7年間勤務した航空自衛隊を退職し、民間企業へと転職した。
現在は無期雇用派遣型のエンジニアとして働いているが、「就業先の社員の方々はお客様なので、態度や距離感を弁える様に」と入社時に教育を受けたせいで、コミュニケーションに難があると判断されて雇用契約を更新して貰えなかった。
上記の教育について当時の就業先に説明した所、「そんな不健全な教育を受けたのか」と驚かれてしまい、派遣元に意見が行くに至った。
これで教育方針が変わってくれる事を願ったが、「それが我が社の方針だから」と、変えるつもりは無いらしい。
気が付いたら、今の仕事にやり甲斐を感じられなくなった。
自分の立場に誇りを持てなくなった。
…そして、蓋をして見ない様にしていた本当の感情を思い出した。
そもそも自分は、自衛隊を辞めたくて辞めた訳ではなかったのだという事を。
同僚が問題を起こしたせいで空曹への昇任のハードルが上がってしまい、定年まで働く事が難しくなってしまっただけなのだという事を。
自衛隊での日常は充実していた。
仕事内容、社会的立場、その全てに誇りを持てる、やり甲斐に満ちた日々だった。
大変な事や腹の立つ事もあったが、仲間と支え合って乗り越えていける環境にあり、自分に自信が持てていた。
でも、今はそれもいない。
働く場所の人々はお客様。
本当の仲間は、顔も名前も殆ど知らない誰か。
信じられる仲間や上司が傍にいない。
今となっては、何もかも不安で恐ろしい。
怖くて寂しい。
上京して独り暮らしをしている妹への仕送りもしなければならないのに、それも叶わない。
…俺は一体、どこで道を間違えたんだろう。
自分の命を代価にして得た金…生命保険金を妹に送る事を考え、実行に移そうとしては思い留まる…そんな日々を延々と続けている。
感想1
投稿ありがとうございます。
全体を通して、「航空自衛隊に所属している自分(の人生)」に対する誇りが伝わってくる文章だと感じました。転職が珍しくない世の中ではありますが、自衛隊に入ることやそこで充実感をもって務めることは思い付きで出来るものでもないと思うので、それだけあなたにとっての「自衛隊」という存在、そこで得られるものは特別だったのかなと想像しました。そしてあなたの中でその特別感が強まるほど、今の生活への違和感は強まっていくのだろうなと…。
今回の契約更新の一件で、転職して気持ちを切り替えようと蓋をしていた感情が引っ張り出されてしまったような感覚なのでしょうか。私もさほど社会人経験が長いわけではないのですが、今勤められている会社の方針、そして派遣という働き方は、あなたが自衛隊の充実感として挙げていた要素とは特に合致しない民間企業(においての働き方)なのではないかと感じてしまいました。逆に言えば、民間企業においてもあなたが働くうえで大切にしていること、やりがいを感じられるポイントを満たす場所もあると思いました。「自衛隊でなければ」という気持ちがものすごく強いのだとしたら、それ自体は誰にも否定できるものではないと思うので、やり場がなく難しいのですかね…。
公務員(と一括りにするのは違うかもしれませんが)は長く勤め、その中で昇進などの形で上に上がっていくもの、というイメージです。その点で、あなたは人生を直線的なものとして捉えていらっしゃるのかなと、タイトルから推測しました。そうだとしたら今回の転職は道がそれてしまったことになるのかもしれませんが、私は人生は進んだり戻ったりの連続だと感じているので、「間違い」って人生にあるのだろうか…と考えたところです。死にトリと出会ったのも何かのご縁かなと思うので、今回のように経験談という形で言葉にしたり、思いをやりとりすることで、あなたの求めているものが少しずつ整理されていくといいのかなと感じました。