【詩】off
ぎゅってして欲しいし
して欲しくないのかもしれない
湿ったアスファルトを
静かに歩きたかったのに
小石を つま先が鳴らしてしまう
どっちなんだろうね
どっちでもいいんだけどね
湿ったアスファルトを
履いたローファーの底で擦る
ヘアゴムが通った左腕
装飾に水色で透き通った
サイコロがついていた
おもむろに むしり取って
右の手のひらで包む
どっちかなぁ 偶数なら
ぎゅってしてほしくて
奇数なら
して欲しくない
車のヘッドライトが
私を照らしては 去っていく
どっちかなぁ
どっちでもいいんだけどね
どっちか なんてさ
サイコロを投げて
私はヘッドライトと一つになる
温もりと悲しみと期待
笑顔で 電源off
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【詩】shore
子ども扱いしないで
いや
子どもでいてもいいかな
私は1人で生きていける
いや
少し 甘えてもいいかな
そんな どうしようもない気持ちを
砂浜に隠したんだ
遠くに海鳥の声が聞こえる
潮風に乗った海の香りと
他人の幸せが鼻につく
ざぁーっと
波は打ち寄せて 帰っていく
飲み込まれると知っていて
海岸線に隠したの
あー
飲み込まれる前の私を
誰か見つけてくれたかなぁ
それなら いいのになぁ
感想1
投稿者さんが意図してのことか分からなかったのですが、サーフィンにoffshore(オフショア)という言葉があり、波に乗りやすい風が吹くことを指しています。どちらの詩も、揺れ動く心が表現されているように感じて、葛藤をどこかに投げてみて何かが返ってくるのを待っているような、そんな自分をどこかニヒルにも捉えている言葉の数々が印象的でした。
感想2
二つとも、相反する気持ちを抱えつつ決着をつけることを諦めている様子、そしてその気持ちの葛藤を抱えたままどこかに消えてしまうことを暗示しているような点が共通しているなあと思いました。考えることに疲れてしまって、しかたなく笑っている様子が思い浮かびました。相反する気持ちを持っていると、それらは互いにぶつかり合うので心が騒々しくなるので、私は結構困っています。でも、どちらも捨てきれない大事な気持ちであることは確かで、泣き止まない赤子をあやすようになだめ続けるしかないのかもしれません。