転がっていく
削れていく
崩れていく
雨が降って
溶けていく
流されていく
期待はしない
求めすぎない
張り合わない
この袋の穴は
いつ塞がれるのかな
纏わりつく
呑まれていく
沈んでいく
聞こえなくなる
見えなくなる
全てなくなる?
忘れたくない
失くしたくない
離れたくない
そう思っていた私は
どこにあるのかな
不確かな青空
朝日に期待した
星が見えない夜空
喜びに出会って
愛で隠していた
傷を思い出していた
「風化」
作品にまつわる質問
この作品にまつわるエピソードがあれば教えてください。
歌詞を書くように書きました。つらくて泣いていた時に勢いで書きました。
感想1
最初の2連を読み、やわい石が転がり削られながら、雨にまじり川に溶け出していくような風景が頭に浮かびました。塞がらない穴を持つ袋は、それでも何度も繕われてきたのかもしれないと思います。情景が切り合わされたように飛んでいくからか、大きな流転のような長いスパンの時間に、「私」も含まれているように感じています。不安げで頼りない心持ちの中でも、情景はたしかにあることを感じました。
感想2
日々転げまわったり、雨に打たれたり、流されるような思いをして、傷ついたり穴が開いたりして変化していく心があると思いを馳せました。風化というと、身に纏わりつく色々が取り壊されるような寂しい感じがしますが、塊がすり減りきってさらさらの砂になり全体に還っていくという悟りじみたプロセスも思い浮かびます。けれどその過程の一つ一つが、主観的には寂しく悲しいものとして感じられてしまいます。