経験談

生きづらさを感じる人が語る 経験談

経験談はそれぞれの投稿者の個人的な価値観や感じ方をそのまま掲載しています。一部、リアリティのある描写や強い価値観が含まれるため、読む人にとっては負担等を感じる場合もあります。各自の判断で閲覧してもらえるようにお願いします。

歪んだ私の治し方

私は10年近く希死念慮を抱えて生きている。

小学生くらいの時にはもう漠然と消えちゃいたいなーと思っていて、中学に上がっていじめられて親にボロカス言われたことにより、消えちゃいたいなーが、明確な死にたいになった。

私は上手く生きてきたことがない。小学三年生くらいまではいい子だったと思う。4年生になっておかしくなって、どんどん捻くれて、地面に這いつくばっていたら今に至っていた感じ。

親にも友達にも先生にも好かれてなかった私は、ずっとずっと誰かに必要とされたくて、18で田舎を抜け出し街に出てすぐにマッチングアプリを使い始めた。恋愛目的だったけど、結果的にいろんな人に抱かれていた。

みんな優しかった。ご飯を食べて美味しい!って言うだけで褒められて、服が可愛い持ち物が可愛い顔が可愛いメイクが可愛い、たくさんたくさん褒めれた。

いつも気づけばホテルにいた。ネカフェやカラオケの時もあった。でもそれが必要とされて事だと思って、嬉しくて嬉しくてたまらなかった。

でもだいたい一夜だけの関係だから明日には連絡する手段も知らない他人になる。これからスーパーで出会っても相手は気づかないだろう。そんなもんだ。虚しさと悲しさと寂しさが生まれる。私はまた別の男に声をかける。

そんなことを繰り返してた時、これをお金にしようと19で風俗で働き始めた。売れに売れた。店の中では1番若くて可愛くて愛嬌があると評判だった。スタッフの人にも褒められて、すごくすごく幸せで、これでお金が稼げるなら天職だ!と思った。

同時期にネットで裏垢を始めた。お店とは全く関係のない、個人的なもの。そこでDMしてきた男とは片っ端から会った。県が違っても飛行機に乗って会いに行った。いくらでも金はあったから。

そこで出会った男に、焼肉を食べながら「きみって、いつもこんなことしてるの?」と聞かれた。うん、と答えると、「いつか死ぬよ。こんなことつづけてたら。」と言われた。衝撃だった。私はてっきり愛されてると思ってたから、その瞬間大事にされてたわけじゃないのか、と気づいてしまった。

空っぽになった気がした。

5日間の旅行で、3人の違う男と会う予定を立てていた。ご飯もホテル代も浮いて愛されて嬉しい!って思ってたのに、一瞬で粉々、死にたくて死にたくてたまらなくなった。高いビルに囲まれた街で、死に場所を探して走り出したくなった。

あまり記憶が無いけど、約束通り3人と会って飛行機に乗って家に帰った。親には大学の見学と嘘をついていた。それも思い出して苦しくて苦しくて飛行機の中でこっそり泣いた。

でも歪んでしまった私は愛され方も愛し方も分からなくて、地元に帰って同じことをまた繰り返す日々だった。でも前とは違うのは、愛されてないと気づきながら同じことをしているところ。一つ一つの傷が深くなったのを感じた。

20歳になった今、風俗は辞めて、男と会うのもやめた。彼氏が出来たから。ただ、その彼氏にも時々泣きながら殺してくれ、殴ってくれ、苦しい苦しいとすがりついている。いつか愛想をつかされるだろう。

彼にゴミのような目で見られて首を絞められている間が、1番生きているのを実感する。

私はもう戻れないのかもしれない。死にたい。

感想1

読んでいて、素直にすっとあなたの気持ちや感覚が伝わってくる文章だなと思いました。時系列や変遷も整理されていますが、読む人が読みやすくなるように気をつけて書いてくれたのかな、それともあなたが何度も考えてきたことだったから整理されているのかな…などと考えました。「歪んだ私の治し方」というタイトルも、なんだか映画や小説の題名のようで、あなたは自分の感じていることを表現して伝える力を持っている人なんだろうなと感じています。

あなたが強く求めてきたことが書いてある、必要とされる、愛されるってどういうことなのだっただろうか……ということを考えながら読んでいました。その中で、マッチングアプリはあなたにとってはもともと恋愛の相手を探す目的だったということですが、出会った相手から優しくされることや、褒められることがあり、あなたは必要とされていると感じた、ということが書いてありました。
それは言い換えるなら、あなたに対しての「ここにいてほしい」というメッセージとして受け取っていたということなのかなぁ、と想像しました。
あなたが「いつか死ぬよ。こんなことつづけてたら。」と言われたことで、あなたにとってとても嬉しかったはずのことの意味が大きく反転したのかと思います。そのときの衝撃はとても大きかったのかなと思いました。

