もし私に才能があったなら
たったひとつのことでも注目されたかもしれない
もし私にお金があったなら
さらに増やして夢のような生活を送っていたかもしれない
もしいい耳があったら
もしいい目があったら
もしいい顔があったら
でも、もしもはもしも
私の中身は普通のものでいっぱい
なにひとつ才能なんかない
私は私の普通を繋ぎ合わせて身に纏う
そうしてできるのは普通のこと
なぜと問う
でも普通の暗闇の中では灯りは見えない
応えてくれない
それでいいのか悪いのか
きっと人にもよるけれど
羽ばたき疲れて落ちてしまう
小さな光は大きな光に消されてしまう
普通の輝きを散りばめて
織り上げたような社会はまだ見えない
虹が出たら顔を上げよう
小さな光もそのひとつになるだろう
感想1
常日頃、この社会では「私の普通」で生きていくのが辛いなあと思っています。社会から普通以上のことや特別な才能を求められている気がします。でも、そのことについては誰も答えてくれない。この詩にあるように、「そうそう、こんなことでは疲れてしまうよ」と思いました。普通でも、普通以下でも、特別でも、何でも良いから、すべての人の持つすべてのことを織り込んだ社会の方がキラキラしていて素敵そうなのにな、というようなことを考えました。
感想2
普通の輝きを散りばめて織り上げたような社会、という言葉がぐっと刺さりました。あるところでは普通の素晴らしさについて説かれながら、またあるところでは何者かになることを求められ・・社会が向けてくるメッセージは、だいたいダブルスタンダードだなぁと感じています。「普通」という言葉に覆われて隠れてしまいがちなところに、小さくとも深く輝きを放つ、人間の生き様があるように思っています。