生まれてきたくなかったです


兄弟はいません。両親は離婚済みです。幼少時は父親の家庭内暴力が酷かったです。母親と私は毎日怒声と罵声を浴びせられていました。毎日毎日存在を否定され、自分は不要な存在だと教え込まれました。
暴力は痛かったですが、性行為を強要される母親の姿が一番辛い記憶です。忘れてしまえたらどんなに楽かと思います。別居して母親と二人暮らしになるまでは、家は帰る場所でなかったです。家の外にも心を許せる友達や大人はいませんでした。家でも外でも周りの顔色を伺い続け、作り笑いを浮かべていました。今でもそれは変わりません。情けないことに27歳になった今でも、父親への恐怖は一向に消えません。いつまでも過去に囚われてうじうじ悩んでいます。
母親は別居後酷い鬱病で苦しんでいましたが、ここ4、5年でやっと落ち着いてきてくれました。そこで思ったのが、もう私の役割は終わったんじゃないかということでした。母親が元気になるまで支えられて、もう十分だと思いました。私は持病があり、投薬治療をずっと続けています。役割は終わったので死のうと思い、一度その薬を過剰投与しました。死にかけましたが、死に損ないました。そこからずるずると生き延びて今に至ります。常に罪悪感と無力感があり、毎日生まれてきたくなかったと考えています。
今はペットの猫もいて、私の過去を受け入れてくれた恋人もいて幸せなはずです。
しかし、恋人に褒められたり感謝の言葉を言われる度にどうしようもないほど苦しくなります。そんな風に言ってもらえるような人間ではないからです。自分には何も価値が無いからです。
自死すら満足にこなせない、何もできない愚かで無能な人間です。
毎日周囲の人間に迷惑をかけ続けて生きていることが、申し訳なくて堪らないです。生まれてきたくなかったです。

感想1
とても痛くて怖くて辛い経験を重ねてきて、母親さんもあなたも孤立した状態で生き延び、その中で母親を支えるということを自分の役割にして、その役割を終えたと感じたのが伝わりました。生まれてきたくなかったという気持ち、罪悪感、無力感、どれもあって自然なことだと思います。
また、生き延びるためにたくさんのことを一人で考えてきたのだろうと思います。今はちょっと考えるのをお休みする時間を取ってもいいのかもしれないと思いました。でも、それができないからこそ苦しいのかもしれません…。
あなたの経験は、母親さんだけでなく、たくさんの人の支えになるものだと思っています。こうして文章を綴って伝えてくれることも、その一つだと思います。でも同時に、あなた自身も周囲に支えられて当然で、みんなそうして生きているのだと思います。
何もできない…それでもいいと思います。私も何もできないと、よく感じます。でも、お互いいるだけでもいいんじゃないかなと思っています。

感想2
生まれてきたくなかった、という気持ちがとても伝わってきました。生まれてくるのは誰もが自分の意思ではないので、生まれてくることは、ある意味非常に過酷なことなのではないかと思います。それなのに、世の中では暗黙のうちに生んでくれたことに感謝しようとか、生まれてきてよかったと思うべきというキャンペーンがされていて、「生まれてきたくなかった」と思ってはいけないという圧がかかることも多いと思います。でも、私はあなたがこうして「生まれたくなかった」と本当に思っていることを言ってくれたことはよかったと思います。
そして、子ども時代に経験したことの一部を教えてもらい、それが今でもあなたの存在を危うくし、消えない恐怖となり、罪悪感や無力感となって、あなたを苦しめていることについて、当然のことだと思います。あなた自身は「情けないことに」と書いていましたが、私は情けないことだとは思いませんでした。それだけ、あなたは傷ついただろうし、一人で苦しみを抱えて何とかしようと思ってきたのだろうと思います。
今の苦しみを感じるだけのことがあったことや気持ちをこうして死にトリに書いて送ってくれたことに感謝します。なぜなら、同じように苦しんでいる人がいると思うからです。死にトリに訪れる人や周囲の理解してくれる人と経験を分かち合い、自分自身が何を感じているのか一緒に考えませんか。もう少し時間がかかるかもしれませんが、ともに考えたいと私は思います。