪を脱色する儀式をしなければならない。わたしは、黒髪で腰まで伸ばしていた。そんな、わたしにも、その時が訪れた。町内会長のもとに赴き、皆が見てる前で、脱色剤が頭頂部から雑に塗られていく。だんだん、冷たく重く感じる。目を開けて鏡を見ると、わたしの髪は、まだらの茶髪や金髪になっていた。そこから、緑やオレンジ色のヘナが塗られ完成した頃には、わたしの髪は、バラック小屋のような、寂れてまだらな茶髪にコケが生えたような緑、埃でくすんだ屋根のような赤オレンジの髪色に染まっていた。皆は、喜んでいる。わたしも、喜んでもらえて嬉しいですと答えた。次の日から、わたしも町の皆と一緒に祈りを捧げました。
羽衣草