経験談

生きづらさを感じる人が語る 経験談

経験談はそれぞれの投稿者の個人的な価値観や感じ方をそのまま掲載しています。一部、リアリティのある描写や強い価値観が含まれるため、読む人にとっては負担等を感じる場合もあります。各自の判断で閲覧してもらえるようにお願いします。

生き延びた先の孤独

 私は虐待サバイバー(虐待を生き延びた、乗り越えた人)です。今は親族と縁を切って1人で暮らしています。

 はっきり思い出せませんが、多分いろいろなことを頑張って、怒鳴られたり蔑まれたりしない環境にやっと身を置くことが出来ました。でも自分の体や心に合わせて、とてもゆっくりとしか歩いていけません。薬の副作用で、1日眠っている日もあります。

 友達もいません。地元から離れるとき、安全のために連絡先を誰にも言わずに変えたので、繋がりが全てなくなってしまいました。

 普通に働くことはまだ難しくて、日中はデイケアやB型事業所でお世話になっています。頼れる人もいませんから、事情を役所で話して、生活保護を受け取っています。
 それが不幸だとは思いませんが、できることが本当に少ない気がしています。このまま私は誰にも必要とされずにゆっくり老いていくのではないかと不安になります。

 本当に人生って長いです。ここにくるのに20年以上かかりました。やっとスタートラインです。
 孤独感と無力感が広がっていて、この先どうしたらいいか、私にはよく分かりません。生き延びた先がこんなになんにもないとは。私はなんのために生きているのか、今はまだ分かりません。きっといつか見つける日が来るかもしれませんが、それまで私はまた苦しい思いをするのでしょう。
 自由は美しくて世界は広いけれど、まるで大海原の真ん中を孤独にさまよっているようです。この絶望感はいつ終わるのかと思います

感想1

ここに書かれているあなたのことはごく一部でしかないはずなのに、とても大きく長い時間の流れのようなものを目の当たりにしたような印象がありました。おそらく大変という言葉も生温いぐらいに過酷な経験をしてきたのかなと想像していますが、なんとかそこから脱して、まさに「生き延びた」という状況に今あるものの、どうしたらいいかわからず佇んでいる、そんなあなたの姿を思い浮かべていました。

きっとここに至るまでには並々ならぬ苦労や心労があったのかなと思います。そして今には今のつらさや不安があるのかもしれませんが、手放さざるを得ないものもあった(それは今の不安に繋がるものでもあるでしょうが)なかで、少しずつでも着実に歩を進めたあなたに(私などが言うのも憚られるのですが)尊敬の念を感じずにはいられないと思わず伝えたくなった私がいます。

「大海原を孤独にさまよっているよう」という言葉が印象的だったのですが、長く閉塞した空間から抜けたことは、あなたに「自由は美しく、世界は広い」という気持ちをもたらしてくれたのと同時に、あてどない茫漠とした時間や広さに足をすくわれるような感覚を与えたものでもあったのかなとも思えました。その感覚は今のあなたをとても不安にさせたり、これからを考えて途方に暮れさせるようなものなのかもしれません。ですがそれは、自由を求めて、自由になるために(そうせざるを得なかったとしても)あなたがなんとかして突き進んできた、その証でもあるように私には思えます。

水や海が長い年月をかけて石や岩を削り新たな道を切り拓いていくように、“とてもゆっくりとでもたしかに今を歩いているあなたが”、“やっとスタートラインに立てたあなたが”、少しずつでも歩める道が広がっていってほしいと思いますし、そのなかで今のあなたの悩みにあなたなりの答えを見つけられるこれからであってほしいなと願っています。

投稿ありがとうございました。

感想2

経験談への投稿ありがとうございます。吟味された言葉ひとつひとつのスピード感が、あなたを物語っているようだと感じました。ゆっくり自分の体や心に合わせて、ここまでやってきたということが伝わってきます。

「これで、やっとスタートラインだ」と、思える目の前の大海原を前にして、周りに人もいなければ、どこへ向かって歩き出せば良いのかわからなく、

ここまでくるために使ったエネルギーを考えてみても、またここからのエネルギーを生み出すには時間のかかることだろうと、そう感じます。

(前向きになりたい思いがありながら)強い無力感に苛まれることから、奪われてきたエネルギーの大きさも感じます。もしかしたら離れてなお、現在進行形で奪われているエネルギーもあるかもしれません。

それでもここまでやってきたという事実、今受けられている支援やつながりに胸を張りながらでもいいのかな、私はそう思います。ここに書かれた文章を読んだ者として、姿は見えなくても、大海原のどこかに存在があると思ってもらえればいいなあ。

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