ラベリング出来ないつらさ

東京都/29歳/男性

1自分の現状

 私は、今社会人として働いています。男性で29歳です。一応問題なく働けてはいますが、精神科に通院しています。お医者様には「苦手な仕事があると不安になる」「睡眠が浅いことがある」と説明しています。しかし、この説明は自分の中ではしっくり来ていません。嘘では無いのですが、本質的悩みでは無いのです。しかし本質的悩みを上手に言語化できないため、このような状況が続いています。ここでいう「言語化出来ない」とは、単純に言葉にするというより、うつ病とかパニック障害とかのメンタルの病気に該当する内容でないため相談出来ないという意味です。ただし、病院では不安障害という診断を受けています。そこもしっくりきていませんが……

 自分の精神的傾向はなんとなく言語化できます。対人関係に苦手を感じる、自分の考えや行動に自信が持てない、他人からの承認欲求が強い、疎外感を感じるなどです。また、他者から怒られることを恐れたり、反発して怒りを感じる傾向も強いです。これらはアダルトチルドレンと呼ばれる方と共通することが多いと思うのですが、自分がアダルトチルドレンであるともし言われたとしても腑に落ちないのです。自分が虐待を受けていたという認識が無いからだと思います。なお私はアダルトチルドレンの専門家では無いので、正確な情報についてはご自身でお調べいただきますようにお願いします。

 このサイトにあります、つらチェックを受けてみました。結果としては「人生ハードモード」「仕事成功願望・傷つき体験から抜けたい願望・常識度合い」が高く、特に「傷つき体験から抜けたい願望」が高い結果が出ました。この「傷つき体験」には思い当たることが多く、けれども決定的なものが思い浮かびません。つまり、私の現状に「ラベリング」が出来ないのです。うつ病、パニック障害、虐待、引きこもりなど、名前の付けられる問題があります。それらは間違いなく多大な苦痛を与えるものだと、私も思います。しかし、自分がそのようなラベリングが出来ない状態にあるため、不謹慎と思いつつも名前が付けられた問題なら、精神科に通っていながら相談できないなんてことにはならなかっただろうにと、思ってしまうことがあるのです。

2高校生までの人生

 こんな状況にあるため、「傷つき体験」を語るには半ば自分の半生を語るという方法しか思いつきません。私は嫌な記憶ばかり思い出す傾向にありながら、いざそれを語ろうとすると脳が思い出すのを拒む感覚に襲われます。そのため具体的な話をしようとするだけでしんどくなる傾向があります。

 私は幼稚園くらいの頃に、引っ越しを経験しました。この出来事が私に与えた影響は分からないのですが、母は引っ越し先の土地に馴染めなかったようです。父と母は一見いい家族でしたし、私も高校時代まではそう信じていました。ただ、父母がよく分からない理由で喧嘩することがあり、それには恐怖を感じていました。近くにあった父の実家に行って母が頭を冷やすのを待つということもありました。

 私は真面目な性格でした。そのあたりが原因なのか、いじりというかいじめの対象になりました。そのとき私は自分からは相談できず、周りから判明して一応いじめがおさまるというのがよくある流れでした。そのとき、母はいじめの対処法として周りと穏やかに付き合えるような処世術を教えることがありました。そのことに内心不満を感じていました。今にして思うと、「あなたが悪いわけではない」と言って欲しかったのだと思います。処世術を教えるということは自分にもいじめの原因があると言われているように感じました。他にも、中学のときのいじめでは、いじめっ子が謝ってきたときに、本当に今後いじめをしないのかしつこく聞いたことがありました。その際先生に止められ、大人げない(不鮮明な記憶ですが……)と言われました。納得するいじめの解決になったことは無かったというように思います。

 母は表現するのが難しい人物です。体調を崩しやすく、気分が不安定な人でした。普段は優しいですが、小学生のとき登校時に妹が具合が悪いのに無理やり追い出した記憶があります。父も普段は優しいのですが、不快そうな表情を見せることがあります。どんなときの記憶かは不明瞭ですが。結局、根本的なところで父母は円満にいっておらず、高校時代に離婚しました。そのとき私は家庭に抱いていた違和感の正体にやっと気づきました。なんでそれを言ってくれなかったのだろうと思うこともありました。ただ、予兆はありました。母は心療内科に通っていました。父はその原因が自分にあると言われているような不快感を感じていたようです。

 なお話がずれますが、私も心療内科の受診を母にお願いしたことがあります。そのときは子供のころから薬を服用するのは問題があると断られました。別に薬を服用するだけが心療内科の治療ではないはずですが、私は反論できませんでした。私は学生時代、毎朝えづくような咳をしていました。これは実は今でもまれに起こります。今同居している母には気づかれないようにしていますが。これが心因性かどうかは断言できません。

