中学一年生、前期は本当に楽しかった。勉強して受験合格した中高一貫校。友達も沢山できて、部活も楽しく、毎日が充実していた。いつからおかしくなったのか。
後期に入ったあたりから違和感を感じていた。私はあまり男子と話すことが得意ではなく、男友達は少なかった。ただ、なにか強烈にもやっとしたものがあった。男子が私の触ったものをバイ菌扱いする。近くを通ると、鼻をつまみ、大きな声でくさいと言う。授業中、手を挙げると笑われることもあった。私は男子の間で、臭いヤツと言われていた。
心当たりはあった。私は昔から太ってはいないが汗っかきで、ワキガがあった。でも薬や汗ふきシートを使い、できるだけ気をつけていた。
ある日、廊下を歩いていると、前にいた男子が、臭いヤツが来た、逃げろと言い、走り出して行った。
何かが壊れて、私は学校に行けなくなった。友達に言っても、気にしない方がいいとだけ言われ、助けてはくれなかった。ある日、その男子うち1人から、気色の悪いLINEがあった。自分だけ許しを得たがっているのが丸見えの、自己中な謝罪だった。
何回か先生や、相手の保護者と話し合ったが、学校は隠蔽したがり、保護者はそんな事実はなかったと言った。私は心療内科に通うようになった。睡眠薬で眠るだけの日々に、ゾンビのようになってしまった。
ようやく落ち着き、学校に少しづつ行けるようになったが、いじめはなおつづいた。
その時、父親の転勤が決まった。アメリカへ行くらしい。元々単身赴任の予定だったが、私もついて行くことにした。
父親のことは嫌いだった。母とも離れたくなかった。でも、もうそれしか私にはなかった。
私は今アメリカにいる。病気はまだ治っていない。料理が下手糞な父の代わりに毎日3食作り、家事をし、学校ではいつも独りだ。学校は嫌いだが、父と同じ空間にも居たくない。反抗期などではなく、本物のヘイトだ。
日本にも帰れず、アメリカも居心地が悪い。私の帰る場所はどこなのか。
経験談はそれぞれの投稿者の個人的な価値観や感じ方をそのまま掲載しています。一部、リアリティのある描写や強い価値観が含まれるため、読む人にとっては負担等を感じる場合もあります。各自の判断で閲覧してもらえるようにお願いします。
帰る場所
感想2
自分は昭和の人間なので、インターネットってすごいなぁと思ってしまいました。遠く離れたアメリカで生活するあなたから、こうしてリアルな悩みや気持ちをそのまま届けてもらえたことを実感したからです。それだけ、あなたがこの半年ぐらい過ごしてきた、中1の楽しかった前期から、学校で周囲から受けた理不尽な扱い、そのことに傷つき、苦しんで学校にいけなくなってしまったこと、そしてそこから逃れるために望んだわけではなかったけれど、選ばざるを得なかったアメリカへの転居など、その経過や気持ちの揺れや苦しみが、出来事とともにあなたの気持ちも一緒に表現されていて、率直に伝わってきました。
日本の学校で経験したいじめはあなたの心に大きなダメージを与えたのだろうと思います。その様子から再び学校に戻り、居場所を取り戻すことはとても難しいことのように感じましたし、取り戻すためにはあなた一人の努力ではなく、周囲の大人の理解や協力が必要だろうと思いました。それは、周囲の大人頼みのところが多いので、望みは他者依存になってしまうように思いました。それに比べるとアメリカに行くという環境の変化は、何かしらの好転をもたらすかもしれない可能性があるので、それにわずかな望みを見出したのかもしれません。また、子どもには自分の気持ちや意思があるとしても、大人の意向で決められてしまうことも残念ながら多く、そういった周囲の意向に従っただけなのかもしれません。どちらにしても、積極的なあなたの意思や選択ではないと感じました。
その中で、私が最も印象に残ったのが父親のことが「大嫌い」という気持ちでした。ヘイトとまで表現するあなたの素直な感情がそこにあり、確かなあなたらしさを感じたのです。学校でのいじめの体験や不登校の経験、そして積極的な選択ではなさそうなアメリカでの生活など、あなたにとって過酷で安心できない日々があるのですが、それに直面しているあなたが自分の感情にしっかり耳を傾けて、嫌いなことを嫌いと思い、それをこうして書いて送ってくれるということにあなたの力とあなたの存在を感じています。死にトリでよければ、いつでも気持ちを受け止めますので、またよかったら書いてください。あなたの求める帰る場所とはちょっと違うかもしれませんが、つらい気持ちや素直な気持ちを置いていける場所でありたいと思っています。
感想1
楽しかった日々が一転して辛い(それだけでは表現しきれないとは思いますが…)日々となり、そこからアメリカへ来たもののどこにも心落ち着けて過ごせる場所がないという絶望感のようなものが痛いほど伝わってきました。努力をして受験に合格して新しい環境で充実した楽しい日々を送っていたのに、後期に入ってから「臭いヤツ」という一言ですべてを壊され、崩れてしまったこと、あまりに理不尽ですし耐え難いことだなとそのいじめをしてきた男子もそうですが学校の体制や相手方の保護者の振る舞いに、私がこんなことを思っても致し方ないことだというのは承知の上で、憤りを感じてしまっています。
あなたが経験したいじめは、決して個人の問題ではなく、日本の学校全体に根深く存在する構造的な問題の一部だと私は感じました。学校は、もちろんきちんと対応しているところもありますが、いじめがあっても「なかったこと」にしようとすることがニュースなどで取り上げられているのを見ても多いなと感じますし、学校の評価を優先されがちで、保護者もまた「うちの子はそんなことをするはずがない」と、都合の悪い現実を見ようとせず、結果として、いじめられた側がどこにも救いを求められず、最後には「学校に行けなくなる」しかないという現実…あなたの経験は、決して珍しいものではなく、日本の教育の闇が生み出した一例だなと思い、改めて根本から社会全体で考えていかなきゃいけない問題だと痛感させられています。きっと反吐が出てしまうくらいに“現実”というものをまざまざと突き付けられてしまいどこにもやり場のない感情だけがあなたの中に残ってしまっているのではないかと勝手ながら感じていますが、こういった事実を発信していくことが社会への警鐘にも繋がる大事なことだとも思いました。
誰のせいでもない生まれつきの体質のことで標的にされてしまい、いくら対策しようといじめが続いたこと、助けを求めても助けてはくれなかったこと、お母さんとは離れたくはなかったけれどアメリカ行きの選択肢しか残っていなかったこと、行った先でもお父さんとの生活に辟易していること…様々なことがあなたにのしかかっていることを考えると、本人にしか分からないしんどさはあるにしてもその苦しさは相当なもので想像に難くないなと思ってしまいます。「逃げたい」以上に「もうどこにも居場所がない」という感覚もあるのではないでしょうか…。
最後の「私の帰る場所はどこなのか。」という言葉にあなたがこれまで抱えてきた感情の重みを感じました。ただ、今はどこにもなくてもこれからもずっと帰る場所がないままではないはずです。(そうあってほしいという願いも込めて…)国や家庭に縛られず、「あなたがあなたらしくいられる場所」がこの先見つかるといいなと思いますし、どういう場所だったらあなたが居場所と感じられるのか、居心地がいいか、一緒に考えてみたいなと思ったので過去のことでもアメリカでの生活についてでもなんでもいいのでまたあなたのお話をお聞きしたいです。経験談の投稿ありがとうございました。