1年前の梅雨のころ、あなたが生まれた
朝も晩もあなたは泣きつづけ
わたしはおしめを変え、乳を飲ませ、
それを永遠に繰り返した
宇宙にわたしとあなた2人きりのような
長い長い孤独
ある雨の夜更け
腕の中をふと見ると
家の屋根に
たたきつける雨音に、
あなたは目を丸くして肩をすくませていた
生まれて初めて雨音を聞いた人間
を生まれて初めて見た
電気もつけない真っ暗な部屋の中で
雨音を聞いた
肩をすくめながら、宇宙で、たった2人で。