ここチャット実施レポート「学校・職場のルール勝手に改正検討会議」(2021/10/03)

10月3日は「学校・職場のルール勝手に改正検討会議」というテーマでここチャットを実施しました。参加者は5人でした。

最初に3つの質問に答えました。

①あなたにとって、学校や職場の居心地がどうだったか教えてください。

この質問には次のような答えがありました。

  • 居心地が悪かった。
  • 小学校くらいまでは自由で居心地良かったですが、中学、高校と進むにつれ居心地が悪かったです。なぜ守るのかわからないルールが増えたり、礼儀作法を守らなければならない圧力がいやでした。
  • 小中→悪い、高校→息苦しいところもあるが楽しい、大学→自由で楽しい 職場→場所によってすごく違うけど「社会人ならこれくらい普通」みたいなのが大変でした
  • 閉塞感が強い場所、威圧的。

②自分や周りの人が実際に不条理と感じたルールがあれば、教えてください。

この質問には次のような答えがありました。

  • 髪を染めていないのに黒くして来いと言われた。
  • 地毛登録という謎文化と、髪の毛に難癖をつけまくる教師によって自分と友達の尊厳が傷つけられました。委員長になった友達を規則に従ってリコールしようとしたら、先生たちに本気で止められました。
  • 中学→下着の色の指定、髪の色の指定、職場→副業禁止、正社員と派遣社員の違いとか
  • 皆同じ格好をしてるのが怖かった。皆同じ事をしているのも謎というか疑問だった。

③見直したい学校・職場のルールがあれば、教えてください。改正案もあれば、付け加えていただいて大丈夫です。

この質問には次のような答えがありました。

  • 髪型や服装などもっと自由でいいのでは?と思っていました。
  • 校則は基本なくていいと思います。全廃を提案します。
  • 副業禁止は「この会社に命かけろ」と言われている感じがして怖いです。いろんなことを自分のやりやすいバランスでできる方がいいと思うので、なくなったらいいと思う。裁量労働制といいつつ、実態は残業を無限にしても自己責任なのでタダ、というところがありました。裁量というのが形だけにならない仕組みにはなっていないと感じます。
  • ルールは人を守る為にあると思うので、髪型や色などは関係ないのではと思います。

選択肢も少な過ぎるので増やして欲しいです。

服装や髪色についての校則

上の回答を見て、参加者の一人から「みなさんが書いてる見た目などに関するルールは変だと思うし、私はない方がいいと思います。反論として、見た目で格差がわかってしまうから、同じように揃えた方がいい、みたいな話を聞いたことがありましたが、作業に必要な服なら公共のものとして提供すればいいし、学ぶ場にも格差が出てしまうほうが変だなと思いました。」という意見がありました。

これについて、以下のように話し合いました。

「なるほどです。制服や服装など見た目を揃えるのも費用がかかりますもんね…。」

「制服もあるけど、私服も可とか選択肢が欲しいです!」

「学校や会社に所属していると、その人は『あの学校/会社の人』とみられるので、よっぽど信頼していないと、ルールでしばって管理したくなるのかなぁと思いました。」

「格差の話は学校だけの問題ではなく、社会全体としての課題なのかな?と思いました…!」

「格差の話は自己責任が浸透しすぎている社会の問題でもあるなぁと感じました。」

ありのままを否定する校則撤廃案

②の質問の答えで出ていた地毛登録については以下のように話し合いました。

「ルールを守る為のルールという感じがします。もはや何のためのルールなのか…」

「地毛登録はやったことがないですが、髪の毛とか提出するんですか?」

「うちの高校は写真を撮っていましたよ。それでも地毛が茶色い人は黒く染めるよう言われていましたが…」

「なるほど、とても無意味ですね!!少なくとも、ありのままの自分の状態を学校が否定して言いわけがないと感じます。」

「染めるって、アレルギーがある人は大丈夫なんですか?」

「私はかぶれたりしなかったのですが、肌が弱い人やアレルギーがある人は黒染めは厳しそうですね。」

「染める道具なども自分で買わなきゃいけないんですかね。なんか色々と苦痛なルールですね。」

「美容室で黒く染めました。自費でした。ルールを破ろうとしている訳ではないのに、なぜ?と悲しかったです。

「お金も時間も存在も、何もかもが無駄なルールですね…。」

「髪の毛のルールは、改正というか、撤廃でいいよなぁ、と読んでいて思いました。」

「ありのままの髪の毛でいたいです。撤廃賛成です。」

この話をしていて「○○さんが初めに書かれていたみたいに、ルールは人のため、お互いのためにあると思いますが、運用しているうちに、その本筋を忘れがちなのかもしれませんね。。」という意見や「人の「ありのまま」と他の人の利益?が噛み合わないときに、ルール(というか、約束?)が必要になるのかな。でも多数派がよければ他の人が蔑ろにされていいというのはやだなーと今までの流れを読んでいて思いました。」と考える人もいました。

権利を守るためのルール

③の質問で校則全廃を提案していた参加者から「ルール全撤廃派の私としては、残しておくべきルールはあるのだろうか?と気になっています。みなさんの話を聞き、少数派を守るため、だれかが傷つくのを止めるためのルールがあれば残したい(つくりたい)と思いました」という話がありました。

これに対して、以下の意見がありました。

「残しておくべきことがあるかはわからないですが、『だれかが蔑ろにされてないか、困っていないか定期的に見直す』みたいな、状況の再検討のためのルールはあるといいのかもしれないと思いました」

「会社とかの話だと、会社の利益と個人の利益を両立させるための『お互いの合意のための約束』みたいなものは権利を守るために必要かもしれないと思います。」

「私も人権は守られてほしいと考えてます。人権を無視したルールは要らないと思います。」

普遍的なルールとそれぞれのルール

この話を聞いて「自分と相手の権利を守ることがルールの役割だとすると、普遍的なルールと人それぞれのルールがありそうだなと思いました。」という意見がありました。

そこから以下のように話し合いました。

「校則や雇用契約書、就業規則などは、公的な側、大きい側が予め作って、個人に同意を求める形がほとんどなので、ざっくりした内容になりやすく、個人にはあまり合わない形になることが多いのかもしれないと感じました。それが「普遍的」寄りのルールかもしれないです。」

「第三者的な立場で、それぞれの権利を守るために見守る人が必要なのでは?」

「ルールなどには検証する機会が前提として必要なのかもしれないと思いました。それは当事者だけだとむずかしければ、第三者がいることもいいのかもしれないです。」

参加者の感想(抜粋)

地毛登録の話を聞き、今の時代にもこんなにおかしなルールがあるのだと思った。ルールは全部ない方がいいと考える人の話や、でも人の権利を守るために必要なルールもあるかもしれないと話したのが面白かった。どんなふうにすれば、ちゃんと人の権利を守るためのルールだけをうまく使えるのだろうかと思う。
なんの為のルールなのか考えたり悩んだりしているうちに時間になってしまいましたが、勉強になりました。このような機会を作ってくださりありがとうございます。
みんなが幸せにすごせるルールを決めることは難しいと思った。誰かが損をして誰かが得をするようになっているし、第三者機関があったとしても全くの公平公正はとても難しく果てしないことだと感じた。
学校や職場に余計なルールがあることは、参加者同士の共通認識だったと感じています。もっとたくさんの人の話を聞き、意味のある決まりをつくれると、さらにおもしろかったですが、十分有意義な時間でした。