経験談

生きづらさを感じる人が語る 経験談

経験談はそれぞれの投稿者の個人的な価値観や感じ方をそのまま掲載しています。一部、リアリティのある描写や強い価値観が含まれるため、読む人にとっては負担等を感じる場合もあります。各自の判断で閲覧してもらえるようにお願いします。

私の声を聞いて。

私は小4のときに弟を流産で亡くしました。その時情緒不安定だった母に吐かれた「お前の感情なんて無駄。消せ。」という言葉が私の人生を大きく左右するなんて、母は考えもしなかったと思います。
はい。感情を失くしました。こんなにもあっさりと。母の言葉が絶対だったんです。なんせ言われたのは1度や2度のことではなかったのでね。小5、小6とひたすら何も感じないようにして、生きてきました。小6のとき前まで友達だった子にいじめられても、もう全然何も感じませんでした。
時が流れて中1。さすがに危機感を持ったんです。自分の心が虚無感だけで満たされていることに。でも、遅すぎました。どれだけ何かを感じようとしても、結局は偽物でしかない。それから私は演技ばかりするようになり、「よく笑う子」の座を取りに行きました。でも実際は何も楽しくも面白くもなくて、ますます心に穴が開いたようでした。
もう無理。中3になった春、そう思いました。限界だったんです。演技も少しずつ綻びが見えてきたし、よく一緒にいる人には本性がばれたのか、自分の周りから人が去っていくような気がしました。しかも中3は受験生。とにかく孤独です。余計に心には穴が開き、毎日勉強しなきゃいけない時間も、病みに病みまくって何もできない。だから宿題が終わらない。先生からの信頼が下がる。友だちも減る。成績下がる。母に怒られる。病む。を繰り返しています。
そういえば最初に出てきた母親はと言いますと、はい、最近「あんた人の心ある?」と言ってきました。誰のせいだと思ってんだよ。てめえのせいだ。と言い返してやりたくなったのは言うまでもありません。
私、嘘つきになってしまったんです。毎日演技を重ねていくうちに、嘘も必要になって、今では嘘なしでは生きていけない。嘘に依存した子になってしまいました。
もうどうしたらいいんですかね。受験はあと2か月切ってて、でもたぶんほんとは勉強どころじゃない精神してて、もう私にもわかりません。
誰か、1人でいいから、私の声を聞いてほしい。

感想1

弟を亡くした時に母にかけられた言葉はその言葉の通り、あなたの感情を失わせ、ひいてはあなたの存在そのものが何かをわからなくさせたのだな…と読んでいて感じました。それではまずいと思ったあなたは「演技」をすることで「よく笑う子」となり、でもそれにも「限界」がきてしまって、その「綻び」とともに様々なものが失われたりうまくいかなくなったりしている…。その状況をあなたはただただひとりで耐え忍び、それはあなたの感覚とすると時間がただ過ぎるのを待っているといった感じなのかなと勝手ながら想像しています。母の「最近」の言動は-母の言葉がきっかけだったのにも関わらず-そうやって苦しんでいるあなたの苦しみをないこととするものと感じたので、せめてここであなたの(苦しみの)「声」をちゃんと受け止めたいと私は思いました。

ひとつお伝えしたいと思ったのは、これほどまでにあなたはもがき苦しみながらも、実は”すべて”の感情を母の言葉に奪われたわけではないと私には感じられたことです。たとえば、あなたは時の流れとともに自身の状態に「危機感」を抱き、「よく笑う子」になっても「何も楽しくも面白くもな」いと感じていたと書いてくれています。また、あなたは心に開いた穴の存在に気づき、母親の「最近」の言動に「てめぇのせいだ」という強い怒りの感情を書いてくれていました。これらはあなたの感情が確かにあることを示していて、あなたの感情を受け止めてくれる人や場(環境)がなかっただけで、あなたは「絶対」である母の言葉に完全に屈服したわけではないことをも示しているように私には思えました。そのため、もしよければですが、弟さんを失った時に感じたあなたの感情(言いたかった言葉)をはじめ、あなたがこれまでにどんなことを感じてきたのか、何を言いたかったのかということがあれば、また書きに来てもらえたらなと思いました(そのあなたの声を私は聞きたいと思いました)。
最後に(ちなみにの話ですが…)私は最近出たばかりの『「嘘をつく」とはどういうことか』という本のことが気になっていたこともあってか、「嘘に依存」というあなたの言葉を見て、なるほど…と考えさせられていました。いつかあなたと一緒に「嘘」について考えてみたいとも思ったとお伝えして感想としたいと思います。投稿ありがとうございました。

感想2

小4のときから続く感情を失った感覚、その痛みや孤独がひしひしと伝わってくる感覚になりながら読ませてもらいました。お母さんに言われた「お前の感情なんて無駄。消せ。」という言葉は、お母さん自身も不安定になっていたとはいえ、まるで呪いのように心に傷として深く刻まれたのではないかと私は思いました。多感な時期に自分の感情を否定され続けてしまうのは、その後の人との関わりや自分の在り方(自分が自分に感じる存在価値含め)に大きく影響を及ぼすものだと私は感じますし、気づいた時(危機感を持った時)にはもう後戻りはできないところまできてしまった感覚というのか…不安も大きくあったのではないでしょうか。幼いながらにお母さんの言葉を受け入れざるを得ない中でここまで生き抜いてきたあなたの姿を想像すると、大人を代表してあなたのSOSに気づいたり守ってくれる大人が身近にいなかったこと、私がそう思ったところでかもしれませんがなんだか勝手に悔しい、もどかしい思いになっています。
何も感じないようにしたのも演技ばかりするようになったのも、別に好きで嘘をつくようになったわけじゃないですし、むしろ自分を守るためには、日々過ごすためには必要なことだったのだと思います。でも周りからすると「よく笑う子」として見られていて、普段周囲に振舞っている自分と本当の自分とのギャップに苦しくなっている状態で、限界がきてしまい綻びが出てきてしまったことで周囲が離れていってしまう現状によって、表面上取り繕っている自分さえも誰からも認めてもらえなかったり必要とされない感覚があなたの中にさらに重くのしかかったのではないかと感じています。(違っていたらすみません)
タイトルもそうですが最後に書かれた一文も、あなたの心からの声が表現されているように私は感じました。嘘をつくことでしか生きられなくなってしまったとしても、本当の自分を知ってほしい、本当はもうこれ以上自分を偽って生きていたくないなどまだ諦めてはいない証だと思います。これまで出会うことができなかっただけで、この先あなたの声を聞いてくれて、演じなくても、嘘をつかなくてもそのままのあなたを受け止めてくれる人はきっといると思います。(いてほしいという願いも込めて…)少なからず、経験談を読んだ私はあなたの声を受け止めたいです。
今の状況を考えると、受験が迫る中で「ほんとは勉強どころじゃない」となってしまうのは無理もないことだと思います。とはいえ避けることはできないことでもあるとは思うので、気休めにしかならないかもしれませんがまたいつでも必要に感じた時は死にトリにあなたの声を届けてほしいと思いました。こうしてあなたの心の奥底にある思いを言葉にして投稿したこと自体が、本当のあなたを取り戻すための一歩だと私は感じました。経験談の投稿ありがとうございました。

一覧へ戻る