経験談

生きづらさを感じる人が語る 経験談

経験談はそれぞれの投稿者の個人的な価値観や感じ方をそのまま掲載しています。一部、リアリティのある描写や強い価値観が含まれるため、読む人にとっては負担等を感じる場合もあります。各自の判断で閲覧してもらえるようにお願いします。

本当の自分がいなくなりそうで

 アラサー、現役ではないがなんとか大学を卒業したものの、一歩踏み出せず正規で働いたこともない実家暮らし。自分のセクシュアリティについても疑問を抱いており、恋愛には全然興味が湧かない。そんな中、1年ほど前に保育園のお手伝いをするパートを始めた。周囲からどのように思われているかとか、日々気にしながらもいろんな人たちと関わり勉強させてもらっていた。が、「何か将来の夢があるんですか?」「彼氏できた?」「結婚してるの?」「外に仕事してるの?」と職場の人達は嬉々として聞いてくる。正直自分でもどうしたいかわからない。答えも曖昧になってしまう。そんな自分がものすごく嫌いだ。放っとけ言わせとけって考えられない性分で、普通じゃないだめな人間なんだと毎度自己嫌悪に陥る。
 家族も仕事については応援してくれる。ただセクシュアリティについては多分、臭いものに蓋をするように話をしてくれないし、自分も悲しませたくなくて話ができない。しかし応援してくれる仕事に関しても、いつ辞めたくなるか怖くて仕方がなく、失望させてしまいそうでずっと苦しい。
 職場でも家でも誰の期待にも応えられないような気がして、見放されて誰からも必要とされなくなるんじゃないか。常に心の奥の方で小さな本当の自分がうずくまって怯えているような感じ。その本当の自分は、いつも何かいい機会があればみんなの記憶とか、この今の世界から消えてしまいたいと思っている。

感想1

文章を読んで、仕事や恋愛、結婚といった「普通」に対する投稿者さんの率直な「わからない」気持ちを感じ取りました。そして、「わからない」を許さない周囲の空気や、あるいは投稿者さん自身が、本当のあなたを消そうとしているのだろうかと考えています。
返信を書いている自分自身もわからないことばかりで、セクシュアリティひとつとっても、あれこれ言葉を調べてみてはやっぱり違う気がする……とわからなさの解消を諦めるような日々を送っています。「普通」に素直に乗っかれる人はわからないままでいいのに、どうして自分はわからないといけないのだろう、と思うこともあります。
そう考えると、消えてしまいたいと思っている本当のあなたは、「普通」からずれたところにいるあなた、というふうにも捉えられました。
どんな人間でも、きっと「普通」と重なる部分と「普通」からずれた部分を持っているものだと思いますが、「普通」からずれた部分をどうしたら生き延びさせることができるか、私も考えたいと思いました。経験談を投稿してくださり、ありがとうございます。

感想2

経験談への投稿ありがとうございます。

将来の夢やパートナーのこと、結婚の有無、仕事…。同じようなことを聞かれて、自虐的な笑いを織り交ぜながら答えている自分自身をふと思い出しました。まるで何かを待たれているような相手方の表情や声色は、なんだか心が削がれるような、息苦しい瞬間だったのではないかと想像しています。

文章を読んで、誰かの期待に応えようとしたり、周囲が求めるような振る舞いや役割を懸命にこなす一方で、そのことにほとほと疲れ、どこかで気づきながらも止まることができない怖れのような、そんな印象を抱きました。
「普通」や「当たり前」として語られる多くの事柄は、社会規範や古い価値観の影響を多分に受けていることを日々感じています。そしてそれらは、身体と心に内在化されて、時に自分を責め立てたり、追い立ててくるように思います。タイトルに「本当の自分がいなくなりそう」と書いてくれましたが、何にも縛られないあなたの思いや声はどんな言葉なのだろうかと、聞いてみたい思いでいます。またよかったらお話を聞かせて下さい。

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