経験談

生きづらさを感じる人が語る 経験談

経験談はそれぞれの投稿者の個人的な価値観や感じ方をそのまま掲載しています。一部、リアリティのある描写や強い価値観が含まれるため、読む人にとっては負担等を感じる場合もあります。各自の判断で閲覧してもらえるようにお願いします。

私の男性恐怖症の経緯と心境、症状

かなり詳細な表現があるため、気分が悪くなってしまう方がいらっしゃるかもしれません。
タイトル通りの内容ですので
トラウマをお持ちの場合はスルーしてください。

現在21歳、大学生の女です。
誰にも話せなかった過去を長々と書きます。

家族構成は母と、姉と兄(歳が離れている)、祖母祖父、私です。
母子家庭で少々貧乏ではありますが、母の頑張りで比較的普通の生活を送ってこられました。
しかし、中学1年生の夏、私の全てが変わりました。
夏休みでも、吹奏楽部ではほとんど毎日練習がありました。暑さと長時間の練習でかなり疲れていた私はすぐに寝てしまいました。
そして、兄が私に性器を擦り付けているのに気付きました。
その場では信じられなくて、寝たフリをして、疲れてたし夢だったかもしれないとそのまま過ごし、数日後にまた同じ状況になりました。今度は太ももに精液をかけられました。
夢ではなかったと理解した瞬間、心の中でガラスが割れて落ちる様な音がして、視界が青黒くなったのを覚えています。

その後も誰にも言えなくて、電話相談してみた所、緊急性が高いとのことでそのまま翌日の学校帰りに児童相談所に連れていかれました。私はただ聞いて欲しかっただけなので、とても驚きました。担任にバレてしまったし、施設ではすぐに裸をくまなく見られ(傷や虐待の確認の為)、生理終わりには本当に血がついていないかナプキンを開けて調べられ、事情が事情なのでますます傷付いて大人を信じられなくなりました。
カウンセリングも受けましたが、状況を事細かに話さなければならない(&それを録画されていた)ため、精神的消耗が激しく、悪夢を見るようになりました。夜、息苦しくて肩で息をしながらひっそりと泣いていたら施設の人が傍で見守ってくれていたこともありました。
実際に保護されていたのは数週間だけでしたがかなり鮮明に覚えているので、今思い出しても本当に色々ショックだったのだな、と思います。

自宅に帰ってからも心ここに在らず、という感じでしたが夜になると涙が止まらなくなったり、常にイライラしていました。現実逃避しないと死にたいという事しか考えられなくなるので、ゲームをしたり動画を見て1日を過ごしていました。その頃から音楽や誘導音声を聞いて意識を逸らさないと眠れなくなりました。自分は汚れてしまったんだと思い込み、どうせ何やっても上手くいかないし、将来なんて何の希望も無いし、散々裏切られてきた”大人”になる前に死のうと思っていました。
やっと学校に行けるようになった頃、プリントを貰いに職員室に行くと、数学教師(男性)に後ろから肩を組まれて二の腕を揉まれ胸の辺りを触られました。「心配してたんだぞ〜」という声が耳に残っていて、今でも時々脳内で聞こえることがあります。部活の顧問(男性)にわざわざ個室に呼ばれて「お前が辞めたら次に担当するやつが居ないから困る」と詰められ「やめません」と言うまで帰らせてもらえませんでした。
部活の友達にはサボっていると伝わっていたらしく、かといって説明もできずにそのまま嫌われてしまいました。
今考えると、私は元から大人しい性格だったので、騒いだり訴えたりしない気弱なやつだと舐められていて、ターゲットにされていたのだと思います。
このような事が立て続けに色々起こり、キャパオーバーして再び不登校になりました。
希死念慮が酷く、不登校になり、毎日自殺方法を調べたり首を締めて(傷があると家族に心配されるから)自傷行為をしていました。
ネットで助けを求めた人は女性を騙った男性でした。無理やり手を繋がれて、足を触られました。
すぐに 帰る、と言ってなんとか振りほどいて、気付いたら1人で駅の隅っこに座っていました。私何やってんだろ、って思ったら涙と笑いが止まらなくなり、どうやって帰ったかも分からないし、そこから数年は学校にも行きました(別室登校など)が断片的にしか記憶がありません。もちろん高校受験も失敗し、その頃から自分の不甲斐なさというか、何をやっても上手くいかないし自分なんかどうでも良いという無力感に苛まれるようになりました。