3大学と就職

 そんなことを経験しつつも、私は大学生になりました。大学は遠い土地だったので一人暮らしでした。

 ここでの最大の問題点は友達の作り方を全く知らなかったことでした。前章で書きませんでしたが、私は今までロクに友達がいたことがありません。クラス委員をやったり、決して孤立していたわけではないのですが、友達の家に遊びにいった経験が1回くらいしかありません。友達と一緒に出掛けた経験も5回いかないと思います。そのためクラスという枠組みが薄い大学時代には交友関係をまったく築けなかったのです。

 それ故に過去問の情報共有を受けられず、授業の情報を得ることも出来ませんでした。同級生に話しかけることは出来るのですが、それ以上の飲み会だとか、お出かけだとかに進まないのです。一応単位は取れましたが、頼れるのが自分ひとりというのはつらかったです。

 サークルには一応入ったのですが、サークル、とある委員、そして授業と色々あり大変だと母に愚痴ったら、「そんなに色々入っているなんで自業自得だ。次は話を聞き流すよ」と言われました。実際は委員の仕事はほとんど無かったのですが、そのときの私はパニックになり、サークルを辞めてしまいました。母は悩み相談相手としてはきちんと自分の話を聞いてくれないという問題があるのは分かっていたのですが、他に相談相手がいなかったのです。これで交友関係を築く糸口は消失しました。

 それでもなんとか研究室配属までは進めたのです。ですがここの教授ともうまくいきませんでした。高圧的な教授と性格が合わなかったのもあるのですが、1番の問題になったのはほんの些細なことでした。その研究室では実験器具を自作していたのですが、それがうまくできなかったのです。なんとか頑張ろうと練習しても、材料を無駄にしていると怒られました。他の研究室に異動しようとしましたが、理由を説明できずうまくいきませんでした。

 そんなことをしているうちに引きこもり染みた生活を送るようになりました。その間も大学の相談所には通っていたのですが、母からは甘やかされる言葉を求めているだけだと言われました。部屋を掃除する気力が無く、部屋が汚くなっていたのですが、それもさぼっているだけだと母から叱られました。

大学の相談所では、「あなたは、痴漢に遭いやすい女性がいるように、苦悩することに出会いやすい人間なのかもしれない」と言われました。それは少し腑に落ちる表現だったのですが、結局世間に納得してもらえるとは思えない内容でした。

結局引きこもりを脱したのは母に就職を勧められたからでした。そのときも、私が自分で仕事を探した時には反応が薄かったのに、母自身が勧めた仕事には納得したのでした。そんな反応をしている自覚すら母には無いようですが。引きこもり時代に部屋を汚くしたことを「一人暮らしが出来ない」を評価された私は、離婚後引っ越しをした母と同居し、その土地で就職しました。

4就職後と再び現状

 就職した仕事自体は決して嫌な仕事ではありません。ただずっと漠然と自分に対する自信の無さを感じる日々を過ごしています。自分に自信が無いので、仕事に他人より時間がかかります。過去の記憶を思い出そうとしても、嫌なことしか思い出せず、そのくせ最近のことなのに記憶が曖昧で、しかも思い出すのが苦痛なのです。

それでも記憶を掘り起こしてみると、体系づけて仕事を教えてもらえなかったのがつらかったです。その割に仕事の用語間違いをいちいち指摘されたりもしました。職場の先輩の言っていることが人によってバラバラで振り回されたりもしています。

隣の係の仕事が出来ない同僚が、上司にいつも説教されているのを見ました。同世代の人もいれば、ひとまわり先輩の人もいました。その説教を聞くたびに、自分の仕事の出来ていない部分も意識させられ不安になります。課長に相談したこともありましたが、自分の仕事を見直すいい機会だと言われました。とてもそんな前向きな見方は出来ません。母に相談しても、課長や職場の不興を買わないという観点からしかアドバイスをくれません。

今までの人生のそんなつらさの積み重ねが今の自分なのかもしれません。積極的に死にたいわけではないのですが生きる気力がわきません。仕事や土日はぐったりしてしまいます。友人はひとりもいません。ネットも含めてです。母と同居して相談までしていますが、母のことが信頼できません。精神科に通ってはいますが、自分の状況を説明しようとしても、例えば仕事場の話をしても、そこは自分の領分では無いと言われます。そんな漠然とした不安の中で日々を過ごしています。そんなときに自分の不安に名前を付けて欲しい、ラベリングして欲しいと感じるのです。

