経験談

生きづらさを感じる人が語る 経験談

経験談はそれぞれの投稿者の個人的な価値観や感じ方をそのまま掲載しています。一部、リアリティのある描写や強い価値観が含まれるため、読む人にとっては負担等を感じる場合もあります。各自の判断で閲覧してもらえるようにお願いします。

奇跡を願う

私は二年前の秋に親友で幼馴染だった子を自殺で亡くしました。
彼女が死んだというのを知った日は、全く眠れなくて、ただもうどこを探してもあの子がいないんだ、というのがただただ苦しくて悲しくて、一晩中泣いてました。
皮肉なことに彼女を失ってから、私は彼女を愛してた、ということに気づきました。もう遅かったですけれど。
それから私は彼女を亡くしたツラさから逃れるために、市販薬でODをするようになり、ある日死ぬつもりで、救急搬送されました。惜しいことに、一命は取り留めてしまいました。

カウンセリングで彼女のことを話そうとして、過呼吸を起こしたこともあります。彼女の命日はやはり二年とも寝れずに、吐いてしまいました。

彼女は生前、私の描いた油絵の中で『La Vie en rose(薔薇色の人生)』という絵が好きだと云っていました。
だから、もし奇跡が起こって彼女が生き返ったら、今度こそ薔薇色の人生を生きてしあわせになって欲しいです。
神さま、お願いします。どうか。

感想1

あなたにとってとても身近で、とても大切な人がいたのですね。その人が亡くなってしまったことは、あなたの生活や人生や世界に対する感じかたを大きく揺るがすようなことだったのだと感じました。
二年の時が経つ中で、周囲の状況は変化する部分もあったのかなと思いますが、あなたにとっては彼女の記憶を何度も何度もなぞるような時間だったのかなと思います。
あなたの「La Vie en rose」という油絵はどんな作品なのだろう、その作品を好きだった彼女は、その絵をどんなふうに感じていたのだろう……どんなところが好きだったのだろう……、絵を好きだと言った時はどんな気持ちだったのだろう……と、思いをめぐらせていました。絵を描いたあなたと、その絵を好きだといっていた彼女は、感性の合う関係だったのかなぁと想像しています。
この二年間、あなたは絵を描いているのかなと気になりました。絵を描くということの中にも、人それぞれ、いろいろな動機づけがあるし、いろいろな意味や感情の動きがあるような気がします。私はあまり絵を描くことはないですが、粘土でものをつくったり、詩を書いたりしているときは、普段とはすこし違う視点の中にいるように感じることがあります。
私には奇跡はわからないですが、あなたの記憶や思い、動揺と願いが伝わってくる中で、この経験談の登場人物がみな、しあわせに暮らすことができていたらいいのに……という気持ちになっています。大切な思いを聞かせてくれてありがとうございました。

感想2

私も若いときにたった一人の親友が突然亡くなった経験があり、その時のことを思い出しました。普段はあまり感情が動かないタイプなのですが、激しく心が揺さぶられ、頭の中にはぐるぐると思い出や想いがめぐり、頭の中がいっぱいになりました。年月がたっても毎年、その季節になるとお葬式の情景が浮かび、ふとした時に親友のことを思い出すことが今もあります。今年で20年になりますが、少しずつ薄れていくにしてもその存在感は変わらないように思います。
亡くなった人にリアルでは再び会うことはありませんが、そんなふうに繰り返し思い出していると、心の中で会ったり、話をしたりしている気持ちになることがあります。目の前には表れなくても、心の中に存在として確かにあり続ける感覚です。だから、生命としての存在はいなくなっても、いつも心にいるため、人が死ぬというのはどういうことなのかと今も分からないでいるように思います。
あなたの心の中にもこれからも大切な存在として親友はあり続けるのだろうと思いました。

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