経験談

生きづらさを感じる人が語る 経験談

経験談はそれぞれの投稿者の個人的な価値観や感じ方をそのまま掲載しています。一部、リアリティのある描写や強い価値観が含まれるため、読む人にとっては負担等を感じる場合もあります。各自の判断で閲覧してもらえるようにお願いします。

無様な敗残兵

物心つく頃には、既にいじめられていた。それは自分が極端に泣き虫だったのが確かに原因ではあったが、周りの大人にいくら訴えた所で、「すぐ泣く方が悪い」と言われるのが落ちだった。幼稚園〜高校1年迄ずっといじめられていたが、家族に怒られるのが嫌で、休むという選択肢は無かった。

両親とも短気、兄は高圧的で、いつ怒られるか分からない毎日だった。更に周囲からは、成績優秀だった兄とことごとく比較され、「Sの弟」としてしか見做されなかった。

高校・大学・就職と全て親の希望で決められ、自分が進みたかった路に行かれなかった。新卒で入った会社ではやはり先輩からいじめられた事もあった。二十数年勤めたが、上司のパワハラと労使間の関係悪化のあおりで退職、一年後再就職するも、そこでも上司との関係悪化で退職勧奨の上、契約満了で事実上解雇。

同じ頃、好きだった飲み屋から、無意識あるいは店の為に良かれと思ってしていた行為が原因で出禁警告を突きつけられ、無期限自粛。

何か身につけておいた方が、と思い始めた趣味のパフォーマンスでも、自分よりずっと若い方々が次々とプロデビューして行く姿に、敗北感のみが積まれて行く。

これ以上敗残兵として無様な姿を晒し続けるくらいならば、いっそ死んでしまいたいと思い、オーバードーズなどを何度か経験。一方で、例え死んでも自分の心が理解されないと思うと、自殺する事も出来ないのかとただただ虚しくなるばかり。

感想1

長年のいじめや会社でのパワハラ、家庭内での抑圧などあなたの尊厳が守られない環境下で毎日過ごしてきたことが伝わってきて、蓄積された心の傷や孤独感は根深いものなのではないかと感じました。ここには書ききれないほど、様々な場面で我慢を強いられることや訴えても退けられてしまう経験も多く、無力感を抱いたり、湧いてくる感情をずっと飲み込んできたのではないでしょうか。
そういった環境で過ごしているとなかなか自ら動き出すエネルギーがなかったり、力も奪われてしまっていることも多いですが、飲み屋さんでのことや始めたパフォーマンスでのことを読む限り、自分の居場所をつくることであったり自分のためになることを行動に移す力があなたにはあると私は感じました。嫌な思いや空回りしてしまう結果にはなってしまったかもしれませんが、それはあなたに原因があるわけではないと感じています。きっとこれまでの人との関わりが一方通行(受け止めるだけ、押し付けられるだけ)で相互に理解し合ったり認め合うという経験や感覚を得られる機会がなかったことや、目には見えないこの世の理(例えば「これってこういうもの」というよくある暗黙の了解など)が分かっていて当たり前といったこの社会の風潮があなたが自身を「敗残兵」と表現してしまうことに繋がっていると私は思えてなりません。
今は気持ちのやり場がない状態で疲弊もしているのではないかなと想像していて、気が休まらない状態かもしれませんが、少しでも心落ち着かせられる時間をつくってほしいなと勝手ながら思ってしまいました。人は頑張り続けるということは難しいと私は思っています。
あなたの感じている生きづらさやこうして書いてくれたように自分のことを言葉にすることがあなたにとって多少心持ちが変わるようなのであれば、いつでも死にトリに参加してもらえたらなと思います。経験談の投稿ありがとうございました。

感想2

幼少期から抑圧のある環境で暮らしてきた様子を想像しながら読ませてもらいました。
これまであなたの意思が尊重されず、奪われてきたものはずいぶんありそうです。極端に泣き虫だったのも、敏感だったり、自分の気持ちを言葉にできない内に涙が出てくる…みたいな感じだったのかな…と考えたりしていました。
さらに兄弟と比べられるっていったらもう2重、3重に苦しさが重なることもあったのではないでしょうか。
20数年…そこまで長く勤めた会社で最後がパワハラで退職…その辺からも“必死に戦った先に敗れた”という感覚が度重なり、タイトルに反映させるほどの経験になったのかなという印象を受けました。
自分のこころが理解される経験は私もとても大事なことだと思いながらも、私自身に置き換えた時に自分のこころを理解しているひとがどれほどいるかと思うと考え込んでしまいます。そもそもあなたが経験されてきたような自分の意思やこころが尊重されず、何も聞き入れてくれない(理解しようとしてくれない)環境にいると意見を出すことも苦しさを訴えることもどこかで諦めてしまうと思うんです。そうするとさらに周囲にはあなたが考えていることが伝わらない…あなたに対する無理解のループ。
そんな時はどうしたらいいんだろう?と考えた時に、あなたのこれまで経験やいまのこころに耳を傾けながらあなたを知ろうとする存在に出会うことが必要になりそうです。「そんなひとに出会うなら苦労しないよ!」と聞こえてきそうですが(想像ですみません)、無理解のループから抜けるきっかけが死にトリの他のコンテンツにもあるかもしれません。
投稿ありがとうございました。

お返事1

この度は、経験談に感想をいただき、ありがとうございました。
自分のこれまでの経験を正直に語った事は勿論、
それに対して真摯に応えて頂けた事は
半世紀以上生きて来て初めての事であり、
嬉しさと驚きと感謝と戸惑いとが
心のなかで入り乱れております。

本当は、身近に相談相手がいればいいのですが、
経験談に書いた通り、家族とは折り合いが悪く、
かかりつけの医院のカウンセラーからは
「あなたは全ての重荷を私に背負わせようとしている」、
知り合いの一部のパフォーマーの方からは
「悩んでいる暇があったら練習しろ
(確かにプロからすればそれが当然とは思います)」
と言われてしまっては、
それも叶わぬ事と思わされました。

本当にありがとうございました。

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