経験談

生きづらさを感じる人が語る 経験談

経験談はそれぞれの投稿者の個人的な価値観や感じ方をそのまま掲載しています。一部、リアリティのある描写や強い価値観が含まれるため、読む人にとっては負担等を感じる場合もあります。各自の判断で閲覧してもらえるようにお願いします。

自分のがんばりが後輩に搾取される

私はマッサージ店でセラピストとして働いています。
スタッフ同士で色々と比べてしまう事が苦しくなってきました。
可愛いからと言う理由で男性から指名されまくる子がいます。
予約でその子に指名が入っているのをみるたび苦しくなってきました。
雑用は最低限してくれますが、細かいことはやらず私ばかりやっています。

お給料は固定給プラス歩合給、指名料は別途つくので後輩なのにその子の方が高くなります。

私も指名を取ったりリピーターを作ったり努力していますが、その子はネットの顔写真だけでバンバン指名を取ってくるのに虚しくなってきました。

日々涙が止まらず上長に相談したところ、新店舗ができるタイミングだったのでそちらに行ってはどうかと持ちかけられました。

私はこの会社に勤めて3年、その子はまだ3ヶ月なのに、体よく追い出されると感じハッとしました。

新店舗はどんなにがんばっても既存の店舗より売上が下がります。
うちの給与形態だと今より5万程度下がるかと思います。

話を持ちかけられた時は転職を考える気力もなく、追い出されると感じながらも
この子と離れられるのだからいいやと最後の力を振り絞ってがんばりました。

しかし、今新店舗に異動してやはりお客さんは少なくやる事をやってもとりあえず待つしかない時間が多く、まだ2週間ですが毎日後悔しています。

ヘルプなどの関係もあり、他店舗の予約状況も把握しておかないといけないため、その子が毎日たくさん施術しているのを見るたび悲しいです。
あれは初期から私が繋げたお客さんだったのに…という方もたくさんいます。

可愛い子や、新しく入った子の方が高いお給料をもらえるシステムも腹が立ちますし虚しいです。

私のがんばりは、やりがいもお金もあの子のためにむしり取られた気がします。
なんの為に働くか分からず、働かないと生きてゆけないので体は動くから出勤してますが心は死んでいるみたいです。

感想1

がんばりが虚しくなってしまうような現実に、心が痛んでいる様子をひしひしと感じました。
つらい気持ちが湧きおこるのも、納得できなさのようなものを強く感じるのも、それだけあなたががんばってきたからだと私は思いました。

読んでいて一番思ったのは、固定給プラス歩合給、指名料が別途、という給与形態の罪深さや危うさです。
組織の信頼や成果は、いろんな人がいろんな役割を担うことで成り立っていると私は思います。どんな職業でも、雑用をやる人がいるから表舞台に立てる人がいて、経験者がいるから新しい人を育成できて、コツコツと信頼を積み上げる人がいるから継続したお客さんがついて・・・と、みんなの力で作られているはずです。だから、目立つ活躍や成果を上げる人が成果を全取りするような風潮は、何か歪んでいると私は感じました。
とはいえ、例えば勤続年数でしか給料があがらないとなれば、それはそれでデメリットがありますし、全員が納得できる給与の在り方は難しいな…と思いますが、あなたのマッサージ店はちょっとラインを超えたバランスの悪さだと私は思いました。

また、可愛いからという理由で指名がつくのは、ルッキズムを感じて私はとてももやもやします。可愛いからと指名される子がどう感じているかはわかりませんが、もし私が見た目を理由に男性から指名されたら、自分を見てもらえない感じがして(女性という商品として品定めされているようで)、苦しくなるだろうと思います。
そういうのに慣れてうまく利用できる人もいるのでしょうが、それはそれで自分を人間じゃなく商品と割り切って自分の心を殺しているように私は感じますし、ルッキズムは本質的には誰のためにもなっていないと感じています。

私自身はがんばるのが大好きなタイプなのですが(でもがんばらない生き方も全然いいとは思っています)、がんばるほどに虚しくなる場所だと感じたら転職して、がんばりが自分の充実に少しでも結びつくような場所を探しまわって生きてきました。
だから個人的には、あなたがそのマッサージ店から離れることをおすすめしたい気持ちにはなっています。そう簡単に割り切れる話ではないと思いますが、何かしらの形で、虚しさじゃなくやりがいがもたらされる日が来てほしいと心から思います。

感想2

自分が実際に経験したことのない世界の話ではありますが、いろいろな媒体から流れてくる情報や出来事から考えると、そういうことが起こっているのだろうと思いながら読みました。おそらく、あなたが従事しているセラピストは可愛さも売り物の一つとなっていて、商品価値が高い方がより売れるという市場の原理がそこにはあるだけなのだろうと思いました。市場の原理としては当たり前でも、あなたがこれだけ思い悩んでいるのには別のわけがあるのだろうと私は思いました。これが物であれば、何も疑問や苦しみが生じないと思います。つまり商品が人であることが問題なのだろうと私は思っています。現実には人が商品として扱われる場面はけっこうあります。その現実はあまりにも当たり前すぎて、あまり問題にならないのかもしれません。あなたの経験談は人が商品になることについて何かしらの問いかけをしているように私は感じました。
セラピストですから、商品価値として技術があると思います。おそらく、技術は頑張りでカバーができるのだろうと思います。それに対して、可愛さは単純な努力ではどうにもならない部分があるかと思います。最近では整形も随分と一般化しているので、整形という努力もあるのかもしれません。化粧や表情などで努力できる可愛さもあるかもしれません。理屈ではそうした可能性があるとはいえ、あなたが考える頑張りと今、あなたが働いている現場の評価基準は随分とズレがあるように思いました。
あなたなりに努力をしている様子から、やりがいや向上心を抱いて働いているのだろうと思います。しかし、サービス業は現実として何に商品としての価値を見出すかという点では人が人格を持った人として扱われず、物と同じように扱われてしまう側面があります。働く者としてはその現実とどのように折り合いをつけるかという課題にぶつかります。同じ業界でも商品価値をどう見出すかは店の経営者によって異なることもあるでしょう。仕事や職場はある程度、自分で選ぶことができると思うので、あなたがあなたらしくいられるよう、現実との折り合いのつけ方が見つかること、もしくはそうした場に出会うことを願っています。

一覧へ戻る