幸せなリスカ計画

私が初めてリスカをしたのは高校2年生の夏でした。中学時代は不登校で過ごし、高校に進学して頑張れていた1年目。メンタルクリニックに通うのも一度やめたものの、女子グループのもめごとに耐えれずに高校も不登校に。両親もメンタルを崩していて、うちの中は崩壊気味。母方のおばあちゃんの家を逃げ場にしていました。おばあちゃんは否定しないで受け入れてくれていましたが、出入りする叔母からは理解なく責められることも多く、嫌になった時に切ったのが初めてのリスカでした。高校の友達でしている子がいて知識はあったのと、病んでる子の流行に乗ったのかな?と今では思います。

そんなリスカとの付き合い始めから今まで10年ほど。関係性を考えると3通りくらいあった気がします。
1つは見てほしい、構ってほしい発信の「アピール」リスカ
(主に母や支援者に対して自分の快不快がわからず、言葉にできずにリスカすることで分かってもらおうとしていた)
2つめは病気に感情を支配されての「感情暴走」リスカ
(精神疾患状態な時はその病気事態にまるで感情や自分自身を支配されたりして切ってしまうことがあった)
3つ目は自分でストレスの対処法として使用する「リフレッシュ」リスカ
(切った痛覚を感じることは、ビールのシュワシュワ感を感じるのと似ている。たぶんおじさんがお酒飲んでリフレッシュみたいなのと一緒)
初めてから最初の6年ぐらいは1つめと2つめのミックス。このリスカは不幸せなリスカで、自分を傷つけたし、周りへの発信としても迷惑がられるだけ。
でも3つ目のリスカは自分の心を傷つけないし、周りにも何も迷惑をかけない。なので、ここ4年くらいは3つめのリフレッシュリスカで生きようと考えています。リスカをやめる計画ではなく、“幸せなリスカ計画”。これは支援者向けの研修で、リストカットの経験を話した時に貰った言葉です。

リスカをやめる計画から、幸せなリスカ計画へ発想を変えたのには理由があります。
それは1年くらい前のこと。もうそろそろリスカもそんなにしないし、一度全部捨てよう!と思ってカミソリを捨てていたタイミングで、メンタルが激落ちしてしまったことがありました。「もうリスカするしかない。リスカして寝る!」と思ってカミソリを探したのですが、捨てているので勿論ありません。
それでもう、大パニック。貝印の青いカミソリ(初めてリスカした時からこのカミソリ。他も試したけど、これが一番切った感覚がよろしい)を求めて、あまり片付いていない部屋の中をひっくり返しての大捜索!!
「絶対どこかにある」と思って収納をひたすら探したら、何とかボロボロのカミソリが見つかりました。もう見つけただけで安心。それでほっとしたのは自分でも本当にびっくりでした。それ以来、貝印の青いカミソリは自分の中でお守りのようなものになっています。

でも今でも、すごく精神的に落ちるとリスカに支配されてしまいます。
リフレッシュリスカから感情暴走リスカに引きずられてしまうのは容易い。自分の能力で処理できるストレス値はまだまだ少ないし、処理できないストレスを自分の中にためておくと自分が存在してることが許せなくなって、いろんなことを持ち出して自分を責めてしまう。リスカはその気持ちに支配されて自分の世界へ行ってしまった状態から、痛覚を入れて現実に戻ってくるためのものなのです(これはぎりぎりリフレッシュ、もう少し酷くなると感情暴走に近いものになる)。
この頃はリスカしなきゃいけないくらいに落ちると腕の感覚が自分の体なのか空気なのかわからなくなるような感覚に襲われてしまい、腕の感覚を取り戻すのにリスカをすることが多いかもしれません。

また、彼氏との関係においては1つめに引っ張られてしまいます。
私は本当の気持ちとか感じているものを言語化するのがとても苦手で、相手に嫌だっていうことを伝えたいのになかなか伝えることが出来ません。特に自分が安心を抱いている相手に対しては拒否されるのが怖いので、余計に伝えることを回避してしまいます。でも伝えないことで自分がすごく我慢しているから、何で自分ばっかり・・・となり、分かってほしい願望、心配されたい気持ちが空回り。そして、アピールリスカ。リスカまでしなくても、あとから感情を爆発させて関係を悪化させてしまうこともあるし・・・。これは今の人間関係における一番の課題ですね。

そんな問題も色々ありますが、そうならなければ、リスカは本当にコスパがいい。
アマゾンで5本284円のカミソリがあるだけでお守りになって、1本3か月くらいもつ時もある。基本的には他者を巻き込まないし、日常生活に支障が来ることも少ない。傷が・・・とかいうけど、お酒飲んでても体壊す事あるしなぁ。精神的に落ちた時に何故そうなったかを理解して、感情に呑まれずに対処法を自分で見つけられる日まで、切り替えの一つにリスカがあってもいいと今は思っています。必要なときは適切にリスカに頼りながら、卒業できる日を待ちたいところです。