経験談

生きづらさを感じる人が語る 経験談

経験談はそれぞれの投稿者の個人的な価値観や感じ方をそのまま掲載しています。一部、リアリティのある描写や強い価値観が含まれるため、読む人にとっては負担等を感じる場合もあります。各自の判断で閲覧してもらえるようにお願いします。

「就活」=個性を殺す洗脳教育の集大成?①

①意味がなかった就活準備セミナー

私の大学では、3年生の9月から色々な就活準備セミナーが始まった。
具体的には、どんな業界・企業があるかを把握するための「業界研究講座」「企業研究講座」、自分のセールスポイトを探す「自己分析講座」、いかに効率よくアピールするかを学ぶ「履歴書対策講座」「面接対策講座」、マナーの勉強をする「就活マナー講座」、試験問題に対する「模擬テスト」、「試験対策講座」などがあって、ピークでは月10回くらい開かれていた。就活に対するイメージが全然湧かなくて、何をしていいかわからないけど、とりあえず参加しておこうかなくらいの気持ちでほとんど全部参加した。たぶん20講座くらい。

参加してみると、こんなことが本当に大事なのかな?って違和感でモヤモヤすることが多かった。背筋を伸ばして話を聞くこと、メモをきちんと取ること、積極的に質問をすること、座る席の位置などいろんなことを指摘された。今までほとんど言われなかったことが、急に就活になると大事なことになっていてなんか変だなって思った。
印象的だったのは、就活のマナーセミナーで、お辞儀の角度の意味などをひたすら力説されたこと。お辞儀の角度って…。その時は、2人1組で「ありがとうございます!!」(礼)という練習をひたすらやったんだけど。周りを見ていると、ハキハキやっている人も結構いてびっくりした。嫌々やったりやっているふりをする人が半分以上ではあったんだけど、ハキハキ派も3~4割いて。私は、ペアの友達が全くやらない人で(この友達は後で内定をたくさんもらうことになる笑)、講師の先生に注意されたらどうしようという不安と、やりたくない気持ちの間で葛藤していたかな。この優柔不断で周りを気にする性格が、違和感を持ちながらも就活を続けた要因の一つかも(苦笑)

その講座のあと家族に気持ちを話した時も「そんなに嫌なら行かなければ?」と言われたけど、みんなに置いていかれるんじゃないかと不安で、参加しない選択肢はなかった。でもいざ就活をしてみると、セミナーでもらったたくさんの資料と必死にとったメモはほとんど使わなかったし、セミナーで教えてもらえなかったお礼状の書き方とか電話の仕方とかで困ることになった。

②カウントダウンからの解禁!3月~4月の就活

私の地元は地方都市で、就職するとどこかで必ず知っている人がいる可能性が高くてそれが嫌だったから、都市部に就職しようと思っていた。だから、地元の大学にに通っていたけど、都市部で初の一人暮らしをしながら就活をスタートした。就活解禁の3月1日はなんだか不思議な日だった気がする。マイナビやリクナビはカウントダウンをしていて、お正月みたいだった。全然おめでたくないのに・・・。

3月1日はリクナビの合同企業説明会(120社くらい企業が集まっていて、ほとんどの就活生はそれに参加する)に行って、6社くらいの説明を聞いていた。当たり前だけど、周りを見渡せばみんなスーツ。なんだか気持ち悪いな…って思った。合同企業説明会は自主参加のものだけれど、就活解禁日に行われたイベントは特別なもののような感じがした。私の中では「参加しなくてはいけないもの」だと思ってた。だから、気持ちは本当は嫌で。周りの就活生が元気よく返事をしていたり積極的に質問している姿を見ると、就職活動に対してキラキラしているように見えて、自分とのギャップを感じた。

結局3月は合同企業説明会に2回、単独企業説明会に15回くらい参加して合計で20社くらい話を聞いた。3月の就活解禁っていうのは、求人情報の解禁のことで、面接や試験の解禁は本来は6月からっていうことになっている。(経団連が決めていること)でも、私が就職活動をした地域ではそれを守っている企業はほとんどなかった。
だから、3月のうちに練習だと思って1つだけ面接も入れた。4月は説明会と選考(書類選考・面接など)の割合が半々くらい。3~4月はそれなりに熱心に就活をしていたと思う。でも、企業の説明を聞いてみると、面白そうだなあと思っていたところでも人事や社長の話に共感できないところが多かった。20社以上話を聞いたのに、受けてみようと思えた企業は6社くらいしかなかった。

3~4月に付きまとっていたのは「漠然とした不安」。
私はそんなに不安になったり焦ったりするタイプじゃないんだけど、どこかから「焦ったほうがいいよ」「焦ってないとやばいよ」ってメッセージを浴び続けている感じがした。3月に練習として受けた企業から内定がもらえたけど、嬉しさはそんなになかった。面接2回(計2時間)で自分の何が伝えられて、相手は何がわかったんだろう?って不思議で、手ごたえみたいなものはあまり感じられなかった。

③もう就活をやめたい・・・履歴書添削事件

きちんとした履歴書の添削とか模擬面接をほとんどしないまま本番に臨んでいたから、1回くらいちゃんと指導してもらった方がいいかなと思って、履歴書の添削(その場で読んでその場でアドバイスをもらえるやつ)をしてもらった。でも、これが間違いだった・・・。
学チカ(学校生活で力をいれたことの略)、自己PR、志望動機の3つは面接や履歴書での必須事項だから、これを添削してもらった。結果としては「数値的な成果とか目標がないと企業にはあなたの力は伝わらないし、このままだと自己満足にしかみえない」みたいなことを言われ続けた。そして、説得力のある文章にするためにこうしたほうがいいと言われることは、私の事実ではないことばかりで。私の頑張ったことを聞き出してアドバイスをくれるのではなく、「就活に勝つためのテンプレ」に添っているかどうかを評価された気持ちだった。
履歴書対策講座であった例は確かに「アルバイトで売り上げを2倍に伸ばした」とか「私のアイディアが採用された」みたいな数値的で具体的なものが多かった。でも、成果が出ないとダメなんだろうか?そもそも、みんな常に目的や意図をもって行動しているのだろうか・・・?そんな疑問はあったけど反論はできなかったし、否定されたことで凹んだ。自分のことをきちんと伝えようと真面目に考えて書いた文章だったから、否定されると結構きついものがあった。あれ、今思い出しても心臓がバクバクしてきた・・・(苦笑)

添削後に改めて書き直そうと思ったんだけど、もうどうやって書いていいかわからなくなっていた。締め切りが迫っている他の企業の履歴書を書こうと思っても、どんな文章を書いてもダメなんじゃないかって不安で、文章の得意な姉にLINEで添削をお願いした。まあ姉は就活したことないんだけど…(笑)もともと履歴書を書くのは母や姉に手伝ってもらっていて、その2人は就活とは全然違う世界で生きてきた人だったから、そこも就活への違和感が強かった理由だったかな~と今振り返ると思う。
LINEで文章を送りながら通話していたらそのうち履歴書添削の面談の話になって、話している途中に泣いてしまった(姉には「鼻水酷そうだけど風邪ひいてるの?」って言われた…)。どうやったら“企業ウケ”する文章になるのか、それしか考えられなくなっていて、そんな自分も嫌で。この日をきっかけに、就活をやめたいなっていう気持ちが強くなってきた。

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