経験談

生きづらさを感じる人が語る 経験談

経験談はそれぞれの投稿者の個人的な価値観や感じ方をそのまま掲載しています。一部、リアリティのある描写や強い価値観が含まれるため、読む人にとっては負担等を感じる場合もあります。各自の判断で閲覧してもらえるようにお願いします。

何が辛いのか分からない

 3年目の社会人です。職場でパニック発作を起こしてしまい、そのまま体調が悪化し現在は仕事を休職しています。

 私は高校時代に不登校だったことがあります。その時の記憶が定期的に蘇ってきて、涙が止まらなくなります。学校に行けなかった日は母に責められ、家にいると学校に行けと何度も仕事先から催促の電話をしてきました。涙を流すと「それは甘えだ」「泣いたからって許してもらえると思うなよ」と怒られ、物を投げつけられるので、いつも夜中にキッチンやトイレで1人息を殺して泣いていました。(家が狭く、自室はありませんでした。)
「あなたには霊がついてるのよ」と言われ、塩を投げつけられたこともありました。
ある日もう耐えられない、死にたいと思い、死のうとしたことがありました。すると「ご近所迷惑になるからやめなさい」と止められました。母にとっては私の命よりも世間体の方が大事だったのでしょう。私は深く絶望し、その時から母に何かを期待することをやめました。
母と兄は、お酒を飲みながら私が自殺しようとした日のことを馬鹿にして笑っていました。それがとても許せませんでした。
学校へ向かう道すがら、何度もこのまま死んでしまおうかと考えましたが、高校卒業後家を出ること・最終的に経済的に自立することを目標になんとか耐えてきました。

 私は大学進学を機に家を出ました。家を出たら楽になるかと思いましたがそうではありませんでした。定期的に嫌な記憶が蘇ってきて、涙が止まらなくなるのです。大学生時代、私はバイトをたくさん詰め込んでとにかく忙しくしました。忙しくしていると嫌なことを思い出す暇がなくなるからです。ずっと高校時代の記憶に追いつかれないように、逃げるようにして生きてきました。

 大学を卒業してからは、実家から遠く離れた場所で就職しました。休みも取りやすく、ホワイトな環境の職場であり、職場での人間関係にも特に問題はないと思っています。ただ、突然仕事中に酷い動悸がするようになり、働けなくなってしまいました。暇になると10年も前のことなのに高校時代のことを思い出して泣いてしまいます。会社の方で休職に至った原因を調べるためにカウンセラーの方とお話ししますが、何が原因なのか、何から話せばいいのか分かりません。辛い環境から逃げ出して、1人で生きていけるようになったのに何がこんなに辛いのかわかりません。実家から遠く離れた土地で、経済的に自立して生活できるようになった今、何を目標にしたら良いかも分かりません。

感想1

やっと実家から遠く離れ、就職したのに…そんな戸惑いを感じました。辛い環境にいる間ははそこから離れる目標があることもあって、辛いと感じることを麻痺させることで、耐えられる一方で、そこから離れた時にその反動がやってくると聞いたことがあります。「耐えよう」と頑張ってきた心身が環境から離れたことで「耐えなくても良いのだ」と判断して、これまでの我慢を放出する、これまで見ないようにすることで耐えてきた傷が傷として表面に現れ始めた、そんな想像をしていました。10年も前のことなのにとのことでしたが、それだけあなたに深い傷を残していることなのだとも思います。どんな理由があってもなくても、学校に行けない時はありますし、「学校に行かない」選択をとる自由は誰にでもあり、自分にとって嫌な場所から離れることは自分を守るために必要なことだとも思います。けれど、あなたの家族は行けないことを酷く責めるだけでなく、限界で死のうとしたあなたを馬鹿にする言動・行動をとっていて…それはあなたの存在や感情を踏みにじるに等しいと私は感じますし、静かな怒りも抱いてしまいました。どれだけ絶望したのだろう、許せなくて自然なことだとも思います。

あなた自身で今は何が辛いかわからなくても、辛いと感じるあなたが存在することはこの経験談から伝わってきましたし、実家を遠く離れた今辛くなっていることは心がやっと悲鳴を上げられるようになったのだとも感じました。その悲鳴に一人で向き合ったり、付き合うのは苦しいと思うので、死にトリもまた上手に使っていただけたらと思っています。投稿ありがとうございました。

感想2

経験談への投稿ありがとうございます。
過酷な日々の描写に、胸が詰まるような思いで読みました。
当時の記憶がたびたび蘇ってくるとのことでしたが、たとえ過去の出来事だとしても、思い出す瞬間の苦しさは「今」のこととして再現されているのではないかと感じています。

家族の無理解や暴力に晒されることは、心に深いダメージを負うことだと思います。
自室がなかったことも書かれていましたが、つらくても逃げ場のない環境もまた、あなたの苦しさをより深めていたことを感じています。
母親と兄の態度に「とても許せませんでした」と書かれていましたが、思わず「許さなくていい」と心の中でつぶやいてしまいました。
いつか家を出ることを心の支えに、孤独の中で闘っていたことを感じました。
そして、実際に行動して今の生活にたどり着いたことを労いたい気持ちでいます。
ふと思い出してしまう「間」を埋めるために予定や仕事をとにかく詰め込むことは、私自身も思い当たる節があり、思いがけず共感してしまいました。

自分の話を差し込んでしまい恐縮ですが、私はとある地方で、逃げる場所を必要としている方に向けて、駆け込める宿を運営する仕事に携わっています。
何らかの暴力被害経験を有していたり、二度と家には戻らないという決意をもって訪れる方々と出会う中で、体感として思うのは、ようやく安心や安全を感じられる状況になったとき、自分の意思とは無関係に過去の経験がフラッシュバックしたり、これまでの我慢や疲労が何かしらの症状となって表出したり、そんな印象を抱いています。
やっとの思いで抜け出したのに・・と、こちらも身を削がれるような思いを抱くことがありますが、あなたもまた、足元が崩れるような不安が襲ってきているのだろうかと想像しています。

このお返事が届く頃には、カウンセラーの方との面談も始まっているのでしょうか。
何がどう苦しいのか、つらいのか、それらを言葉にすることは相応の時間が必要なのかもしれないと考えています。
こうしてご自身の経験や思いを言葉にすることは、どんな時間だったのかなと聞いてみたい気持ちでいます。
またよかったらお話を聞かせて下さい。

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