みんなの方がわたしより辛い

東北・18歳・女


吐き出したいのは、私の家族の話と大学の話のふたつです。長いです。すみません。

私の家族は、母父兄私です。
父は単身赴任です。私が生まれてからずっと。1年に1度帰ってきたら良い方です。本当にたまに帰ってきます。忙しいのだと思います。
兄とは年の差が大きくて、もうとっくに独り立ちしてついこないだ結婚しました。兄と母は血が繋がっていますが、父と兄は繋がっていません。でも全然普通に話したりしてたと思います。今の父と母の子が私でした。私はすごく父に似ているらしいです。母が何度も何度もそう言うので、多分そうなんだと思います。

小学生中学年あたりから家には私と母だけです。母も忙しいので基本的に昔から一人の留守番が得意な子でした。運動が出来なかったので代わりに勉強をしてました。褒められたかったというよりは、暇だったからやってただけのものです。
そんなおざなりなものでもまあまあ力になっていたようで、今、私は自分には勉強ぐらいしか無いなって思ってる高三です。

学校でいじめられたことはありません。楽しい学生生活を送っています。友達も普通にいます。親友と呼べるような子だっています。
でも最近すごくしんどくて、受験期だからしょうがないですよねこれは。なんでも重く考えすぎなんだと思います。でも少しだけ話させてください。

多分、父は私のことあんまり考えてなくて、母はもう疲れたんだと思います。
母は家で料理をすることが極端に減りました。最近は頭が痛いみたいで、大体寝ています。休日もなんか食べてねと書置きがあって、平日は今日は疲れたからと買い物がとても多くなりました。ほぼ毎日何か買ってきて食べてます。作ったとしても鍋とかだったりして、まあ、つまり本当に疲れたんだと思います。わたしで二人目だし。一人でずっと育ててくれたんだし。
ここ数年で気づいたのですが、わたしはあんまり母が好きじゃないです。多分母もわたしをあんまり好きじゃないです。そんな深刻な話じゃないって分かってるし言葉ほど重い意味を持つわけでもありません。ただ、兄の方が大事なんだろうなって節々から感じてしまうだけです。

兄は放任主義的な父の代わりに私に良くしてくれて、母への感謝も忘れず、たまに母と兄でふたりで電話してるらしいし、兄はすごくいい人です。私も好きです。母は少し子供っぽいところがあって、私が愚痴やきつい言葉を言うと不貞腐れてもういいよって言います。
これは昔からだったのですが、大学受験の話のときでさえ、そう言われてしまいました。何でそんなこと言うのって聞きました。何がっていつもの顔して言われました。三者面談の後でした。第一志望変えてみても良いかもね、て先生に言われた後でした。成績が悪いねって話です。
母は大学を出ていないので受験の仕方がよく分からないそうでした。だから説明したのですが、あなたの好きにしなさいと言われました。都合がいい言葉を使われたと思いました。丸投げ、って言葉はこういうときに使うものだったと思います。少なくとも私にはそう聞こえました。

このままじゃ合格の見込みがないようなひとは先生に第一志望の変更を促されるって友達から事前に聞いた話でした。模試の成績を広げながら、先生が話し出したとき、あ、それだなってすぐに分かりました。顔はふせませんでした。多分あの時私は泣いていたけど、涙はこぼしたくありませんでした。私の後には次の面談の子がいたので。
先生が「ごめんね。萎えさせちゃったね」と言ってきたとき間髪入れずに「大丈夫です」て言いました。なんにも大丈夫じゃなかったけど、謝られたら大丈夫ですって言わないといけないのを知っていました。「とりあえず、第一志望は変えずにこのまま頑張ってみる感じ?」て言葉に頷くことしか出来ませんでした。先生を責めるような気持ちがずっと心の中で燻って、それを否定できなくて、恥ずかしかったんです。
私が行きたい大学は、第一志望でも第二志望でも無く、親のハンコが押された進路調査票という紙にはどこにも書いてない大学でした。
県外の大学を1番最初に志望しました。行きたいなって思いました。一人暮らしや都会に憧れてたのも勿論ありますが、色んな大学のパンフを見て、ここが一番いいなって一人で初めて選んだ大学でした。今でも本当はそこに行きたいです。高校二年の終わりごろまでその大学で志望してました。母には良いよねって言ったら良いよって言ってくれたはずでした。

