のびアート

優しい棘に甘えていた
柔らかさに埋もれて安心していた
優しい棘は成長を遂げ
私にも棘を固く突き刺す

過去に私が突き刺した棘
痛かった人がいただろうけれど
優しい棘は未熟なだけで
いつか誰かを深く刺す

棘を産むくらいならば
もう棘ごと消えてしまおう
成長を止めることはできない
だからここで消えてしまおう

抱きしめてもらえるほどに
優しい棘を持つ人を
見つけて抱きしめてしまいたい
その棘が固くなるまで

優しい棘成長遂げ

感想1

「棘」という言葉が沢山入っている文章だけど、なぜか不思議と痛みを感じないような、あくまで私の感覚的にですが、”儚さ・後悔・慈愛”が感じられた作品でした。同時に。「私も棘を沢山出して(刺して)いただろうなぁ」と振り返ったり、でも棘は痛いけれど時には魅力でもあると私は考えていて(サボテンなど)あなたが表現する「棘」について興味深く読ませてもらいました。

感想2

音の響きとリズムがなんだか独特で、口の中で思わず何度かつぶやいてしまいました。朗読かポエトリーリーディングのような形でも聞いてみたいと感じました。韻を踏みながら棘という言葉の周囲を埋めていくように、痛みはあるけれど、なにか軽やかさもあるような詩だと感じました。棘を持つことは外敵から身を守るすべで、だからこそ「成長を遂げ」ることは強さにつながるように思います。だけど傷つけること自体が傷になるような、そんな感性があるように感じました。

一覧へ戻る