愛の形など
決まっていないのだと
学生時代の自分は
そう言い聞かせては
背伸びして泣くのをやめた
あのときひらめいた
おとなびた答えは
今でも自分に似つかわしくなく
色褪せない
いい答えだと見ている
人間 極論に振り回される時や
どっちを選んでも間違う選択を
強いられて切り抜ける理由は
本当に自分のためだけではない と
あからさまなこともあれば
それで隠された複雑もある
手に取りやすいように
たやすく優しさと呼べないもの
成功や脱出では
これ以上の何かを見いだせないなら
不公平とは何故存在するのか
突きつけられるたびに
負けるわけにはいかないと
ない答えを必死に紡ぎ出す
本当は批判など贅沢すぎて
惜しげもなく放つのに驚いて
やりとりは虚しく雨と傘のように
哀しいすれ違いは今もある
遠く離れた人に
たやすく声をかけられる時代に
心の距離も永遠ではないと
おぼろげながら未来を測った
誰かの言動を是認することに対して
真意を簡単に悟られたくなかった
思ったより簡単なことだった
後から後悔などしないでほしいと
悲劇が起こるたびに教わったはずで
解釈はたしかに自由だから
阻むなど親と子くらいだと
今でも間違いだと思ってない
結局なにがその人の生き方の
指針になっているのだろう
糾弾されたひとつの出来事だけでは
到底はかれないものを
各自が持って生きている
生きること 愛することとは
対するたびに やはり惑う
絶対に心の中で決めた
各々のルールがある
だから 属性より
その人その人を
見ていかないと始まらない
頭は無意識に
秒単位で選択問題に答える
絶対間違えないと意気込み
何で疲れたのか曲解して眠る
愚かだとは決して思えず
むしろ無いと恥だと
社会にいつか教わったような
風が無尽蔵に吹く