小さい頃から身体が弱くて、大病を経験したとかではないものの、風邪や病気で頻繁に学校を休んでいた。病院に行ったり先生と話したりする機会が多かったのもあってか、気が付いたら医者になりたいと言っていた。純粋に人の身体に興味があったし、無条件にかっこいい!学校を休む度に熱に浮かされた頭でぼんやりと、自分のことを救う将来の自分を思い描いていたと思う。近所の公立の中学校が荒れているという評判があり、中学受験をする流れが学年の中で高まり、僕も中学受験をさせてもらった。数え切れないほど苦しいことがあったし、第一志望には受からなかったけど、都内の私立の中高一貫に受かった。その頃にはだいぶ体調も落ち着いてきていて、中1から高1までは皆勤賞だった。身体が健康を取り戻していった代わりに、こころは少しずつおかしくなっていった。学校の中で人間関係を築くのが多分得意ではなくて、大事な友達は少しできたけどクラスの中で誰とも喋らず過ごす日も多かった(だって塾ではそんなこと習わなかったから)。その日雑談するだけの薄い仲しか築けずにいつの間にか高校に上がっていた。大学受験のために予備校に通い出す子も多くて、僕もこの頃から通い始めたけどやっぱりそこでも誰とも話せなかった。何かが欠落してると思った。地獄みたいな日々だった。教室の中で自分は誰とも話していないのに周りの喋る声だけに延々とエコーがかかって聞こえる。頭の中が黒いもやで埋め尽くされてまともに何も考えられなかった。予備校の帰りに歩道橋の上で吐いて介抱されたのもこの頃だった。どうしようもなくなったから現実逃避として勉強以外のほかのことに価値を見出すようになった。音楽、映画、本、絵画、、、この世には勉強以外に素晴らしいものが沢山あって、成績でマウントを取り合う同級生や生徒にキツく当たる予備校の講師なんかくだらないと思うようになった。毎晩吐きそうになりながら予備校から帰ってきて玄関で仰向けに寝っ転がりながらなんか人生ってしょうもないなと思う、ことの繰り返しだった。もう誰にも見下されたくなかったし、誰かを見下したくもなかった。早くここから抜け出したかったけど、どこに行けばいいのかも分からなかった。
受験生になって、今までそんな感じで適当に勉強をやっていたことの皺寄せがきている。明らかに今まで以上に頑張ってはいるけど、周りの環境や自分の性格に折り合いをつけることは出来ていない。先生や周りの人の言動で必要以上に傷つく時もある。ただの怠惰で勉強できない日もある。罪悪感に押し潰されそうになって眠れないこともある。だけど、この環境から抜け出すのに一番良い選択肢は合格して医者になることだとも思う。とりあえずそう信じることも大切だと思う。ドロップアウトしないことが正義だとは思わないけど、僕はやっぱり強くなってみんなを笑顔にしたい。好きな人だけじゃなくて嫌いな人も、助けを求めているのであれば助けられる存在でありたい。暗い文章ですみません。医者になります
感想1
経験談への投稿ありがとうございます。身体が弱かったあなただからこそ身近な存在であった、お医者さんに憧れるあなたの気持ちはとても自然なことに感じられました。大学受験を控えた今改めて自分の考えを整理した、そんなタイミングだったのでしょうか。
医者になりたいという夢を持ってから、数えきれないほどの苦しいことを乗り越え、あなたが勉学に励んできたことが文章からとても伝わってきます。純粋な「頑張りたい」というあなたの気持ちの一方で、成績のマウントの取り合いや、リスペクトのない上下を決めたがるような争いに知らず知らずのうちに巻き込まれてしまったのかなと想像しています。
競争というのは、本来他者ではなく、自分自身に使われるものであってほしいとわたしは考えています。自分の弱さと戦う、自分ができないことに挑戦する、自分自身と競争する。しかしながら社会の仕組みはまだまだ他者と競い合わせて上下を決めるばかりで、その象徴が学校であり「他者と競争をする」ことが前提になっている仕組みだとも言えます。
テストの点数だとか成績だとか、学校に入学してから卒業するまで、他者と競い合うことを知らず知らずのうちに学習させられ、社会に出ても人生の醍醐味のようにも思わされたり、ドロップアウトすることも怖くなってしまうそんなことが起こっているのではないかな。そんな息苦しい学習よりも、学ぶことの楽しさや、友達と喧嘩したり仲直りしたり、遊びを作り出したり、もっと学校で教えてほしかったことがあったなと、振り返るとそう思ってしまう自分もいます。
勉学に励むとどうしてもその競争システムに、知らず知らずのうちに乗せられてしまうので、その息苦しさにあなたは敏感に反応しているのかも知れないなと思いました。そんな場所や社会から逃げ出したいとおもう反応はわたしはとても正常だと感じますし、大切にしていてほしい感覚だなと思います。「ドロップアウトしないことが正義じゃない」あなたの力強い言葉に掬われるような思いもあります。
みんなを笑顔にしたい、人を助けられる存在でありたいとおもうあなたの純粋な気持ちを大切にしながら、他者とではなく自分と戦うことを優先していてほしいです。他者と戦おうとする自分と戦うこと、それを知っているだけでも息苦しさから楽になり、随分人生違うものだと思います。知らないうちに、他者との競争に巻き込まれてしまうことがあればここに、或いはあなたの原点に立ち返ってほしい。応援しています。