その後も様々ありましたが高校では周囲の人にかなり恵まれ、アルバイトで少しづつ自信を取り戻し、不安定ながら色々頑張ってきました。
その間もストレスが溜まったり体調不良の時に定期的に思い出して落ち込むことがあり、その度に漠然とした不安感や希死念慮に襲われ、何とか1人で抑え込んで生きてきました。しかし時間の経過と共にかなり頻度は落ち着いていました。
私はいつしか大学生になり、なんだかんだ言いつつ、ついに成人してしまいました。
最近は就活が始まりました。
初めての面接で、「中学時代の一番の思い出は何ですか?」と聞かれた瞬間、頭の中が真っ白になってしまいました。嫌な記憶以外が全く何も思い出せず、自分でもとても混乱しました。その後も上手く答えられずに結局落ちました。またこの過去に邪魔をされるのかと悔しくて泣きながら、何度も電車に飛び込みそうになりながら帰って、もうずっと就活が進んでいません。また同じようなことを聞かれたらどうしよう、と要らぬ不安感でいっぱいになってしまっています。面接用の嘘を考える気力も無くて、今は週に2回しかない大学の授業も、駅まで行っても雑踏の中で突然取り残されたような気持ちになって動悸がしたり、気分が悪くなったりと行けないことがあります。
寝てたら夜中に突然体が震えて目が覚めて、過呼吸になったり、立っていられなくて駅のホームでしゃがみこんでしまったりと身体症状が出始めたので最近かなりしんどい。
カウンセリングも行き始めましたが、間を開けて経過観察するので間の期間がとてもつらい。
眠れなくて、人と話すのがつらくて、こんな内容誰にも打ち明けられない。私の周囲の人達は皆優しいから、きっと打ち明けたら真剣に悩んでくれる。だからこそ、元気なフリしなきゃならない。
だれにもこんな悲しい思いやつらい思いして欲しくない。これ以上私のことで悩んで欲しくないし迷惑かけたくない。
私は何も悪くないのに、どうしてこんな目に遭わなきゃならないの?
いつまで苦しめられなければならないの?
ずっとこんな気持ちを抱えて生きていくくらいなら、早く死にたい。

感想1

投稿、読みました。

「中学1年生の夏、私の全てが変わりました」という表現もありましたが、性被害は人生レベルに大きく響き続けるダメージを与えるものだと、改めて感じさせられました。
それは被害によるショックも勿論そうですが、その後の大人との関わりで傷つけられることが多いのも、傷つきへの想像力や理解が足りない社会であることを思い知らされます。私はこれまで、性被害に遭った経験について何人かから話を聞いたことがありますが(自分も性被害ではないもののトラウマがあるので、何を感じたかや、傷ついた後に変わってしまったこと等、トラウマが与える影響について語り合う機会があった感じです)、大人の対応で余計に傷つき人間不信になったことは、残念ながら共通していたように思います。

ショックをまだ受け止めきれない段階では、話を静かに聞いて余計な動きはせずに、ショックを受けた本人が何を感じているか、何をしてほしいのか・してほしくないのかに寄り添ってほしいと私は思います。自分の傷でキャパオーバーのときに、大人の事情や感情を優先した関わりをされることが、どれほど残酷で、どれほど傷の修復を難しくするか…それを大人には知っておいてほしいし、忘れない大人でありたいです。

数学教師や部活の顧問、女性を騙った男性の関わりも、抵抗できない相手を選んで、自分の都合や欲を押しつける許されない行為だと思います。ただ、現実問題それが許されてしまっており、そのことは「自分はどうでもいい存在なんだ(だから何をされても仕方なかったんだ、と諦める)」というイメージをあなたに与えるだろうと思いましたし、なぜ自分を傷つけた人たちは普通に生き続けていて、被害者はいつまでも苦しみ続けなくてはならないのか…?と考えると、絶望してしまうようにも思いました。(自分語りになってしまいますが、私はそのように考えて、時々心をうまく支えるのが難しくなるときがあります。最初から、自分の経験や気持ちをかなりシンクロさせて感想を書いてしまっているので、もし大きなズレが生じたり、私の気持ちの押しつけになっていたら申し訳ありません)

