経験談

生きづらさを感じる人が語る 経験談

経験談はそれぞれの投稿者の個人的な価値観や感じ方をそのまま掲載しています。一部、リアリティのある描写や強い価値観が含まれるため、読む人にとっては負担等を感じる場合もあります。各自の判断で閲覧してもらえるようにお願いします。

妊活という苦しみ

30代後半の新婚夫婦です。周りからも子どもを期待され、自分達も望んでいるので、妊活を始めました。子どもは欲しいときにすぐに授かるもの、と思っていましたが、そうでは無いんですね。体調、体力、タイミング、全てが揃った上で、さらに受精卵がちゃんと着床しないと妊娠できないなんて、この歳なって身をもって知りました。

妊活を始めて、好きだったお酒も、コーヒーも、習慣にしていたランニングも、全て我慢して、仕事中もなるべくストレスをためないように、工夫しながら仕事をして、お昼も栄養価のあるものを食べるようにして、と、我慢することが多いのに、毎日軽い二日酔いのような体調で、トイレも近くなって、たまに頭痛に襲われて、お腹も張ってズボンが辛くなってきて、「まさか?!」と期待していたら、ショッキングなことに生理が来ました。

それでも、そんなのウソだと、こんなにきついんだから、これは生理ではないんじゃないか?まだ可能性はあるかもしれない、と、諦めきれない気持ちが数日続きましたが、悲しいぐらいに生理は続きました。身体から出ていく血を見るたびに、大きな何かを失ったような喪失感に襲われて、「こんなに辛いなら、もう死にたい。人生なんて、もうどうでも良い。」と考えるようになりました。こんなに我慢や辛いことばかりなのに、私は呪われているのでしょうか。産むなってことなのでしょうか。期待していただけに、生理の血を見るたびに心が締めつけられて、激しい憎しみの気持ちでいっばいになります。

私の何がいけなかったんだろう、もう今後頑張っても、ずっと辛いままなのかな。そうなるくらいだったら、早く死んで楽になりたい。いつもの生理でさえ辛いのに、さらにこんなに我慢ばかりの日々が続いても授かれないなんて、私の生きる意味ってあるのでしょうか。夫は、一緒に頑張ろう!とは言ってくれますが、あくまでも男性なので、この身体の辛さを抱えながら働くということ、沢山の不安を抱えながら生きていくという事を、理解してもらえるとは思えません。毎月、生理の血を見ることが怖くてたまりません。この辛さから1日でも早く解放されたい、楽になりたいです。

感想1

自分にお返事が書けるだろうかと考えこみながら、何度も読み返しているうちにずいぶんと前の私自身の記憶が蘇ってきて、共有させてもらいたいと書かせてもらいました。

私自身、出産の希望も曖昧なまま産婦人科に行ったことがありました。問診では気持ちの問題よりもまずは行動だと窘められ、子宮年齢の検査、貼付薬を張られタイミング法の指導を受け、次回はパートナーの精子検査も必要だからと、唐突に紙コップを渡されました。
健康診断などで骨密度の検査をされたことはありましたが、子宮年齢や精子検査という言葉に「優れている、劣っている」という評価をされるんだと、言いようのない緊張と不安、自分のこれまでの人生はダメだったのかと暗い気持ちになったことを思い出しました。

私達の生活はきっと昔に比べ科学技術が進歩し物やサービスが生活に行き届きやすくなり、実感としての不便さやどうにもならないことの体感も減ったのかなと思います。出産という自分では操作しきれない事象の前に改めて立った時に、戸惑いや抵抗の力が様々なかたちで心身に現れるような気がします。そして生活スタイルを変え、身体的な苦痛も耐え女性しか産めないからと、夫婦二人の責任をどこかでお一人で抱えているようにも想像します。

大きな何かを失ったような喪失感とは、これまでの生活の中であなたが大切にしてきた時間のことのようにも思いました。あなたは一生懸命生きてきたし、今もそう生きています。夫さんや社会に向かって言葉にならない思いも込め「ふざけるな」っと、散々に文句を言い放ってもいいのではと、社会全体の問題だと言わずにはいられない気持ちとなりました。投稿いただき、ありがとうございました。

感想2

経験談への投稿ありがとうございます。妊娠したいと強く願えば願うほど、生理が来る落胆は大きいもので、妊娠を強く願っておられる様子が文章からも感じられます。タイミング、と言われると頭で理解できるものの、生理が来るたびに気持ちの面での不安は強くなりますよね。それに、毎月「今月こそは」の願いから、体調が良くても悪くても「妊娠したかも」という淡い期待をして、余計に落胆が大きくなる気がします。

そのうち周囲からの「子どもは」という期待の声や、パートナーからの「子どもが欲しい」という言葉もプレッシャーに感じはじめ、辛くなっていた頃の自分を思い出しています。子どもができない自分を責められているようにも感じてしまうのはなぜなのでしょう。きっと誰のせいでもないはずなのに、自分のせいにしたり、人のせいにしたくなってしまいます。

なかなか話しにくい話題なだけに、悩んでいるのが自分だけかのように思えてしまうけれど、悩んでいるのはあなただけではないことを共有できたらなと思いました。妊娠できないからダメなんてことはもちろんないですし、どの道をたどってもあなたの人生を幸せに過ごしてほしいと思います。できるだけ妊娠を意識しすぎず、期待しすぎず、それでも前向きに、長い目でいられたらいいな。

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