生きづらさを感じる人が創る
のびアート
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雨はいつも私の身体に降っている自室のベッドに横たわりながら、
天井なんて存在しないみたいに雨粒は世界を通過して私の身体に落ちてくる
雨の日だって、晴れの日だって、
ただ無機質に私の身体に落ちて、そこで初めてこの世界に気がついたみたいに、ポツンと音を立てて、私の身体に波紋をつくる
それは体表だったり、体内だったり、
雨粒は当たった場所を波立たせ、そして吸収されていく
ぽこんっと空き缶に当たったみたいな澄んだ高い音がした
私の腎臓あたりは空っぽの缶でできているのかもしれない
瞳に当たった雨粒はコトンと優しい音がしてそのまま溢れた
奏でる雨が私の身体に溶けていく
そうしたら、この雨みたいに私は世界と干渉できなくなるんだろうな
誰も私に気が付かない
私は誰にも触れられなくて、存在も感じなくなるんだろうな
サーサーザーザーと降り続く雨が私の身体に収まりきらず水たまりができていく
ノイズのような雨音が世界を遠ざける
水たまりに沈んでいく
雨に呑まれていく
雨
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ほら…きのうまでの降り続いた雨があがり
大好きな君とも、もっともっと好きになれる
ほら…虹が街まで架かってる
あの日君と見た空は
いつまでも色褪せることはない
空の欠片
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1年前の梅雨のころ、あなたが生まれた
朝も晩もあなたは泣きつづけ
わたしはおしめを変え、乳を飲ませ、
それを永遠に繰り返した
宇宙にわたしとあなた2人きりのような
長い長い孤独
ある雨の夜更け
腕の中をふと見ると
家の屋根に
たたきつける雨音に、
あなたは目を丸くして肩をすくませていた
生まれて初めて雨音を聞いた人間
を生まれて初めて見た
電気もつけない真っ暗な部屋の中で
雨音を聞いた
肩をすくめながら、宇宙で、たった2人で。
宇宙の雨音