現在はパートナーがいるけれど、生きていることのしんどさの中にいるのですね。「1番生きているのを実感する」瞬間を求めているのは、逆にいうと、生きている実感が希薄ということでもあるのかなぁと思いました。
私も、同じということではないのですが、生きている実感、呼吸している実感のために多種多様な刺激を求めて、性行為やらお酒やらでしんどさや死にたさを紛らわせていたので、なんとなくわかる気がする…と思って読みました。
「私はもう戻れないのかもしれない」と書いてありましたが、あなたはどこに、どんな自分に戻りたいのかなぁ、と気になりました。タイトルの「歪んだ」「治し方」ということからも、あなたの中には、本来は(人は)まっすぐでいられるはずだけど、そうではなくなってしまった、みたいな感覚が深くあるのかなと想像しています。私は生き物にはみなそれぞれの歪みがあるのが当然のような気がするのですが、それがあまり許されない世の中ということなのかなぁと考えていました。

私はあなたの文章を読んでいて、あなたが自分のためにさまざまな対処をして、なんとか生き延びてきたことを感じています。マッチングアプリも、その時々のあなたが、しんどい思いからすこしでも離れるために当時必要だったことなのではないかと思いますし、いま、こうやって文章にしているあなたは、あなたのことを考え、振り返り、理解しようとしているようにも感じました。
私も現在も依存や希死念慮や不安定さがあるのでおそらくあなたの願うような「治る」の状態になったことはないのですが、以前よりは自分を楽にする過ごし方や、ちょっとした楽しみを少しずつ見つけているところだと思います。
あなたにとって、息がしやすくなるような過ごし方が増えていくといいなと思っています。
こうやって文章にする時間にもなにか意味がありそうだったら(意味はとくになくても、気が向いたタイミングがあれば)よかったらまたあなたの言葉を聞かせてください。あなたの声を届けてくれてありがとうございました。また、待っています。

感想2

あなたの心の中に確かにある思いを書いてくれたことがひしひしと伝わってきました。まずは書いて送ってくれたことに敬意を抱きます。おそらく、あなたと同じような思いを抱えている人がたくさんいて、確かにあなたの物語であると同時にいろいろな人たちの思いを代弁し、また今の社会に生きる私たちに大切な問いかけをしていると私は感じました。
あなたには自分のことを客観的に見つめるもう一人の自分がいるのではないかと思いました。自分をどこか距離のあるところから見つめている自分は冷静な側面があり、一方で身体を伴うリアルなあなたは深いところで強い渇望感のようなものがあるように感じました。その渇望感はとても強い物なので、常に強い刺激を求めていて、それを補いつづけないとおそらく生きていくことが難しい状況にあるのだろうと想像しています。
タイトルには「歪んだ」とありますが、私はどちらかというとあなたをとてもまっすぐな人だと思いました。ずっと一生懸命に自分のできることを探し、必死になってきただろうと感じたからです。文章の語り口やこれまでの道のりを垣間見ても、あなたはとてもまっすぐな人だろうと私は思うのです。そして、あなた自身は歪んでいると感じていることもまた、その通りなのだろうと思います。自分の求める道をまっすぐに進むほどに、自分が思い描いていたものとは違う方向に向かっていくことや、現実を客観的に見たときに求めているものとの違いを痛感して、それが歪んだ自分のイメージにつながることも理解することができます。その背景には、あなたの力ではどうにもならなかった環境や今の社会の課題があることは確かだと私は思います。子どもの頃のいじめの経験や苦しいときに助けてほしいと思ったときに助けてもらえなかったことや、むしろ尊厳を踏みにじられてしまったこと、尊重されなかったことが、あなたを歪めてしまったと言えるかもしれません。でもそれは、あなたの置かれた状況において無理のない歪みであり、その歪みがあなたを守ってきた側面があるように思いました。
私が確かに感じるのは、あなたが悪いわけではないという思いです。だからと言って社会が悪い、周囲が悪いという単純なことではないとも感じます。そもそも、誰が悪いのか、何が悪かったのかを考えても意味のないことなのかもしれません。ただ、こうして書いて送ってくれたことには意味があると思いました。これまで一人で何とかしようと孤独に抱えてきたものを私たちに開示してくれたように感じたからです。たくさんの男性に求めてきたこととは別のものをあなたは死にトリに向けて届けてくれ、それはあなたがあなた自身を助ける第一歩でもあり、同じような思いを抱える人たちの力になると私は感じました。
最後に「もう戻れないかもしれない」とありました。私には戻るというより新たな道を見つけるというイメージがわきました。今回このように思いをつづって届けてくれたあなたの存在があれば、あなたが気づかなかった力を発揮してあなたの新たな道を見つけていくように私は感じます。また、迷う時には思いを書いて送ってもらえたらと思います。

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