経験談

生きづらさを感じる人が語る 経験談

経験談はそれぞれの投稿者の個人的な価値観や感じ方をそのまま掲載しています。一部、リアリティのある描写や強い価値観が含まれるため、読む人にとっては負担等を感じる場合もあります。各自の判断で閲覧してもらえるようにお願いします。

大好きなのに大嫌い

私には、癇癪持ちで手の付けられない四つ年下の弟がいます。何の診断も受けていないので障害や病気の名前はありません。思春期に入った中学〜高校辺りから弟の癇癪やイライラ、暴力が酷くなり、矛先が全部姉の私に向けられるようになりました。コロナ禍でほとんど家にいた私の大学4年間は地獄のようでした。ダイニングの私の席に残飯がぶちまけられているのはまだかわいい方で、電気を消した浴室の中で私が入るのを待ち伏せされていたり、リビングで寝ていたら体を触られたりしました。私が家を出る前日には私の椅子に包丁が刺さっていました。当然私は泣いて怒って家族に助けを求めたのですが、彼らはいつも適当に私をなだめ、はぐらかしてばかりでした。おかしいから病院に連れて行きなよと言っても「本人に行く気がないから無理」の一点張りでした。私が親なら引きずってでも連れて行くのにと思いました。死にたくなって心療内科に電話したら「あなたはおかしくないから来る必要ない」と言われ、警察相談電話にかけたら大変混み合っていて繋がりませんでした。ストレスで半分くらい耳が聞こえなくなり味覚が完全になくなった頃(今は回復してます)、私は就職のタイミングでやっと一人暮らしを始めることができ、全てのストレスから解放されました。けれど嬉しい気持ちと同時に、何も解決しないまま私がただ実家から追い出されたみたいだと悲しくなり一人号泣しました。

父母や同居の祖父母には可愛がってもらった記憶がたくさんあります。彼らは私のことが好きです。だけど彼らは弟のことも好きなのです。私が自殺すんでの精神状態で助けを求めても彼らは常に中立で、私の味方にはなってくれませんでした。だから弟以外の家族に対し、大好きな気持ちと大嫌いな気持ちが矛盾していて苦しいです。
幼少期から手のかからない良い子だと言われてきた私には反抗期がありませんでした。その反動か、一人暮らしを始めてから一度も実家に帰らず、連絡も自分からは一切よこしていません。LINEで送られてくる「たまには帰っておいで」という一文の無神経さに泣きたくなります。
最近祖父の体が見るたびに小さくなっていっている気がして、もうあと数年かなと思っているのですが、弟の姿を見るだけでパニックや過呼吸を起こす私はお葬式に出席できるのかと最近余計な心配ばかりしています。きっと何も事情を知らない他の人達からは私が変な目で見られます。
もういっそ家族が誰か死んでしまう前に私が先に死んでしまいたいとたまに考えます。解決策が見当たらないし、ずっとこの重荷を背負っていくのかと考えたらもう生きていくのがしんどいです。

感想1

弟さんへの怒り、応じてくれなかった家族への思い、本来なら安全な場所であるはずの実家から離れる以外に為す術が無かったこと…取り扱いきれない感情がまさしく重荷となって投稿者さんを苦しめている様子が浮かんできました。その重さを想像しながら読んでいくと、「大好きなのに大嫌い」という葛藤の強さが、言葉以上に伝わってくるように感じました。

弟さんに対するご家族の対応は、たしかに中立というか、「等しい対応」であったのかもしれないなと思います。ただ私は、中立や平等とは、単に同じ対応をすることではなく、明らかな理不尽や不利益を被っているものに必要な配慮を考えたり、その状態について目を向けてそれぞれの内情を推しはかろうとする態度も含まれているのではないかなと思っています。なのでどうしても、ご家族の対応を「みんな好きだから仕方ない」とは思えない私がいますし、もう少し何か、投稿者さんの権利や心を守りながら、そのうえで家族としてのバランスを保つ方法はなかったんだろうか…と考えずにはいられませんでした。
そういった部分を考えようとしてくれなかった(少なくともそうは見えなかった)ことや、家族という「形」は守りながら、家族の一員である投稿者さんを守ろうとしてくれなかった、そんな態度が投稿者さんを一番傷つけたのかな…と感じました。その状態で投げかけられる「たまには帰っておいで」という一文の破壊力…想像するだけでも、悲しさや虚しさで叫び出したくなってしまいそうです…(投稿者さんの思い以上に強い表現になってしまっていたら、すみません…)。

未消化の思いに襲われ続けることの苦しさは、計り知れないものだと想像しますし、それは感情に蓋をしたり、割り切って諦めてしまうことよりもずっとしんどいことだと感じます。投稿者さんが抱えている荷物をなくすことは簡単ではないかもしれませんが、もし1つ1つが整理されたり、言葉で表現することでわずかでも負担感が減るようであれば、またここに書きに来てほしいなと思いました。投稿ありがとうございました。

感想2

きょうだいとの関係、その苦しさにともなう家族との関係に、自分自身も似通った思いを抱いていたことがあり、勝手ながら共感を寄せつつ読ませていただきました。また、距離を置いた今もなお抱え続ける不安とともに、家族に対する葛藤が切々と伝わってくるようでした。

狭い空間の中で一方的に向けられる敵意や暴力は、きょうだいとはいえなかなかに恐ろしい経験だったのではないかと感じています。死を考えるほど追い詰められていた中で、助けを求めても受け流されてしまったことは、不信感もそうですが、無力感にも苛まれる瞬間だったのではないかと感じています。

私にも同じく四つ年の離れた弟がいて、無邪気と言えば聞こえはいいですが、かなりの多動で毎度家族はトラブルに巻き込まれていました。怒っている私の横で周囲から可愛がられている弟の姿を見る度に、疑問とモヤモヤが募っていました。両親にいくら訴えても「まぁまぁ…」とスルーされる度に、誰にも分かってもらえない孤独感だけが残っていったことを思い返しています。事情はまた違いますが、「彼らはいつも適当に私をなだめ、はぐらかしてばかりでした」との部分は、他人事とは思えない気持ちで読んでいました。(個人的なことを差し込んでしまいすみません)

LINEで送られてくる一言は、優しさで傷に塩を塗られるような、悪意のなさがまたさらにあなたを苦しくさせるように感じました。なかなか折り合いのつかないこととは思いますが、あなたが語ってくれた経験の端々に、私のように共感を寄せる人は他にもいるんじゃないかと思っています。またよかったらお話を聞かせて下さい。経験談への投稿ありがとうございました。

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