経験談

生きづらさを感じる人が語る 経験談

経験談はそれぞれの投稿者の個人的な価値観や感じ方をそのまま掲載しています。一部、リアリティのある描写や強い価値観が含まれるため、読む人にとっては負担等を感じる場合もあります。各自の判断で閲覧してもらえるようにお願いします。

愛を知らない欲望しか無かった生

小学校から中学生にかけた9年、クラスからの苛めに対して、暴力で反抗していた私は学校家庭共に、常に問題児でした
先生からの理解は当然無く、親さながら、クラスメイトの親からも問題視され居場所はありません
一人でいることが常でゲームや本の世界に逃げ込む事が日常だった私はいつしか雑誌の中で幸せそうに抱き合う男女に憧れを抱き、性行為に強い興味と、憧れと、そしてそんな本や映像メディアに強く依存するようになっていました

興味だけで悪戯に手を出した性行為、ですが本の中のように幸せなものではなく、心無い行為に罪悪感に囚われ、思い描いていた行為はこんなものではないと強い拒否感が生まれ苦しく悲し、しかし憧れは消えないままというちぐはぐな心境から抜け出せ無いまま無意味に年齢を重ねました

愛した人との結婚も性行為の回数が少なくなるにつれ心が離れ関心を失い、自分しか想えず愛せず、いつも常に独りよがり、今更ながら妻を愛していたのか、ただただ性行為に惹かれその為だけに一緒になっただけなのではないかと
幼少のトラウマを相談するカウンセリングの先生に指摘され、違うと思いたい気持ちの反面、その通りと該当する部分が多すぎて反論の言葉がありませんでした

憧れた世界は本の中にしか無く、それでもその憧れを求めて他の人を求め彷徨ってしまう
押さえられない欲望とちぐはぐな気持ちと自分の行為とがぐちゃぐちゃで生きているという事実がとても気持ち悪く、嫌悪感と脱力感、そして、生きるってあぁ本当につまらないなと思う空虚

今は3年を見越した計画的な自殺を考え、こんな価値の無い夫に最後にちゃんとした価値を残させて欲しい、意味のある最後を自分自身で選ばせて欲しいと思うばかり
無責任だということも理解しています、どうかこんな無価な私を見ないで下さい

感想1

経験談の投稿ありがとうございます。読んでいて、あなたがこれまであなた自身の持ちうる手段を使って、状況に対抗してきたことを感じました。学校でも家庭でも問題視されていたら、あなたが戦わなくても、逃げ込まなくても過ごせる場所はなかなか見つからなかっただろうと想像します。
その中で、理想的な幸福感のありかたを性行為や、それが幸せなものであるというある種のストーリーに見出していったのかもしれないと思いました。世の中にある恋愛・性愛を扱うコンテンツには身体的な快楽のみならず「幸福」や「満足」みたいな感覚を示すストーリーが溢れているように思うので、その憧れを抱く気持ちもわかるなと自分を振り返りながら読みました。

一方で、あなた自身が他者と性行為を行っても、それがあなたの憧れるストーリーとは違う「心無い行為」と感じられていたことも印象的でした。幸福というのがどういうものか定義するのは難しいですが、「心」が前提になるものではありそうなので、「興味」の心だけで得られるものではないのかも…と思いました。
あなたの中には二律背反する感覚が同居していて、それを自分でもとらえあぐねて、整理することもままならないまま、苦しんでいるように感じました。

もしかすると、性行為自体に見出すものが多い、憧れが多いからこそ、相手の姿がその憧れや興味の前にはぼやけてしまったり、遠ざかってしまったり…ということもあるのでしょうか。私は、恋愛・性愛などのストーリー(「こういうことがあるとこうなる」というような因果関係を、美しく象徴的に描くようなコンテンツ)は人を惹きつける分、場合によっては依存的にさせてしまうことがあるように思いますし、性行為自体もそれがいい感覚にしろ、不快なものであるにしろ、強い感覚や思いを引き起こすものであるように感じます。
それらと距離を置くことが難しい、という状況で、それを介した妻さんとの人間関係が余計にわからなくなるということもあるのかもしれない、と思いました。

また、私は、人は恋愛をしてもしなくても結婚してもしなくてもいいと思うのですが、社会的には、それが標準で当然というような言説が多いと感じますし(本やゲームでもそういうメッセージは多いと感じます)、気づかないうちにそれが一番いいありかただと思うようになることもありそうです。
ただ、恋愛やその中での関わり、性行為などは密室的な二者関係になりやすいという側面もあるので、その中で「独りよがり」と感じるような状況では不協和が起きることもありそうかなと想像しています。個人的には、もしそうであるなら、関わりが必要ないくらいに離れることも一つだとは思いました。

この文章には妻さんとのやりとりなどは書かれていないので、妻さんとの関係や妻さんがどういうふうにいま過ごしているか…などはあまりイメージできていないですが、計画的な自殺によって残す価値というのは、たとえば保険などの金銭のことなのでしょうか。
あなたなりにいろいろ考え、逡巡しながら書いている文章なのかなと思いながら読んでいますが、このあたりも、あなた一人で考えて、計画している状況なのかな、と心配になりました。
価値は人によって違いますし、状況によっても変わると思いますが、妻さんはどういうふうに感じながら生活しているのだろうか、と気になっています。

今回、経験談を送ってくださったのには、どういうきっかけがあったのでしょうか。「見ないでください」という発信はアンビバレントで印象的に感じました。もちろん、責めているわけではないです。ただ、あなたの中にあるその感覚が気になって、もうすこし聞いてみたいと思いました。

感想2

じっくりと読ませていただきました。正直なんと言葉にすればいいか迷うこともありましたが、とにかくあなたの心が揺らぎ続けていることが伝わってきた気がしたので、感想を書いております。

まず、いじめに対して反抗した結果、あなたが問題児扱いをされたことが納得いきませんでした…。いじめへ反抗することが問題児扱いされる要因になるのなら、どうすれば良かったんだと思わずにはいられません。居場所のなかったあなたの幼少期を思うと、やりきれない気持ちになっています。

読んでいて、あなた自身が真に求めているものが何なのか、ご自身でもつかみかねているような感じなのかなと私は受け取りました。そんな中でのカウンセリングの先生からのご指摘は、あなたにとってきっと痛烈なものだったと思います。その通りかもしれないと思わされるのも、なんだかわかる気がしました。ただ私としては、愛した方と結婚したことは、あなたの言葉でいうところの「欲望」に乗っ取った側面がないとは思いませんけれど、自己嫌悪やご自身の行為に対する拒否感を抱いているあなたを見ていると、ただ欲望だけだったとは思えませんでした。そういった見方もあるのだということは知っておいていただきたいです。

最後に、「私を見ないで下さい」と書かれていましたね。けれども、ここへ赤裸々な投稿をされていることが私は気になっています。あなたの中で、誰にも知られたくない、知られてはいけないという思いと、知ってほしい、知られるべきというような思いが同居しているのだろうかと想像しました。
普段なかなか口にすることのないお話しだったのではないのかなと思います。経験談の投稿、ありがとうございました。

一覧へ戻る