経験談

生きづらさを感じる人が語る 経験談

経験談はそれぞれの投稿者の個人的な価値観や感じ方をそのまま掲載しています。一部、リアリティのある描写や強い価値観が含まれるため、読む人にとっては負担等を感じる場合もあります。各自の判断で閲覧してもらえるようにお願いします。

家庭環境

私がまだ赤ちゃんのとき、父親が不倫をしたことをきっかけに両親は離婚した。私は離婚の理由が不倫であったことを中学生のときに初めて知った。写真で見ていた父親がまさかそんな人だったなんて、と信じられない気持ちがある。そして今は父親に新しい家庭があるそうで、私はそれが悔しくてたまらない。私を娘として愛して欲しかったと思う。
でも父親は不倫という最低なことをした。それなのに私は父親のことを好きでありたいし、父親に愛されたかったと思ってしまう。母親が当時、どれだけ辛く不安だったんだろうと考えると本当にこの気持ちが申し訳なくなる。でも不倫しないような人と結婚して欲しかった、お金に余裕のある家にうまれたかったと思っている自分もいて、そしてそれも申し訳なくなる。きょうだいが多い分、進学も我慢しなければならなくなった。それがとても悔しい。
もし私がうまれていなかったら、育児の負担も減って夫婦仲も良好で父親が不倫をしなかったのではないか、私がうまれることによって上のきょうだい達に辛い思いをさせたしまったと思っている。本当に申し訳ない。

感想1

私自身も親同士の関係や親と自分の関係に影響を受けて今も苦しみながら生きている部分があるので、少なからず近しい感覚を抱きながら読みました。

物心ついたときから父親という存在に触れられなかったことは、その当時から幼心にあなたが何かを感じさせられながら生きていたのかなと想像しています。それだけ子どもにとっての親は「身近な大人」として大きい存在である気がしますし、(母親、父親どちらであっても)いないということは何かしら自分の中での土台や軸がブレてしまうようにも思えます。

中学の時に知った事実はそれだけでも揺らがせるものであったのかなと想像しますが、湧き上がった感情を想うと、「知らないままも辛い」「けれど知ってしまっても辛い」とあなたをとても惑わされることであったようにも個人的には感じます。

悔しくてたまらないという感情も「娘として愛して欲しかった」という気持ちもを感じるのも、子どもであるあなたの気持ちを考えると当然な気がしますし、でもだからこそとも言うべきか、愛情が欲しかった相手であり、ある種怒りや悔しさをぶつけたい相手でもあるというのが、よりあなたを深く傷つけ胸中を複雑なものにしてしまっているのかなと勝手ながらに思ってしまった私がいます。

文章全体を通してひとつ印象的に感じたのが、あなたが決して悔しさや辛さだけに呑まれずに、とても客観的かつ多面的に自他にまなざしを向けて、自分が呑み込もうとしているようにも見えるぐらいに背負っているように感じられたことでした。ある意味でそれは起こった出来事に対してあなたが自分を守るために強い感情や思いに振り回されないための生存戦略であったのかもしれません。ですが、親も一人の人間であるのと同時に、他ならぬあなた自身もまた一人の人間なので、「親の気持ちや思いまであなたが背負って生きなくてもいい」、思わずそう伝えたくなりました。

感想2

愛と憎しみは表裏一体という言葉が浮かんできました。自分の目の前に立っている親の姿だけが、その存在の全てだと、知らず知らずの内に私たちは錯覚して暮らしていることが多いように思います。離婚は父親と母親の二人の間の事柄で、誰が悪いや何が悪かったということは当人同士しかわからないことなのかもしれません。けれど、生まれたばかりのあなたが悪かったという思いが拭えないのは、家族でそろって暮らしたかったとか、父親が欲しかったとか、あなたの思いを口に出すことが許されなかった、そう思うことも我慢しなければならなかったのかと想像しました。

「あなたは子どもだから」と、多くの子どもは置かれている状況を理解できるだけの情報や説明を、すっ飛ばされることがよくあるように思います。今は理解できなくても、理解できても、知る機会を提供されるということは大事な尊厳だと思います。ひとつひとつのあなたの思いが解決されることなく、進学の我慢という状況になってしまった。誰を恨めばいいのかと考えた時、優しいあなたは自分を恨んだのかもしれません。家庭の経済的状況から、進学の選択肢が奪われることは憤りを感じます。あなたを後押しする社会は無かったのだろうかと、大人の一人として本当に申し訳ないような気持ちになっています。不倫した父親を恨み、不倫するような人を選んだ母親を嘆く、そんな時間があなたの中にあってもいいように思います。そして、愛し愛されたかったという気持ちもそのまま見守る、そんな時間もあっていいように思います。投稿、ありがとうございました。

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