ただ一方で、生きていれば新しい人や経験に出会っていくのも事実で、人との関わりの中で、あなたも書いてくれていたように自信を少しずつ取り戻すこともできます。
抱えている苦しみはそう簡単に消えることはなくても、希死念慮との付き合いが少し上手になってきたり、不安や痛みを部分的にでも一緒に抱える仲間ができたり、苦しみを忘れられる時間を増やしたりはできます。今は就活という大変な時期に、過去に邪魔をされて不利益を被り、感情の蓋が開き…といろいろ重なって絶望的な気持ちになりやすいと思いますが、ここまで生き延びてきて経験をこうやって投稿してくれたこと、「私は何も悪くないのに」と思えていることは、あなたに回復する力があることを示していると感じました。
とはいえ一人で抱え続けるのは大変だと思うので、そういう時は、死にトリの掲示板 とりコミュhttps://shinitori.net/bbs/ なども活用してもらえたらと思いますし、「これ以上私のことで悩んで欲しくない」という気持ちもわかりますが、それと同じように「これ以上一人で悩んでほしくない」と思っている周りの人もいるかもしれないと思ったりもします。
経験談の投稿、ありがとうございました。またいつでも死にトリに来てください。

感想2

これまで心の中にしまっていた気持ちを書いて、こうして送ってくれたことを確かに受け止めました。中1の時から今までですから、8年ぐらい抱えていたのでしょうか。伝える先として、死にトリを選んでくれたことに感謝します。中1から21歳の今までは新しいことに挑戦したり、好奇心がくすぐられたり、自分のやりたいことを見つけるような時期であるはずが、その時期に誰にも言えない気持ちを一人で抱えたことの苦しさは簡単に想像できないものだろうと思いました。
兄から受けた行為はもちろん、あってはならないことですが、それに対して嫌だと思う気持ちを自覚して、周囲に伝えられたあなたの力や行動を強く支持します。ただ、それに対して周囲の大人の対応があなたの気持ちを中心にしたものでなかったことに落胆をしています。大人の一員として、心から謝りたい気持ちです。深く傷ついて、自分を守るために勇気をもって行動したあなたの気持ちを理解して、その気持ちを尊重した対応があれば、あなたは単に傷ついたのではなく、自分の力を使い、周囲と協力して苦しい状況から何かを学び、糧にしたように思います。それが、周囲の大人の反応は表面的にはあなたを助けようとしているように見えるため、嫌だということも言えなかったでしょうし、ひょっとしたら、そういった気持ちを持ってはいけないとも思えたのかもしれないと想像しました。ただ、経験談の中で「散々裏切られてきた”大人”」という表現があったので、そう言い切ってくれたことに少しホッとしています。
今回、こうして誰にも言えなかったことを書いてくれたことは、あなたなりの第一歩なのではないかと感じました。それまで、誰にも言えずにいた気持ちは今、ようやく出してもいい準備が整って、こうしてあなたの意志で出してくれたことには何かの意味があると私は感じました。同時に、これまで言えなかったことにも道理や意味があると思っています。そのうえで、これまで、イライラすることが多かったり、逃避のためにいろいろなことを試みたり、学校に行かなかったり、死にたいと思ったり、ネットで助けを求めたりしたことは、すべて一人きりで自分の心を守るための努力だと私は感じました。周囲から誤解されることは悔しいですし、あなた自身も苦しかったと思いますが、そうして生き抜いてきたことに存在の強さを感じています。
経験談の中で「私は元から大人しい性格だったので、騒いだり訴えたりしない気弱なやつだと舐められていて」とありましたが、周囲がもしあなたのことをそういう風に理解していたとしたら、とんだ勘違いだと思いました。確かにつらく苦しい経験があり、今もなお苦しみから逃れられずにいるかもしれませんが、その苦しみはあなたの中に秘められている自分の存在を守ろうとする強さの証明であって、気弱とは真逆のものだと私は感じました。とはいえ、こんなに苦しいのなら強さなんて要らないと思うかもしれません。
もし、よかったらこれからもあなたの気持ちをあなたのペースで表現してもらいたいと思いました。願わくば身近にじっくりと受け止めてくれる人がいたらと思いますが、簡単ではないのかもしれませんので、死にトリはいつでも受け止めたいと思っています。
今回、感想としては少し前のめり気味にいろいろ書きすぎてしまったような気がして反省していますが、もし感想は要らないから黙って受け止めてほしいということであれば、黙って受け取りますので、今後もよかったら気持ちを届けてもらえたらと思います。

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