経験談

生きづらさを感じる人が語る 経験談

経験談はそれぞれの投稿者の個人的な価値観や感じ方をそのまま掲載しています。一部、リアリティのある描写や強い価値観が含まれるため、読む人にとっては負担等を感じる場合もあります。各自の判断で閲覧してもらえるようにお願いします。

もうええわ

もうええわ、どうもありがとうございました。
こんな漫才の終わりのようにもう人生を終わらせたい。

貧乏なのも、もうええわ。
金で苦しむ時間のなんと多いことか。私の悩みの大半はお金が無いことが原因で、お金さえあれば夢も叶えられたし、好きな事も自由にできるし、両親に親孝行もできる。
なんで休みの日まですき間バイト探してお金稼がなきゃいけないの。
奨学金も、借金も、カードの支払いも全部苦しい。

うつ病なのも、もうええわ。
何年精神科に通院する気なの。症状も変わらないし、効いてるかどうかわかんない薬飲んで、なんか馬鹿みたい。
入院したり、休職して療養する時間も金もないから死にたいって思いながら仕事するの本当にしんどい。いつ治るんだろう。本当に治るのかな。私うつ病になる前は物語とか書くの好きだったな。頭が苦しいと死にたいで溢れてもう書けないけど。

機能不全家族、もうええわ。
なんで両親仲悪いのに結婚したの。意味わかんない。一方的に母が父を嫌ってるだけなんだけどさ。兄はそれを父のせいにしてるって、もうめちゃくちゃだよ。ヒスるタイプの母親の元に産まれたくなかったな。うつ病理解してくれない家族の元に産まれたくなかったな。貧乏な家庭に産まれたくなかったな。
それでもまだ家族だって思ってる私もどうかしてるんだよな。

もういいよ、人生疲れたよ。もう十分生きたし、辛い思いはもうしたくないよ。
もうええわ、どうもありがとうございました。
終わってくれないかな、全部。

感想1

「もうええわ」それで全部終わりにしたいくらい、あなたの波瀾万丈な人生の、挟まれるような息苦しさから解放されたい思いを感じる。漫才みたいに、或いは物語みたいに自由に生きることに憧れている、そんな思いもどこかに隠れているのかもしれない。

家族に対する辛さ(機能不全家族、うつを理解してくれない)を抱えながら、一方で親孝行をしたいと思っているところや、効いてるかわからない薬を飲んでいるところ、支払いのために計画的に働いているところ、そんな節々からあなたの「しっかり」感が伝わってくる。真面目で優しい人ほど、苦しい社会だと思うことがしばしばで、そんなの社会が間違ってるよなあ。

本当は、そんな社会にもうええわって、終わらせたい。奨学金も、借金もチャラにしよう。賃貸とかもやめよう。ないとこからお金とる仕組みもうやめよう。一見自由なようで、不自由を課せられる社会もうやめようよ。若者から生きる希望とか、やりたいこと奪うのもうやめようよ。

そう思いながら、一方で、今この瞬間にも自分の手の中にある自由のことも思う。生きたいように生きる、それを始めるのに誰かの許可なんていらない、それもまた事実なんだけど。

現実では透明な糸みたいな何かに(それも年を追うごとに)、知らない間に絡まってたり、或いは自分が握りしめていたりあるけれど、漫才とか物語とか、表現の中では自由にいたい。自分が好きなように、やりたいようにできた時に一番元気が出るんだもの。あなたの書いてくれたこの文章も、ありのまま受け止めたい。

また書きたくなったら、いつでもお待ちしています。

感想2

漫才の終わりのようにと書かれていたのもあって、文中の3つの『もうええわ』について、あなたと壇上に立ち、他者に向かって話しながら経験談が進んでいくようなイメージが浮かびました。共感する部分が多かったからかもしれません。
私もお金の苦しみが強いのですが、常に支払いに追われていたりするとお金への執着心も強くなり、ただでさえしんどい状況なのに、そんな自分に嫌気がさすこともあるので、あなたもそんな気持ちがあるだろうかと想像しました。
また、効いているかどうかわからない薬を私も飲んでいるのですが、馬鹿らしくなる気持ちもだし、いつ治るかわからないものが常に付き纏っている感覚の不快さ、それに伴って悪化する希死念慮が存在することを考えています。脳内が苦しさで占められると、ほかに回すスペースがなく、何かを創造(想像)する余裕も、やりたくなる気持ちすら湧いてこないんじゃないだろうか…と思いました。でもあなたはどんな物語を描いていたのかと気になる私もいます。
病気に理解のない環境で過ごすことはまずストレスが増してしまうと思うし、更に、不仲さを目の当たりにして過ごしてきたとなると、自分の心を常に押し殺して日々生活してきたのではないだろうかと思いました。でも自分にとっての家族はこの形で、そこに悲しみもあれば、両親に対してどこか同情心があったり、何故か申し訳なさも出てきてしまったりしているんじゃないかと、勝手にですが想像し、自分でもよくわからない感情に葛藤を抱くあなたがいることを考えました。
書きながら、一つ一つの『もうええわ』をあなたが自分自身から切り離したい(放っている)イメージも浮かびました。そのもうええわの中には、呆れや疲労、「流石にもうええって」と数々の苦しさがやってくる(抱えている)現状を、もう自分で薄ら笑ってしまうような感覚もあるんじゃないかと思いました。
幕引き後の『終わってくれないかな』が小さい声で聞こえた気がして、でもあなたの大きな本心だと受け取りました。
どんな形でもいいので、良かったらまたここであなたのことを教えてください。

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