経験談

生きづらさを感じる人が語る 経験談

経験談はそれぞれの投稿者の個人的な価値観や感じ方をそのまま掲載しています。一部、リアリティのある描写や強い価値観が含まれるため、読む人にとっては負担等を感じる場合もあります。各自の判断で閲覧してもらえるようにお願いします。

許せない

10年前、中学生だった頃に父親から虐待を受けていた。郊外の狭い公団住宅で父、母、私の3人暮らしだった。
自分の部屋はなくて自分の部屋がある同級生が羨ましかった。休みの日はお出かけをしたりたまに外食をしたり、長期休暇には旅行に行ける同級生が輝いて見えた。
何がきっかけで殴られるようになってしまったのかは分からない。殴り返したらダメだという倫理観に基いてやられっぱなしの日々で、睨み返すとなんだその目はと余計に酷い暴行を受けた。それでもやり返さないことが人としての尊厳を守ることだと思っていた。
母親は助けてくれなかった。気付かなかったのか気付いていたのかわからなかった。
10年経った今、大人になって助けてくれる人に出会えて暴力とは無縁の生活を送っている。
けれどもあの出来事が今でも私の呪いになっている。あれから人と関わることが怖くなった。毎日死にたかった。
私が犠牲にした時間はなんだったのだろうと思う。勉強ができなくなって授業にはついていけなかった。お金が無いし出してくれる大人もいなかったから進学を諦めた。1人で生きるために風俗の仕事を始めた。間違っていたのか、私は。
私が犠牲にした時間、諦めてきたもの、殺した心、全て返してほしかった。同じくらい辛い気持ちになってくれないと耐えられない、私が泣き寝入りしてお前は幸せに生きるのかと、私はそんなことが許せない。
数ヶ月前、父親の誕生日を祝うために連絡を入れた。返信には今が1番調子がいいと書かれていて、自分で産むと決めた割に義務を果たせない無責任な人間が、子どもを捨てた今が1番調子がいいですか、そうですか。怒りが込み上げてきた。もう絶対に許せないと思った。
忘れたい。仲睦まじい家族連れを見ると羨ましくて悲しい。私が欲しかったものを当たり前のように持っている人が羨ましい。だから家庭環境が良い人とは仲良くなれない。その人は悪くないのに。そんな自分ももう辞めたい。何も背負わず生きていきたい。

感想1

もうなのか、たったなのか10年前のことをあなたはどのくらいの時間と感じているのだろう。突如始まった暴力は思春期のあなたを混乱させ深く傷つけ、同級生との暮らしの違いを感じるたびにやるせなさを募らせ、抱えきれないほどのどうしようもなさを感じていたのではと想像します。

今のあなたは暴力とは無縁の暮らしと書かれていて、良かったと心底思う気持ちがある一方で、色んな苦労を重ねてきたのだろうなと、言葉につまる私がいます。自分の全てを奪った人とは、憎さというつながりでまだつながっている。許せなくても、父親の誕生日には連絡をしてみる。距離と時間は、この関係性にどんな作用をもたらしたのだろうか。好んで喜んで親を嫌いになる人はそう多くないはずで、わざわざその人を大嫌いになる理由を知りたいようで知りたくもない。私自身、暴れまわっていた父親との離婚を望み、憎しみの対象でしかなかったはずなのに学校帰りにこっそりと父の自宅に食事を届けに行っていたことを思い出しました。

許せないと思うことに理由はなく、傷つけられた事実しかありません。背負ったりぶん投げたり、つついてみたり、
どんなふうに憎き相手に振舞うかは、傷つけられた私たちの好きにさせてもらっていいはずです。あなたはなんとかかんとか生きのびてきて、呪いを振り払うほどの威力は今は残っていないはず。誰かと仲良くしなくても、自分の食べたいものは食べて眠たい時に休んで欲しい。そんなふうに思う私がいます、投稿ありがとうございました。

感想2

あなたが暴力の中助けのない貴方自身を頼りにするしかないまま、生き延びてきたことを感じました。一読し、それは途方もないことであなたはもっと労られてしかるべきだと思いました。
許せない思いは当時からあっただろうと思うのですが、あなた自身が安全な場所にいられるようになったからこそ、一層強く感じるのではないかとも想像しています。危険の真っ只中では危機対応モードで感情は制御されていて、通常モードに戻ってからの方が感情が出てくることも多く、逃げ出した後で一層苦しさを感じるということは少なくないように思います。私自身もあなたと同じとは言えないものの暴言や暴力のある家庭で育ったのですが、そこから脱したあとで親への憎悪に支配されて苦しかった時期がしばらくありました。
現在暴力と無縁だとはいっても、あなたの心身はまだ過去の傷つきからの回復の途上にいるのかなと思います。フラッシュバックというと、記憶に完全に飲み込まれてしまうようなイメージになりがちですが、怒りや苦しさなどの感情が強く現れる場合もあるように思います。私は父親はブロックしているのですが、なんらかのタイミングで情報に触れた時に、感情が洪水みたいになってどうしようもない気持ちになることが今もあります。あなたは今も父親さんと連絡をとっていることが書いてあったので、きっとその度に新鮮に感情が込み上げてくるのではないかと思いました。個人的には祝いたくない相手のことなんて祝わなくていいよ!という気持ちも湧いてきましたが、周囲の状況などで、そう簡単にいかないこともあるのかな……と想像しています。またあなたは家族関係に憧れを抱いて生きてきたのだと思うから、今も複雑な心境はあるのかなと思っています。
今のあなたには、安心して過ごせる場所はあるのだろうかと気になりました。安心は物理的な安全だけでは成立しないと感じているからです。呪いを解くのは本当に簡単ではないと思いますが、それは安全や安心を自分の中の領土に少しずつ広げていく作業でもあるように感じます。ただそれ自体を呪いが邪魔してしまうことも多いから、本当に難儀なのですが……。個人的には別にまったく許さなくてもいいと思います。感情はつねに個人の持ち物で個人の自由です。でも、あなたがその気持ちで苦しまずにいられる時間が増えたらいいなと、同時に思っています。

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