二年冬に突然、「県外は無理だから。」と言われました。学校で書き溜めた志望理由書が全て無駄になりました。二年の夏に買った赤本が綺麗なまま、今も本棚に入っています。どんなに説得しても無理しか言ってくれませんでした。「お金が無い」って言われました。辛かったです。なんで突然そんなこと言うのとかお金の話なら自分で稼ぐからとか、そういうことを言った気がします。
でも、話になりませんでした。文字通り、私と会話してくれなくなりました。大学の話をしようとすると無視するか逆ギレしてくるようになりました。「無理だっつってんじゃん」とかそういう感じです。お金の話も、私がいつもは寝てる時間に、母が兄と電話で「自分で稼ぐって言ってるけど普通に無理だよね」って話しているのを聞きました。それを私に直接じゃなくて兄に言っていたのが一番ショックでした。悪口を聞いてしまったときとよく似ていました。
困惑と落胆と、そういう感情の塊でした。

言葉にすると自覚しそうなのでここらへんでやめます。その中には勿論怒りもありました。でも諦めてしまいました。もういいやって思いました。だから今は特にモチベも無い県内の大学が第一志望欄にいます。私にずっと将来の夢が無いことも母を説得することを諦めた一因でした。
そこに行って何をしたいかで大学を選ぶのが大事って先生はみんな言います。私もそう思います。でもこういうのってもうどうしたらいいんでしょうか。もうどうにもならないと思うんです。だから諦めたんです。これは言い訳です。その諦めて選んだ国公立の大学にすら、偏差値が届かないことへの言い訳です。モチベがゼロなので、そこしか行くところがないから選んだので、したいことも成りたいものもそこには何もありません。このままだと落ちるなって私も思うし先生も思ってます。

まだまだ若いんだから、これからどうにでもなる。
「これからどうにでもなる」って言葉は、「今はどうにもならない」とよく似ています。同じでは無いんだろうけれど、未来に希望を持つことは、たかが10数年生きただけの私にはとても難しいことでした。

担任の先生から見たら私は先生の記憶を流れる数多くの子供のひとりにしか過ぎないんですよね。そういう話をどこかで聞きました。でも私は、そんな言葉で濁して欲しくはなかった。ごめんなさい。自分本位な考え方しか出来なくて。大人に勝手な期待をして、勝手に泣いてしまってごめんなさい。私は、私が思っていた以上に子供でした。小さい頃親の職場で算数ドリルを広げていた自分が、なんだか急に馬鹿馬鹿しく見えたんです。

追い討ちのように、推薦で私の第一志望に入った男子がクラスに二人います。すごく声が大きく聞こえます。この間クラスメイトのもう受験が終わった女の子二人が、私の第一志望大学を笑いのネタにしてるのを聞きました。「いやA大学かよ笑」「それな笑笑」みたいな感じです。
悪い人達では無いんです。その女の子二人も推薦の男子二人も。私より頭がいいし、努力をして受かったのも知ってます。受験頑張ってねってお菓子をあげたし、おめでとうってハイタッチもしました。自分のダメなところばかり目につくし、クラスメイトのすごいところばかりとても良く聞こえます。そういう毎日です。

行きたくもない大学、悪い判定、話をしてくれない母、上がらない成績、近づく日程。
多分いまが一番つらいんだと思います。死にたいに近いです。死にたい訳じゃないけど、自分じゃどうしようも出来ない事象が重なってただ辛いです。
死にたい訳じゃない。多分そういう事じゃない。死にたいって思ったことは無い。ずっとそう思っています。自分の本音もよく聞こえなくなってきました。自信がなくなってきました。喉がぐっと締まるけど、泣きそうなときとよく似ているだけです。本当にそれだけの話です。
私より辛い人がいっぱい居るんですよね。
「私の方が頑張ってる」って母に言われたときも、そうだねって心から思ったはずです。知ってます。ごめんなさい。辛いなんて言わなきゃ良かった、ごめんね。
私は心の底で被害者ぶりたいし、母を悪者にしたいのだと思います。だからこんな書き方しか出来ないのだと思います。友達もいるし学校でいじめられたことも不登校になったことも無いし家族は全員いるし虐待もされてないし体罰もされてないし今暖かい布団の中にいるし今日コンビニで買った夕食も美味しかったんです。恵まれてるはずなんです。

