家族の癌細胞


東北 21歳 女


家族は父、母、姉、父方の祖母、私。

父から私が言われてきた事の、少し。

・糞の役にも立たないくせにのうのうと生きていてお前らはいいなぁ
・お前らのものは何一つない。部屋やお前らの身体も俺のもの。
・俺の子じゃなくて母親の子。俺は関係ない。
・誰のおかげで生きていられると思ってる!
・飯を食うな
・穀潰し
・娘2人とも(姉と私)リスカするなんて俺は育て方が悪い親だけど普通の家庭と違うことが体験できてありがたいと思え
・俺の立てた大きな音に耳を塞がなきゃいけないのか、病気だから(笑)
・鬱病本人も大変だろうけどその家族はもっと大変だ
・病気の奴はなんでも病気のせいにできていいなぁ!俺も病気になりたいもんだな
・学校で習ったことが正しいとは限らない
・(失敗したとき)俺の言うことを聞かないからお前はダメなんだ

そして、

『血が繋がってるから道具に見える』

 ああ、私、人間じゃなかったんだなあ。

 ニート歴2年。
 役に立たない穀潰しの道具歴21年。

それでも、

オモチャは買ってもらえた、
修学旅行も給食費も問題なく、
お小遣いもあった、
高校も通った、
短期大学も行った、
病院にも行けた、
メガネも買ってもらえた、
スマホもある、
部屋もある、
デイケアサービスにも通わせてもらってる、
ご飯もある、
両親ともパチンコやらない、
お酒は嗜む程度、
暴力もない。

普通というか、恵まれているんだろうと思う。たとえ道具でも、なじられても、理不尽があっても、泣ける部屋があるだけマシだもの。父親の足音に体を固くするけれど、それでも3日もすれば『飯を食うな!』って怒鳴ったことを忘れて、ご飯だよと呼びに来て貰えるもの。

お風呂にも入れるし、スマホでゲームもできる。電気毛布とストーブのある部屋で布団にくるまって、薬を飲んで、眠れる。

 勝手に育った私が、勝手に精神を病ませている、そう、親は悪くない。親は悪くない。二十年殺さずに生かしてきたんだから。

 みんな言う。

どこの家だって同じだよ
お父さんを悪く言っちゃだめだよ
お父さんも疲れてたんだよ
お父さんのほうが早く死ぬんだから
お父さんを立てて生きなさい
親の言うことは聞きなさい
あなたはまだ20代だから
あなたは親になったことがないから
あなたよりひどい家庭はたくさんある

その通りだ。その通りだ。
実際、周りに私よりひどい環境のひとたちがいる。だからその子たちの『苦しい』『殺される』『死にたい』に比べたら私の感情なんて嘘みたいなものだと思うんだ。

 鬱病みたいなものも、希死念慮も、自暴自棄も、不眠症も、悪夢も、『可哀想がられたいだけの妄言』に過ぎないんだ。

 他者に依存しいで小中高大全部人間関係の失敗を繰り返して、勝手に出ていって、授業で虐待のことをやって勝手に重ねてつらくなって、自殺未遂して、勝手に帰ってきた。だけ。

 全部わたしの身勝手。
 
 だからきっと、働こうと思えば働ける。
 眠ろうと思えば眠れる。
 薬もやめようと思えばやめられる。
 やれば、なんだってできる。
 死のうと思わなくてもいつか死ぬ。

のに、動けない。いや動かないまま、早2年。嘘の虚無感と、嘘の涙、嘘の病状で予定がない日はベッドの上から動けない。

『働きたくないから死にたい』なんて怠惰がすぎるよな。本当に殺されかければ働けるのかな。

 借金(奨学金)作ってごめんなさい。
 穀潰しで、糞の役にも立たないのに生きていてごめんない。
 医療費かけてごめんなさい。
 お手伝いすら疎かになってごめんなさい。
 働いてなくてごめんなさい。
 お金ばっかりかけて生きてごめんなさい。

もう殺してください。明るい未来の想像ができないのです。元気な自分に後ろめたさがあるのです。道具なら、殺しても器物損壊にしかならないよ。どうか殺して。失敗作の道具を壊して。自分で死ねなくてごめんなさい。

感想1
経験談を寄せてくださり、ありがとうございます。
マシなところ探しをしないと心が保てないほどの窮地にいるように思いました。
保護者の立場だからといって、偉いわけではないと思います。ましてや、家族を道具扱いするのは許されない人権侵害だと思います。
身体的には生きられていても、精神的には命辛々だったのではないでしょうか。だから、ここに書かれていた心身や人間関係の不具合が出ても、不思議ではありませんでした。
「やれば、なんだってできる。」と書かれているのは、あながち嘘ではないと思いました。生活環境が今よりも良い方向に変われば、本来のあなたの持っている力がもっと発揮されるのだろうと思っています。そのためにも、これまでの経験や今の状況をなるべくトータルに理解して、一緒に考えたり動いたりしてくれる仲間が必要なのかなと考えました。そうした仲間を見つけて支え合いつつ生活しやすいような世の中になるには、どんなことができるのか、考えていきたいです。

感想2
経験談読ませていただきました。
人が生きていていいと自然と思えるためには、衣食住があるだけではダメだということがとても伝わってくる経験談だと私は思いました。
投稿者さんが父親から言われてきたことを読み、私には父親が自分のストレスや怒りのはけ口として家族にぶつけているように見えました。うまく言葉にできないかもしれませんが、何か父親自身が優位でいられるように、自分が強者でいられるように、「ダメな家族を養っている自分」の家庭を築いて投稿者さんやお姉さんの力を奪っているように見えました。その父親の存在だけでも日々を怯えて過ごさなければならないことを想像し、私はやるせない気持ちになりますが、その父親を良しとしたり増長させるような【みんなが言う】ことに、とても残念な気持ちと憤りを感じました。

以下私の心の声です。
・どこの家も同じ?家族を所有物だと発言する父親がどこの家にもいる社会にしてたまるか。
・疲れていたら何を言ってもいいのか?
・支配者(父親)を立てるってことは、支配を受け入れて我慢しろってこと?
・親が言うことが納得できたら自分に取り入れるけど、そうじゃなければ反発するのも自立では?
・他にもっと酷い家庭があるから何?

などなど頭に浮かびましたが、父親が家族を攻撃することが容認されて、攻撃される側が怒らせないようにすることを勧められることに理不尽さを感じました。
父親が社会の中で疲れストレスを溜めていることも社会の課題であるとも思いますが、だから家族にあたっていいとはならないと私は思います。
父親からの直接的なダメージだけではなく、社会に染みついている価値観にも苦しめられているように私には感じられました。
投稿者さんの状況や気持ちを想像すると、明るい未来を想像できないのも頷けます。
「もう殺してください」という言葉に私は再びやるせなさを感じましたが、投稿者さんの本音なのだろうと思いました。
どうしたら今よりも生きやすい社会になれるのか、どうしたら攻撃される人が我満して暮らさなくてもすむ社会になれるのか、そのためには社会に染みついている価値観が変わっていくことも必要なのだろうと私は思いました。
この経験談を通じて私は、親からのモラハラが子どもの力を奪っていること、そしてそのモラハラを社会の価値観が増長させていることを改めて考える機会となりました。死にトリでは価値観についても考え続けています。もし機会がありましたら今後も死にトリの活動にご参加ください。経験談の投稿ありがとうございました。