聞こえる外、雨の音
激しくもなく、緩くもなくて
そんな様子を
ただ、ぼんやり見つめる
遠いあの日の記憶に会いに行く
これだけじゃ、世界は変わらない
もう、戻れない
あの水滴は透明だ
なんの色にも染まれない
何も知らないまま
透明の壁に挟まれた
あの時の私に
流れる窓、水滴が
ゆっくりな流星のように伝う
その様子が
妙に美しくみえて
遠く霞む景色はぼんやりとしか
もう、あの記憶も霞んでいる
逃げ場が、無い
あの水滴は透明だ
何の色にも染まらない
気がついたら遅かった
何になることも無い
あの日の私は
すべてがつまらなくって
落ちてくる水滴を
窓の外を
見つめるだけ
目に映る日常の色
きっとは私は
その色にすら染まれない
あの水滴は透明だ
何の色にも染まることなく
消えていく
あの水滴は透明だ
私も同じだ
何にもなれずに
日常にも染まれずに
身動きが取れないまま
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梅雨の詩です
無色透明って何色にも染まれなくて、それが周りと同じようにできない私自身みたいだなぁ、と、書いたやつです