ここの経験談で書いている、年齢が近い方のものを数個読ませて頂きました。多くの方が「お母さんのことは好き。でも」と悩みを打ち明けているのを見て、母のことが好きだと深く頷けない自分に気付きました。悪い人では無いんです。ここに書いた人たちは全員良い人なんです。でも、母のことが好きなのか、よくわかりません。ずっとわかりません。多分これを全て母に読んで貰ったとしても、母からの対応は何も変わらないと思います。そういう人です。

吐き出すだけでも良くなるってだいぶ昔に聞いたことがあったから、頭に浮かんだ言葉をそのまま打っています。長々と失礼しました。
もし私と同じくらいの子や、私ぐらいの子供がいる方に読んで頂けたら、何かをやり遂げたような気持ちになれるかもしれないと思って書きました。
病院とかカウンセラーとか、目に見える形の「死にたい」とは違うし、私が経験したことはそれよりずっと軽くて人によってはくだらないと思うものなんだろうけど、私はつらかったんです。
あーあ。私はって主語ばっかり。思春期って面倒ですね。

以上になります。読み難い点多々あったと思いますが、ここまで読んでくださってありがとうございました。

感想1

出てきた言葉をそのまま文章にしてくれたことが伝わる書きぶりで、実際に会ってお話を聞いているような感じがしました。

文章から、疲れているような脱力感と、少しの孤独感みたいなものが漂ってくるように感じていました。

私は、親子だからといって、お互いのことを好きになった方がいいとは、全く思いません。クラスメイト間でも、好きになる相手とそうでない相手がいるように、親子間にもそれぞれの個人対個人としての相性があると思うからです。

ただ、お兄さんが母親さんと親しそうにしていて、感謝を伝えているとすると、「自分もそうした方がいいのかな」という気持ちになってくるのかな、と想像しました。

母親さんに受験の説明をしようとしたエピソードでは、説明内容を理解してもらいたいという以上に、まずはあなたの話に興味を持ってもらいたかったのだろうなと思いました。

学校では、先生が受験についての表面的なアドバイスはしてくれるけど、それ以前の話(あなたの気持ちや日々の悩みなど)を聞いてくれる環境ではなかったのかな、とイメージしてしました。日頃からなんでもお話できるような相手なら、大丈夫ではない時に「大丈夫です」と誤魔化さなくてよかっただろうと思うからです。

昨今では奨学金を活用して、地元を離れた大学に進学する人も少なくないと思うのですが、母親さんはその知識がなかったから、「お金がないから無理」としか言えなかったのかもしれないと思いました。

いわゆる将来の夢があるかどうかと、どの大学に進学するかという選択は、あまり関係がないと私は思います。将来やりたいことのイメージがあってもなくても、大学で学ぶことの価値は同等だと思っているからです。

たくさんのお金を自分(または代わりに親など)が払わなければ、大学での勉強や研究活動ができないという社会の仕組みに、私は疑問を持っています。他国では、もっと社会で負担を分散する仕組みになっているところもあるようです。

ところで最近では、オンラインで様々な大学が協力して、その大学で提供しているのと同じような講義を、高校生や一般の人向けに公開しているサービスもあるので、そういうものを活用して、色々な大学で実際に提供されているものをイメージしながら、考えていくのも一つかと思いました(もしかしたら既に実践されているかもしれませんが)。

現在は、周りの人と比較して焦ってしまいがちな環境にいるのかなと想像します。でも、家庭や学校の教室の中だけではなく、世界に視野を広げつつ、自分自身の率直な声を見つめて、また死にトリでも率直な声を発信してもらえたらなと思いました。

