のびアート

浅い憧憬
私はリフレインする
結晶のひとつひとつが目に雪崩落ちて
私は存在している
褪せた無彩色は毒にも薬にもならず
私は笑う
合間の日々、次はどこに進みたいの?
私は手を引く
スポットライトひとつ指を切る
私はなぞる
あなたの選ばなかった空想、それら全て私で塗りつぶしてみせよう
私はずっと、冷たい手で掴み直そう

無題

感想1

この文章を読んで、舞台の上、ほんのり青みがかった、あるいは柔らかい黄色の冷光が目の前いっぱいに広がるイメージが浮かんできました。ダイアモンドダストのような、冷たいけれどキラキラした文章だと思いました。「私」は何かはかない憧れを思い出しながら、自分が進みたいところを自問自答し、「あなた」が選ばなかった空想を掴み直す……少し寂しいけれど、前向きな内容だと思いました。ひとつ、「私」が手を引いているのは誰だろう?ということが気になりました。もしかして「どこに進みたいの?」と問いかけられている、もうひとりの「私」の手なのだろうか、と想像しました。「自分の気持ちを大事に確認しながら前へ進むことって、とても難しいけれど大切なことだよな」と改めて思い、勝手ながらこの文章に優しく背中を押された気がしています。

感想2

「結晶のひとつひとつが目に雪崩落ちて私は存在している」これまで自分が観たもの影響を与えてきたものは結晶のように自分の中にあるだろうなと自分を存在させている細胞の粒を結晶と表現しているのが印象的で、一つ一つがとてもきれいに、また世界を持って存在しているイメージを持ちました。私を形成しているものたち、その一粒一粒の結晶達は、いいものも悪いものもあるだろうと思う。人間はいつでもやっかいな生き物で、自分の意思ではどうしようもならんことばかりだなと思う。冷たい手で掴み直すというイメージも、そういうどうしようもならなさに対する復讐というか、強さを感じる言葉で、好きな表現だと思いました。掴み直したいことが私もあると思いました。

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