感想1

経験談を投稿いただき、ありがとうございます。

名前がついていて、みんなに認められているような感じがしないと相談できない、というのはなんとなくわかるような気がしました。確かに、名前がついているほうが、これは周囲に相談してもよい、と自分に言い聞かせられるように感じます。そういう風に感じるのも、文章中にあるようにとてもまじめな方だからなのかな、と思いました。自分の中に基準があって、ラベリングされていないことを相談するのはそのルールに当てはまっていない感じがするということかな、と考えてしまいました。ただ、ラベリングできなくてもつらいものはつらく、それは変えられないことと思います。文章を読んでいてここまで言語化できているのであれば、あなたに合う相手さえ見つかれば、きちんと伝わるのではないかな、と考えました。

また、文章を読んでいて母との関係が気になりました。自分が仕事を探したときは反応が薄いのに、母が勧めた就職先には納得していたというエピソードがありました。母は投稿者様のことを自分の思い通りにしたいという感情が少なからずあるのかな、と感じてしまいました。それに、母は相談相手でありながら信頼はできないということでした。少し距離を置ければ少し変わるのだろうか、ともふと考えてしまいましたが、外に相談を求めていく難しさが現状としてはあるのかもしれないとも思いました。

ですが、こちらの経験談を読んで、自分の気持ちの言語化と発信がきちんとできる方なのだと感じたので、今後はよかったら死にトリなどのコミュニティにぜひ発信してほしいなあと思いました。そうすると、母や精神科以外の頼り先、ラベリングされていないつらさでも共有できる場所ができるのではないかと思いました。

感想2

経験談を投稿してくださってありがとうございます。過去の経験から現状まで教えていただき、あなたの人生の一部を立体的・時系列的に想像しやすかったです。
名前を付けて説明するのが難しい不安・生きづらさを感じているけど、その本質を話せる人がいない、ということは分かりました。

私は、不安や生きづらさは必ずしも病気と結びつくわけではないし、名前を付ける(ラベリングをする)必要もないと思っています。しかしそれは、周囲に理解されなくても仕方がない、ということではないと思います。むしろ、名前の付く病気や傷つき体験を抱えている人しか、配慮やサポートを得られない社会はとても窮屈なので、何とかしたいと思っています。

育った家庭についてですが、両親の関係が根本的に円満でなく、ときどき母から納得のいかない言葉を言われたり、父が不機嫌な顔をして恐怖を感じたりすることがあっても、普段は両親とも優しかったということなら、それほどひどい目に遭ったと感じていなくても、不思議ではないと思いました。また、母が心療内科に通っていたことを知ったときに感じられた違和感は、心療内科に通っていたということよりも、それを両親があなたに隠していたということに対しての違和感だったのかなと思いました。

また、いじめを受けた経験や、いじめを大人が解決してくれず、むしろ非難するようなことを言われた経験も重なると、過去を思い出すのが苦痛になってもおかしくないと思います。

それから、交友関係を築くことの難しさや、仕事を体系的に教えてもらえないことのつらさは、何かしらの不器用さから来ているのかもしれないと思いました。とはいえ、上司の言うことがバラバラだと、誰でも混乱してしまいそうです。

上司が何人かいるということは、おそらくチーム(組織)で行う仕事をされているのだろうと思いました。仮に一人で行う作業が多い場合でも、人が集まって仕事をしているのなら、お互いの苦手なことを理解してフォローし合いながら、チームで一つの成果を出せたらいいのではないかと思いました。
その「苦手」が病気や障害によるものであっても、そうでなくても、誰もが自分の「苦手」に対して周囲に理解やフォローを求める権利があるのではないかと、私は思います。

仕事は、失敗しないためにするものでも、職場の仲間や上司に迷惑を掛けたり叱られたりしないためにするものでもないと思います。しかし、もしあなたが失敗することや迷惑をかけて叱られることを恐れ、不安に感じながら仕事をしなければならないとしたら、それはあなた自身ではなく、周りの環境に何か足りないものがあるのだと思います。

あなたの本質的な悩みを紐解くためには、どんな社会資源や環境があればよいのか、意見があればぜひ教えてください。

お返事

まずは規定より長い文になったのに読んでいただけたのが嬉しかったです。

自分の悩みを伝えようとしても伝わらないことが多かったので、相談相手やタイミング、場所によっては伝わるのかもしれないと思いました。ネット上であっても自分の悩みを打ち明けるのに抵抗があるタイプなのですが、このサイトも含めて自分に合う場所を探してみようと思います。