自分の本音が聞こえづらいとき、どうしていますか?
私は自然の中を散歩して、空を見ることが多いです。

感想2

経験談の投稿ありがとうございます。これまでのことや今の状況を俯瞰し、あなたなりに整理しながら吐き出しているという印象を受けました。文章の一つ一つから、あきらめの気持ちがあふれているように感じています(ちがったらすみません)。18歳という若さの人間が未来に希望を持てなくなるということは、社会の一員として情けなく感じますし、申し訳ない気持ちもあります。

自分なりに想像してみると、母親さんとあなたの立場が入れ替わっていることは、つらさの要因になっているのかなと思いました。あなたをケアし、生活を支える(べき)とされている母親さんが、あなたや家族にケアされているようにみえました。それは食べ物や家という物理的な面ではなく、もっと精神的な面での話になります。(もちろん母親さんにも母親さんなりの事情やつらさはあるのでしょうが、それはまた別の話かなと思いました。)ケアされてしかるべき若さで、周囲の大人から適切にケアを受けられないのは、負担になりそうです。

「『これからどうにでもなる』って言葉は、『今はどうにもならない』とよく似ている」との言葉が自分の胸には刺さりました。母親さんの学歴や、家それぞれの経済力のことに目を向けず、「これから」という不確かな未来の幻想を掲げてあなたを納得させようとするのは、なんだか卑怯なかんじがあります。本来であれば周りのだれかや社会が解決するはずの問題を、あなた一人の我慢の問題にさせられているようにみえました。

「自分じゃどうしようも出来ない事象が重なってただ辛い」とおっしゃるように、本当の意味で自分自身が進路を選べる世の中だったら、今のように困っていないのかもしれないなと思いました。そう考えると、生まれついた家によって将来の選択肢の幅が変わるという、今の家族や社会の形はおかしいなと私は思います。子どもが大人の事情に左右されないためにどうしたらいいか、もし思いつくことがあったら教えてほしいです。

返信

●返信1

『文章から、疲れているような脱力感と、少しの孤独感みたいなものが漂ってくるように感じていました。』
確かに、と思いました。頭に浮かんだまま言葉を書いていましたが、根底にはそんな意識があったような気もします。

母にとりあえず一度私の話を聞いて欲しいという気持ちはどこかにあったと思います。それを上手く伝えられなかったから、焦っていたのかも知れません。

自分の本音がよく聞こえないときは、好きな曲を聞いたり弾いたり、本が好きなので本を読んだりしています。
自分の世界に入るのが好きなので、一人で外に出て散歩するのもとても良いと思いました。
参考にさせて頂きます。本当にありがとうございました。

●返信2

とても納得する部分の多い感想でした。

母と私の立場が入れ替わってると言ってくださって、ずっと背伸びし続けなければならないようなこの違和感はそれか、とやっと謎が解けたような気がします。

『母親さんの学歴や、家それぞれの経済力のことに目を向けず、「これから」という不確かな未来の幻想を掲げてあなたを納得させようとするのは、なんだか卑怯なかんじがあります。』
卑怯という言葉が絶妙で、私の気持ちをすごく丁寧に汲み取って下さったんだなと感動致しました。
「これからどうにでもなる」と言った先生も私の将来を放り投げた母も、多分私にそういう理不尽を上手く飲み込んで欲しかったのだと思います。それをなまじ理解してしまったから、なんで私が、と苦しくなったんですよね。気持ちの整理があなたのおかげで上手く出来ました。

家の環境や経済力を理由に、自分のしたいことがどんどん切り落とされていくのは丁寧に身を切られていくようで辛いし痛いです。ほんとうに。
それをこういう場で吐き出せること、本当に感謝しております。ありがとうございます。

送らせていただいた文章を書いてから随分時間が経って、今はもう受験のほとんどが終わりました。まだ進路は確定していませんが、試験自体はもう終わっているので後は合否を待つのみです。
今読み返すと青く若い文章ですが、とても丁寧な感想をおふたりの方から頂き、死にトリさんに送って良かったです。
生きがいを探すことは本当に大事で、悩みを吐き出せる場所や人を見つけることはそれと同じくらい大事だと思っています。

本文中にも書きましたが、私と同い年の子やこれから大学受験の子、私ぐらいのお子さんがいる方などに読んで頂けたら大変嬉しく思います。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。