のびアート

ねぇ、君。こんな時間にどうしたんだい?家には帰らないのかい?


おうち、かえりたくないの。


どうして帰りたくないんだい?


えっと、あの。わ、わからないの。
でも、かえりたくないの。


お父さんやお母さんが心配するよ。


しんぱい? それってこわい? いたい?


どうしてそんなことを訊くんだい?


だって、おじさんしんぱいっていった。

おうち

感想1

この人にとって「おうち」はこわい場所で「お父さんやお母さん」がすることは、こわくていたいことなんだろうって思った。悲しいし、悔しくなる。「かえりたくない」と思って行動できるのは強みと言えるかもとも思うけれど、夜遅くの街の中なのかな、そこもきっと安全な場所ではないのだろう。けれど、「おうち」よりはマシと感じる瞬間も少なくないのかもしれない……。この夜も、次の夜も、その次も、ずっと、この人がこわくなくいられる場所ってどうしたら見つかるんだろう。

感想2

この子のおうちに帰りたくない気持ちは切実なものなのだと感じられました。その理由を自分でも説明できないのは、おうちにいるときは自分の思考や感情を押し殺しているためなのかもしれないと想像しました。「心配」という言葉を知らず、その未知の言葉が父母と結びつくと恐怖や痛みを与えるものだと解釈してしまうほどの過酷な環境のおうちなんだろうと胸が痛いです。せめてこのおじさんがいい人であれ…と願わずにいられません。

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