経験談

生きづらさを感じる人が語る 経験談

経験談はそれぞれの投稿者の個人的な価値観や感じ方をそのまま掲載しています。一部、リアリティのある描写や強い価値観が含まれるため、読む人にとっては負担等を感じる場合もあります。各自の判断で閲覧してもらえるようにお願いします。

境界知能とてんかんに振り回される人生だけど…

幼いころから元々マイペースで生きづらさがあった。高校の途中から死にたいと思うようになっていった。今思えば、周りの感情を拾うように察そうと考えて疲れてしまったのかもしれない。自分の感情を無視しながら送る高校生活はしんどかった半面、楽だったようにも感じる。それが限界に達したのは、友人が事故にあって入院したことと別な同級生の死を突然知らされたこと。精神的にまいってしまったところに受診をすすめられて、精神病院で検査を受けた。その結果は、当時知らなかったけれど「境界知能」だとわかった。それはIQが平均よりも下だけれど知的障害というわけでもない中途半端な結果。当時の私はもうどうでもいい気持ちだった。通院することのないまま、高校を卒業したけれど今度は倒れてけいれんを起こす。検査した日から数か月も経っていなかった。別な病院で「てんかん」と診断された。そのころから自分の人生を他人事のように感じ始めていた。専門学校に通学後、保育士として働く。最初は子どもとのかかわりも楽しかったけれど、働く姿を遠くで見てる傍観者のようになっていたと思う。だから、自分の死にたい気持ちはなくなった。そのかわり、出勤前に泣くほどまた限界まで働いていた。その時に精神病院に行けばよかったと後悔している。祖父が亡くなったことで通勤できなくなって仕事はやめた。しばらくしてからチラシで知った若者サポートステーションという場所に通い始めた。そこのスタッフのおかげで自分の気持ちと向き合うことができて、少しずつやりたいことができるようになっている。そこから福祉制度や手帳を取得するために、また精神病院の検査をすすめられてやってみると以前とあまり変わらない結果だった。けれど、通院とデイケアを続けることが決まったから安心した。就労継続支援事業所への通所を考えての手帳取得だったけれど、利用には手帳がなくてもいいと書いてあったりなかったり……。基本的に私は「てんかん」や「境界知能」、その他福祉制度等のことは本で調べているけれど、あまりにも数が少ない気がする。だから、この経験談で少しでも「てんかん」や「境界知能」を広めたり情報を見つけたりしたい。
これから役場でも相談する予定だ。
そして、これからの人生も自分の気持ちをないがしろにしないで過ごしていきたい。それが今の私の目標。

感想1

経験談への投稿ありがとうございます。あなたが語ってくれた「生きづらさ」を、自分なりに想像しながら読ませていただきました。

自分の感情を無視することにしんどさも感じながら、「楽だったようにも感じる」と書かれていたことが印象に残りました。どこか距離を置くことで、なんとかバランスを保っていたのでしょうか。
知能検査の結果や、てんかんの診断についても「もうどうでもいい気持ちだった」「自分の人生を他人事のように感じ始めていた」と書かれていましたが、つらいことや苦しいことから自分を切り離すことで、心を守っていたのだろうかと考えました。
専門学校を卒業して働くようになってからも、遠くから自分と周囲を見ているような感覚があったのですかね。泣きながらの出勤は、読んでいる私も切なくなる思いでしたが、お祖父さんが亡くなってしまったことでいよいよ限界を迎えてしまったのでしょうか。高校時代に友人の事故や死を経験したことが書かれていましたが、当時のつらさに重なる部分もあったのかなと感じています。

繋がった先で、安心して付き合える支援者に出会えたことには、少しだけホッとしました。
福祉の制度やサービスは何かと複雑な部分もたくさんありますが、あなたが言うように、量も質も、十分とはいえない現状があると私も思います。制度があっても、当てはまるものがなかったり、困りごとに対して十分な支援が受けられない状況を「制度の狭間」と呼んで、社会の課題にもなっています。(既に知っていたらすみません)
こうして声をあげることは、草の根的な活動ですがとても大事なことだと私は思っています。

文末の「これからの人生も自分の気持ちをないがしろにしないで過ごしていきたい」との言葉は、なんだか私も励まされるような気持ちになりました。またよかったら、あなたの声を届けて下さい。

感想2

投稿ありがとうございます。幾度も「限界」に到達してしまうほどの苦労をしながら、あなたが自分の日々を見つめてきたことを感じました。あなたがチラシでの情報から、若者サポートステーションというところに通ったことや、手帳取得などの中で情報を調べていることからも、自分で手探りしながらでも動いていく力がある方なのだな、という印象を受けまいた。もちろん、それはさまざまな大変なことがあるからこそ、自分でやる以外に方法がなかったということでもあるかもしれませんし、それだから問題ないという話にしてしまいたいわけでもありません。でも、出勤前に泣くほどつらい日々のあとで、自分なりに動くことはすごく大変なことかもしれないと思っています。「幼いころから元々マイペース」と冒頭にありましたが、それはこの社会では生きづらさに繋がりやすい一方で、裏を返せば、あなたのペースをあなたはつかむことがうまかったり慣れていたりする……とも言えるのかなぁと思ったのでした。
私は発達障害の診断を受けていて、しばらく前に手帳を取得していますが、制度のことを調べたり、自分にとってサポートになる方法を見つけたり、活用するために様々な申請が立ちはだかったりするのをうまいこと解決したり……ということは難関だらけだなぁと思っています。情報が少ないというのは本当だなぁと思いますし、情報があっても、それだけではうまく動けなかったり、進められなかったりする人も多いと感じています。そういう状況が社会全体ですこしでも改善するといいなと思いますし、今回送ってくださったこの経験談も、そういう情報の一つになるかなと思いました。「これからの人生も自分の気持ちをないがしろにしないで過ごしていきたい」というあなたの目標には、うんうんと頷きつつ、勇気付けられるような気持ちになりました。いろいろなことがないがしろにされてしまいやすかったり、知らないうちに苦労が積み重なってしまったりすることもある世の中ですが、私も、なるべく(なるべく、というのも弱気ですが……)気持ちも心身も、ないがしろにせず生きていきたいなぁと思いました。

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