のびアート

わたしは、トタンでできたバラック小屋の集落で暮らしている。この町では、50歳になる女性は、髪を脱色する儀式をしなければならない。わたしは、黒髪で腰まで伸ばしていた。そんな、わたしにも、その時が訪れた。町内会長のもとに赴き、皆が見てる前で、脱色剤が頭頂部から雑に塗られていく。だんだん、冷たく重く感じる。目を開けて鏡を見ると、わたしの髪は、まだらの茶髪や金髪になっていた。そこから、緑やオレンジ色のヘナが塗られ完成した頃には、わたしの髪は、バラック小屋のような、寂れてまだらな茶髪にコケが生えたような緑、埃でくすんだ屋根のような赤オレンジの髪色に染まっていた。皆は、喜んでいる。わたしも、喜んでもらえて嬉しいですと答えた。次の日から、わたしも町の皆と一緒に祈りを捧げました。

羽衣草

ペンネーム : ジャスミン
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